つれづれ気まぐれ由来記

大学生活のどうでもいい事や日々の制作活動を記録した自己満足ブログ。
自己満足なので更新は気まぐれです。

古美術研究日誌 京都偏1

2006-01-12 19:16:22 | 探検野郎Aチーム
探検日誌
西暦2005年12月5日

 朝は雲ひとつ無くすばらしくいい天気だった。晴れ晴れした青空に京都タワーが美しく際立っていた。
 この日は、大徳寺の真珠庵へ行った。地下鉄、タクシーにのり寺に入る。入り口付近には案内の地図があり、大徳寺の敷地の大きさには少々驚かされた。普通の住宅街のようだが、寺の敷地内だというのを感じさせない。午前10時に見学するという約束(予約制らしい)だったが、予定の時間まで少しあったので隣の大仙院を見学することにした。入場料を払い、入り口近くの枯山水をしばらく眺めていた。すると、若いお坊さんが院内を案内してくれた。院内の庭の石組は蓬莱山(仙人が住んでいる山)などをイメージして配置されており、部屋から庭を鑑賞するときの目線を意識したレイアウトのセンスがよかった。この院には、千利休や一休和尚(一休さん)のゆかりの場所でもあり、色々と説明してくれた。その後、お茶を飲む予定であったが真珠庵への予定の時間が押し迫っていたので真珠庵を見学した後にお茶を飲むことにした。(院の人に事情を説明した)
 
 真珠庵は今までのお寺や神社とは違い、入場料を払うようなところも無く普通に靴を脱いで入った。どうやら一般の人は容易に見学できないらしく、引率の先生や助手は気を使っていた。ここでも、若いお坊さん(修行中?)が案内してくれた。最初に、寺内での注意事項を説明した。寺全体が重要文化財で、周りに気をつけるようにとの注意があった。寺の中はとても寒くて、靴下を履いているのに足の感覚がなくなるほどのものだった。室内にいるはずなのに、吐く息が白い。各部屋のふすまにはそれぞれ違ったテーマの絵が描かれており、貴重な文化財をまじまじと近くから鑑賞できた。帰る際、沖縄から持ってきたお菓子を手土産として渡した。
 
 その次に行ったのは、金閣寺。ここの入場チケットはなんとお札。お札がチケットとは面白い。入り口からしばらく歩くと金閣寺が見える。大きな池の中に建物全体が「金」。しばらく眺めていると、ポツポツとなにやら白いものが降ってきた。雪である。京都の初雪。ラッキーなのかは知らないが、それらしく雰囲気は出ていた。同行していたF君は初めて見る雪に興奮して金閣寺どころではなかった。金閣寺を見た後は、近くのインドカレー屋で昼食をとった。我々よりも先に食事を済ませていた同輩らもいた。厨房には、インド人らしき人が料理をしていて、100%沖縄顔の日本画コースのM嬢をチラチラと見ていた。同郷の人だと思ったのだろうか。近くにいた私もそのインド人が見ていた。(ちなみに、本土出身の同級生らが言うには私とM嬢は目が大きく顔が似ているそうだ)
 
 昼食の後はバスに乗り竜安寺。寺の入り口までは少々歩く。小雨が降り、紅葉で赤くなったカエデの落ち葉が、雨でぬれた石畳に張り付いてきれいだった。寺の中は暗くて見学者が多かった。この寺には、俵屋宗達の作品があり、それを寺の人がラジカセの音声で説明していた。直接本人が説明してくれればいいのに。そのほかにも、戦国時代、戦死した兵士が倒れた場所にあった床板をもったいないからという理由で、その床板を天井に使ったという話もした。その兵士の顔が板には残っているらしく、ライトで照らしてみたけれどあまりよく見えなかった。結構、悪趣味だと思った。その悪趣味とは反対に、寺の紅葉は美しい。紅葉を見たこのない私にとってまるで夢のようであり、幻想的であった。

 竜安寺の近くには仁和寺があり、距離的にも歩いていける場所だった。仁和寺は中学校のころの国語の教科書に載っていた、吉田兼好の「徒然草」の中に登場する寺だったので一度は見てみたかった。法隆寺同様、この日までに色々なお寺を見てきたのであまり感動がなかった。普通のお寺という印象だった。

 仁和寺を見た後は自由行動だったので、数人(4人)で嵐山へ行った。嵐山に着いてみたが日がくれかかっており、辺りは暗くなりかけようとしていた。みんなで渡り舟に乗ることにした。船頭さんは、おじいさんでこの道のベテラン(推測)といった感じのひとだった。船頭さんは、長い棒で川底を押しながら右へ左へと体重をかけながらベテランぶりを発揮していた。嵐山は見た感じ紅葉が少し遅れているようではあったが、晴れた日はすごくきれいだと想像できる。コースの中盤に差し掛かったころ、一艘の船が猛スピードで近づいてきた。よく見ると、屋台舟であった。ここはベトナムか?と思ってしまうほどの勢いで物を売りに来ていた。品揃えも結構揃っていて、おでんがおいしそうだった。私は買わなかったが、F君とS嬢がおでんを買った。買い物が済むと、屋台舟は次のターゲットへと猛スピードで向かっていった。コースも終盤になり、船は岩場のあるところに進む。途中、船底が岩にゴツンとぶつかりヒヤリとさせらられる。岩壁の辺りに船を止め船頭さんは休憩。
帰りは、反対側の岸で降りた。思ったよりも楽しかった。
 
