akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

なぜか口ずさむ歌「カルメン故郷に帰る」

2005-12-02 | 映画・芸術・エンターテインメント
私は、いつでも鼻歌を歌っている人である。

別に歌おうと思って選んで歌うわけでなく、勝手に口ずさんでしまうので、その時々、何が出てくるかわからない。
新旧のヒット曲だったり、どこかで聴いたCMの曲だったり、昔歌った唱歌だったり、クラシックだったり、映画音楽だったり、自分の作った曲だったりする。ある時は「風の又三郎」の「どっどどどど~ど、どど~どど~」、ある時は「オペラ座の怪人」のいろんなオペラ曲、ある時は劇団四季の「レ・ミゼラブル」。感動したり、刺激的だった音楽は、残って自然に鼻歌になる。
多分、その時の気分や、何かのきっかけで、スイッチが入るのだろうが、印象的な音楽が自分の中に入ってくると、それが好きであろうがなかろうが2~3日それが勝手に出てきて困ることもしばしばである。

ここしばらく、自分が口ずさんでいた歌。なんだったっけ、この歌…と考えることしばし、
ああ!そうか。「カルメン故郷に帰る」で、盲目の先生が作曲した故郷の歌だった。
笠智衆演ずる校長先生が偉くそれに感動して、これこそ芸術!ホメちぎる曲である。
それと同時に、ふと気がつくと、主人公リリー・カルメンことおきん(高峰秀子)が歌う曲も時々口ずさんでいる。対照的な曲調なのだが、どちらもとてもいい。

この映画は言わずと知れた日本初の総天然色長編映画。自分達のストリップは芸術と信じてやまないストリッパー二人が、故郷軽井沢の田舎に帰って、村の人たちの好奇の目、親の嘆きをよそに、ストリップ公演を成功させて帰る。木下恵介の傑作である。高峰秀子、笠智衆、坂本武、井川邦子等が好演。故郷と都会の変化のスピードの差、時代をうまくとらえ、芸術って何よ、それでも変わらない親心や人情ってあるよ、てなことを、ぷぷっと吹き出せつつ、多くの音楽に乗せて情緒豊かに描いている。高峰秀子の天真爛漫なおきんは、本当に魅力的で、初のカラー映画に、実際の色以上の色を与えている気がした。

総天然色で思い出した、今は無声映画の会などでお馴染みの曲「美しき天然」も、この映画の運動会シーンに使われている。景気のいい明るい曲調ではないので、あまり運動会には合わないのだが。
そういえば、先日の文学座公演「浅草オペラ」(舞台が大正の浅草)も、オープニング曲が「美しき天然」だった。
昭和初期の哀愁を漂わせる曲であることは確かだが…。普段鼻歌にするにはちょっと…かも。
コメント
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