言葉にできない感謝

私の兄が亡くなってもう３０年。今年も東京から義姉を連れてお墓参りに来てくれたUさん。

３５歳で起業し、東京の神田で小さいが清掃会社を営んだ。飲んべいで遊び人だった兄だったが、
仕事はきっちりだったらしい。５８歳で亡くなったが、慕ってくれていた従業員たちの手で
泣いたり笑ったり大騒ぎのお葬式だった。棺桶には競馬新聞とお酒がいっぱい入っていた。

ほとんどの従業員は大学生のアルバイトで、若い人たちが大好きだった兄は、儲けとか駆け引きとか
会社を大きくしたいとか、そんなことは関係なく、大学の意授業料を払えるようにと、みんなで頑張った結果、
少しずつ大きくなってきたらしい。その会社を引き継いでくれたUさんは、毎年義姉を連れて
お墓参りに来てくれる。

もう３０年も過ぎたのにねぇ。私の姉妹たちだって忘れているだろうにと思う。
更に来るたび会社が大きくなっていて大阪やらどこやら支店がふえているらしい。
ビルの床だけでなく、ブラインドなど大きなものも洗える機会を取り入れて、人の手で間に合わないところを
お手伝いしているようだった。

兄には子供はいないけれど会社という子供が残り、一人暮らしになった義姉を
ずっと見守ってくれるUさんに、どんな言葉でお礼を言ったらよいのかわからない。

義姉には施設の食事でなく、下手でも私の手料理を食べさせてあげたかった。
Uさんにも栃木の野菜を食べてもらいたかった。昼食をおいしい！と言って喜んでくれたことにも感謝だった。

真心というのは何年たっても繋がっていることを、改めて身に染みて、自分には到底出来そうもないことを
さりげなくしてくれているUさんをすごい人だと思う。
また来年も来てくれるかなぁ・・義姉さんも元気でいてほしい！