【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会副会長 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「俳句大学」学長 「火神」主宰 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞受賞

〜Facebook「華文俳句社」〜 【俳句界】2022.7月号

2022年06月25日 01時09分49秒 | 月刊誌「俳句界」
俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!
 
〜Facebook「華文俳句社」〜
〜【俳句界】2022.7月号〜
 
◆2022年『俳句界』7月号が発行されました。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆東北公益文科大学教授の呉衛峰氏、台湾詩人の洪郁芬氏を中心として、マレーシア詩人の趙紹球氏、台湾詩人の郭至卿氏の四人が2018年にFacebookグループ「華文俳句社」を立ち上げました。
◆2018年11月1日には、華文俳句社の四人による二行書きの華文俳句の合同句集『華文俳句選』(醸出版)が刊行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行しています。
※全季節を網羅した、世界的にも画期的な「歳事記」が2020年10月に発行されました。これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆2020年『俳句界』3月号の特別レポートにおいて、「熊本大学」で呉衛峰氏が行ったラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。
 
俳句大學國際俳句學部的通知!
~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku 2022・7〜
◆2022年『俳句界』7月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆2018年12月1日已出版華文俳句的合著,『華文俳句選』。
◆2020年『俳句界』3月號以八頁的篇幅特別報導了於「熊本大學」舉辦的「華文俳句の可能性」座談會。
◆請各位多多支持指教。
 
華文俳句【俳句界】2022,7月号 
永田満徳選評・洪郁芬選訳
 
互相畫眉的閨蜜
婦女節
丁口
〔永田満徳評論〕
三月八日是國際婦女節。是日,華語圈的商家會實施女性商品的優惠特賣,社區或國家會舉辦適合婦女參加的盛大活動,使女性成為矚目的焦點。唐朝古風的妝髮和服飾在台灣一直受到歡迎。畫眉作為閨中密友的鐵證,俳句中的兩人相互畫眉,一齊分享同為女性的喜悅。
婦女の日や互ひに眉を描く友
丁口
〔永田満徳評〕
3月8日は「婦女の日(国際女性デー)」。中国圏では女性にお得な商品を購入できるキャンペーンや女性向けの大々的なイベントが行われ、女性が主役になれる特別な日。台湾では唐代のメイクが人気を集めているという。ごく親しい友どうしの証として、「眉」を描き、化粧し合うことで、女性であることを満喫している姿がよく捉えられている。
九十老奶奶親縫金縷鞋
媽祖生
ylohps
〔永田満徳評論〕
「媽祖生」是台灣的季語,意謂媽祖的誕辰。台灣基本上屬於儒教文化,相當重視高齡者。家族成員之間的關係非常緊密,傳統的大家族常見親子三代,或是四代一同定居的情形。祝賀家族長老之「耄耋壽」,奉贈一雙親手縫紉金絲的「金縷鞋」。此俳句充分展現人民尊老愛老敬老的風氣。
媽祖誕や卒寿祝ひに金縷靴
Ylohps
〔永田満徳評〕
「媽祖誕」は台湾の季語で、媽祖(まそ)の誕生日のこと。台湾は基本的には”儒家文化”で、高齢者を大事にしている。家族の絆が非常に強く、伝統的に大家族で親子三代、四代が一緒に生活することが珍しくない。「卒寿」のお祝にきわめて豪華な、金の糸で織った靴「金縷靴」をプレゼントしたのである。敬老の意識が高いことを示す句である。
救國團溪阿縱走活動
一葉蘭
鄭如絜
〔永田満徳評論〕
「一葉蘭」是多年生的草本植物,常見於阿里山等地區。「溪阿縱走」是台灣熱門的健行路線,沿線有林道、森林、鐵道、車站等景觀。「救國團」為中國青年救國團,最初的名稱為中國青年反共救國團。搭配「一葉蘭」的兩項對照組合,眼前彷彿出現那受過嚴格訓練的青年身姿,穿越在綿延的山脊之上。
一葉蘭溪阿縦走の救国団
鄭如絜
〔永田満徳評〕
「一葉蘭」はラン科の多年草で、阿里山などで見られる。「溪阿(けいあ)縱走」は台湾の人気のハイキングルートで、林道、鉄道、駅などがある。「救国団」は中国青年救国団で、前身は中国青年反共救国団。高山植物の「一葉蘭」と取合せることによって、険しい尾根を「縦走」し、厳しい鍛錬にいそしむ若者たちの姿がよく浮き彫りにされている。
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国際俳句〜Facebook「Haiku Column」~【俳句界】2022年7月号

2022年06月25日 01時06分50秒 | 月刊誌「俳句界」
俳句大学国際俳句学部よりお知らせ【国際俳句の取り組み】!
 