 嵐山の帰りにS嬢のリクエストにより、染物の工房へ行った。普通の民家の中に工房があり、そこには職人さんが着物の図柄に色を塗っていた。職人さんからいろいろ話を聞いた。我々とは畑違いだが、同じ物を作るクリエーターとしては共通点が多く色のことに関しては意識や考え方としては同じだった。

 工房を出るころには、日はかなり沈んでおり辺りは薄暗かった。駅内には足湯があり、しばらくそこで湯につかった。足だけ温泉に浸かっているのに暖かい。気持ちのいいものだった。
 この日の日程はこれで終了した。



大徳寺の敷地内。

 
大仙院の枯山水。写真を撮ったら怒られた。撮影禁止らしい。なので、小さく・・


金閣寺。お決まりの撮影ポイント。


竜安寺。紅葉がきれい。


嵐山。あまり紅葉が進んでいない。


船をこぐ船頭さん。まだまだ現役。


屋台舟。このスピード感はモーターボートだけのものではない。商売人魂だ!

古美術研究日誌 奈良偏4

2006-01-02 11:38:17 | 探検野郎Aチーム
探検日誌
西暦2005年12月4日

 この日は奈良を離れる日、その前に法隆寺を見てきた。荷物を奈良駅のコインロッカーに預けて、バスに揺られて引率の先生について行く。
 
 バス停を降りると、雨はシトシト降っていた。法隆寺も教科書やテレビでしか見たことの無い幻の寺。しかしこの三日間、あちこちの神社仏閣を見てきたので。あまり感動が無い。目が慣れてしまったのと、どの寺でどの仏像を見てきたのかがわからなくなってきたせいでもある。
 
 それでも後学のため見学する。東大寺や薬師寺同様、修学旅行生が多くにぎわっていた。寺の本殿と思われる広場の中央には、あの有名な五重塔が建っていた。思ったよりも小さく、地味だった。五重塔の中には、仏像が保管されていた。それを金網越しに見ることができた。中は暗いので、懐中電灯で照らして鑑賞するほかなかった。
 
 その後、自主研修(自由行動)ということで、数人で興福寺へ行くことにした。興福寺には博物館のような建物があり、そこの展示物は教科書に載っている仏像がたくさんあった。中でも私が感動したのは、千手観音立像だった。高さ5m20cm5mmの観音様は、威圧感がありながら静かに見下ろす落ち着いた雰囲気はとてもよかった。私の不安や悩み、厄をすべて取り払ってくれそうな感じがした。

 その後、昼食をとったあと奈良駅から京都に向かった。京都駅は奈良駅に比べると人も多く、ゴチャゴチャした感じで都会的だった。ホテルにチェックインしてしばらく駅を中心にブラブラと散策した。京都駅(JR)内にあるデパートを見て回った。長いエスカレーターを上るとでかいクリスマスツリーが見えて、たくさんのカップルがそれを見ていた。そういう立場になるのはいつのことだろうか。駅の向かいの京都タワーにも行った。一階はお土産品店になっており、観光客がたくさんいて混雑していた。京都タワーは上らなかった。あまり上ろうという気がしなかった。
 
 それから、地下鉄をブラブラと歩いた。適当に歩いてそろそろ地上に出ようかと思って出たら、近鉄の駅にでた。ホテルまで結構ある。京都駅(JR)の隣にある大きな郵便局を目印に歩いた。知らない土地での一人歩きは、いくら街の中とはいえ少々不安だった。人通りの少ない道を通ると、赤く光る不思議な建物が見えた。赤提灯に照らされた神社らしきものだった。一見居酒屋のような雰囲気だが、入り口は閉まっておりどう見ても怪しい。その怪しさから私はどうも拝む気にはならなかった。また、隣には縁結びの神社があり、そこも提灯だけが点いていておどろおどろしい感じだった。おどろおどろしい分、ご利益があるかもしれないと思い拝んできた。実際彼女ができたら、お礼参りに行かなければ罰が当たるのではないかと内心びくびくしている。もし、彼女ができたら家の※火の神にお礼を頼んでみます。
 
 その後、ホテルに帰り、今日の日程を終えた。


※沖縄の家庭では、台所のガスコンロのそばに火の神を祀るという習慣(民間信仰)がある。毎月、旧暦(陰暦)の1日と15日には線香をあげて家族の安全などを祈願したりする。沖縄ではもっとも身近でポピュラーな神様。この神様を通じて伝達的なことができるらしい。年に一度、天国へ行って天帝(道教の中では一番の神様。その神様を相当てこずらせたのは孫悟空)にその家族の行動を報告する。
 


法隆寺の門。そこから直接はいることはできなかった。


五重塔。思ったよりも小さい。


京都タワー。


謎の神社。赤提灯が怪しさをかもし出している。


縁結びの神社。ここも結構怖かった。