ホラーの映画の評や感想に、「怖くない」というのがある。
そもそも、ホラーは怖がらせるものなのか?
horrorとは、日本語訳では、恐怖、戦慄、ホラー映画のこと。
恐怖を描くものではある。
日本語でいうなら、怪談がある。
怪談は怖がらせるものというイメージがあるが、言葉には怖いではなく怪しいという意味になっている。
本来は、世にも奇妙なという方向なのではなかろうか。
つまり、「怖さ」だけでなく「怖いこと」を語るものではないか。
だが、観客が怖くなるかどうか、はやはり基準ではあるだろうが、その一部なのではなかろうか。
ホラーとは<恐怖>について描くことも含むはずなのよ。
人が怖い、得体のしれないものが怖い、社会が怖い、なんだかわからないけど怖い、死が怖いとかね。
多くのホラーシリーズが、大作化したり、コメディ化したりすると、ホラーの体裁を持ちつつ、怖さではない部分を強調していくから、ホラーはジャンルが動きやすいものなのかもしれない。
でも、ホラー・コメディなどは、恐いけど笑える場合もあるけど、怖いことを使って笑わせる場合が多くないかい?
他にも、日本の感想で「ホラーじゃない」という言葉を見るのだが、それはまさに「恐くないから」ということからつながっていると思われる。
まぁ、「ホラーじゃない」は、「こんなのボクが考えるホラーじゃない」ということなのかもしれないが。
「こうであるべき」が強いのかな。
それは「そうでないもの」を排除してもいい空気をつくってしまうと思うの。
時代は「これもあり」の広い心の良しをうたってるのにね。
コメディは、笑せるものじゃないかという方もいるでしょうが。
笑えなくてもコメディでしょ。
笑えないことで、ホラーになることはあるけど。
それにね、コメディには、実は、シリアス・コメディと言われる真面目で素直に笑わせないコメディのジャンルもあるのです。
それにならって、同じようにシリアス・ホラーで、素直に怖がらせるのではないホラーというのもあっていいのではないか。
それにね、ちょっと笑えたり、怖がらせたりするシーンがあるくらいではジャンルまでは到達しない。
サスペンスに笑えるコメディシーンが少しあっても、コメディとは言わないしな。
そういえばさ、怖いということでは、恐ろしい事故とか社会問題なんかを扱うドキュメンタリーとかこわいじゃない。
でも、これって怖いでhそでもこれをそのままほっといてはいけない、つまり、「こわがるな、立ち向かおう」という提示があるってことでしょう。だから、怖がらせて怖がるなという提示なのよね。
だから、批評や感想でたまに書かれる「もはやホラー」はこの前段を強調しているからじゃないかな。
ほらほら、お化け屋敷という発想で考えると、「こわがらせる」のが第一になるだろうけど、こわくなくてもお化け屋敷でしょ。
そのジャンルが提示するものを観客に与えようとして(与えられなくても)いて、ある程度、そのジャンルの作法にの撮っていれば、そのジャンルに該当する。
あら、結論的なもの出た。
まぁ、当たり前よね。
正論をいうと責められるのは、こわいわ。