〜Facebook「Haiku Column」【俳句界】2022年7月号〜
 
注目記事:『ウクライナ侵攻】(今月の秀句)
 
◆俳句総合誌『俳句界』2022年7月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
※ 2021年の『俳句界』10月号から、優秀な作品が揃って来ましたので、1ページ増えて、3ページに渡って掲載しました。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】、2022年6月には【冬・新年】を出版しました。
◆「HAIKU」6号と「歳時記」春・冬・新年は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
 
The July issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the July issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
Juillet aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆L Juillet de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
 
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】  
(Facebook「Haiku Column」より)
 
永田満徳選評・向瀬美音選訳(仏・伊)・中野千秋訳(英)
 
Olfa Kchouk Bouhadida(Tunisia)
arrivée des hirondelles ~
elles pensent déjà au retour à Kiev
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Forcés de fuir le pays depuis l'invasion militaire russe, le nombre de réfugiés en Ukraine a dépassé les 5 millions. Cependant, certains sont même retournés dans leur pays d'origine, car "la seule chose à laquelle ils pensaient était toujours de revenir". J'aime le fait que le mot saisonnier pour les hirondelles, "swallow coming", qui a un fort instinct de retour, soit utilisé pour exprimer les sentiments des Ukrainiens qui pensent à retourner à Kiev.
オルファ クチュク ブハディダ(チュニジア)
燕来るもうキーフへと戻ろうと
〔永田満徳評〕
ロシアの軍事侵攻以来、国外に避難することを余儀なくされ、ウクライナの難民は500万を越えている。しかし、「常に戻ることしか頭になかった」として、母国へと戻る人さえいる。帰巣本能が強い燕の季語「燕来る」を取り合わせることによって、「もうキーフへと戻ろう」と考えているウクライナ人の気持を代弁しているところがいい。
Iwan Setiawan(Indonesia)
butterfly stop
unexploded bomb in the middle of a garden
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
Russian troops have attacked schools, hospitals and other places. It is no surprise to find 'unexploded ordnance' in private gardens. It is not just the usual scene of a flying 'butterfly' perched on a warhead. By depicting an unexploded bomb that could explode at any moment, and a butterfly that seems to be protesting against it, the film shows the cruelty of war.
イワン セティアワン(インドネシア)
蝶止まる庭の真中の不発弾  
〔永田満徳評〕
ロシア軍は学校といい、病院といい、所かまわす攻撃を加えている。「不発弾」が民家の庭にあっても不思議ではない。普段のように飛んできた「蝶」が弾頭に止まっているだけの情景ではない。いつ爆発するか分からない不発弾と、そのことを抗議するかのような一匹の蝶とを描くことによって、戦争の残酷さを訴えているのである。
Patrick Somprou(France)
Massacres de Boutcha -
les coquilles des escargots
sous leurs pas craquent
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Les troupes russes ont occupé Bucha pendant un mois après y être entrées. Les rues bordées d'arbres de Bucha sont jonchées de corps à perte de vue. Le simple fait de penser à ce qui s'est passé à Bucha est horrible. Les corps ont été laissés dans un état de délabrement, comme des "coquilles d'escargot" piétinées par les bottes des soldats russes. Cette scène illustre la gravité du "massacre de Bucha".
パトリック ソンプル(フランス) 
ブチャの虐殺靴の下にかたつむりの殻
〔永田満徳評〕
ロシア軍はブチャに入った後一ヶ月間に渡って占拠していた。ブチャの並木道には目に見える限り散在する遺体。ブチャで何が起こったかを考えるだけでもおぞましい。ロシア軍兵の軍靴に踏みしだかれた「かたつむりの殻」のように、遺体が無残に放置されている。この情景こそ、「ブチャの虐殺」の深刻さを物語っているのである。
【今月の季語(Kigo of this month】     
(Facebook「Haiku Column」より)
【 四月しがつ sigastu / April / avril  】
Angela Giordano(Italy)
first of April 
paper fish hanging on the kindergarten wall
primo di aprile
pesci di carta appesi al muro dell'asilo
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)
幼稚園に紙の魚よ四月来る 
Cudillero Plume(France)
pluie d'avril
le cliquetis du clavier claquetant
april rain
the clatter of the keyboard clacking
クディレロ プリュム(フランス)
四月の雨ガチャガチャとキィボード 
【 春暁  しゅんぎょう shungyou / spring dawn / lever du jour de printemps 】
タンポポ 亜仁寿(Indonesia)
spring dawn
the sound and smell of boiling vegetable
タンポポ 亜仁寿(インドネシア)
春暁や野菜を茹でてゐる匂ひ 
Nuky Kristijno(Indonesia)
spring dawn
check and recheck for the weather forecast
ナッキー クリスティジーノ(インドネシア)
春暁や天気予報を再チェック 
【 春日 はるび harubi / shiny spring day / beau temps de printemps 】
Gisèle Evrot(France)
chemin de pierres ~
la beauté des coteaux au soleil
ジゼル エヴロット(フランス)
石の道春日に丘の美しき  
Refika Dedić(Bosnia-Herzegovina)
spring sun
a smile on their faces
レフィカ デディック(ボスニア ヘルツェゴビナ)
春日差す皆んな笑顔を浮かべたる 
【 春の海  はるのうみ harunoumi / spring sea / mer de printemps 】
Rina Darsa(Indonesia)
spring sea
my childhood memory inside the seashell
リナ ダルサ(インドネシア)
貝殻の中に思ひ出春の海  
Maria Wang Soucramanien(Reunion)
timide ondulation des vagues-
mer de printemps
マリア ワング スークラマニエン(レユニオン)
春の海恥づかしさうな波のうねり
【 ラマダン らまだん ramadan / ramadan / ramadan 】
Feten Fourti(Tunisia)
le chat se régale avec la famille
dîner de ramadan
フテン フルティ(チュニジア)
ラマダンの夕食猫も家族と楽しみぬ
Zamzami Ismail(Indonesia)
ramadan fruit
patience wrapped with love and affection
ザンザミ イスマイル(インドネシア)
忍耐は愛に包まれラマダーン 
【 春ショール  はるしょーる harushoru / spring shawl / châle de printemps 】
Iwan Setiawan(Indonesia)
spring shawl stuck on a tree
freedom on the run
イワン セティアワン(インドネシア)
春ショール木に掛けてより自由かな 
Olfa Kchouk Bouhadida(Tunisia)
chale de printemps ~
il reconnaît son amie de loin
オルファ クチュク ブハディダ(チュニジア)
春ショール遠き恋人思ひ出す 
【 蛙 かわず kawazu / frog / grenouille 】
Cristina Pulvirenti(Italy)
slow hours
that boring croak of the frogs
クリスティーナ プルヴィレンティ(イタリア)
暮遅し退屈さうに鳴く蛙  
Carole Dieuzeide(France)
soir de pluie -
dans la colline l'écho de la grenouille
キャロル デイウド(フランス)
丘の上に蛙の谺夜雨かな  
【 桃の花  もものはな momonohana / peach flower / fleur de pêcher 】
Morgan Mario(Italy)
Fiori di pesco
sul dolce vellutino
モルガン マリオ(イタリア)
桃の花君の顔のやさしきこと 
Ana Irina(Romania)
peach flower -
the memory of her skin
アナ イリナ(ルーマニア)
桃の花ふと思ひ出す君の肌
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「震度が伝わる一冊」

2022年06月16日 11時33分00秒 | 第二句集『肥後の城』
「震度が伝わる一冊」

 鑑賞を始めたら、止まらなくなる作品がある。
 一気に読んでしまう。一気に観てしまう。
 一気に聴いてしまう。

 引き込まれるような世界観がある場合のみ、
 そのような現象が起きたりするのだと思う。

 もちろん制作サイドの苦心の現れが、
 そこにはある。

 楽しんで欲しい。
 という意図がなければなかなか難しいことだ。
 
 梅雨の最中、一冊の句集がポストに落ちた。
 遠く九州から届いたそれは湿り気を帯びて、
 長旅をしてきた様子が見て取れた。

 まずは労い撫でるような気持ちで封を切った。

 装丁の重厚さに多少中身に気が重くなる。
 難解な俳句作品がどっさりなのか?
 という陰鬱さは、一句目で吹き飛んだ。

 自身の重い肩の荷を降ろした作者の安堵から、
 物語が始まるからだ。

 何気ない日常から切り離されたこの数年間。
 梅雨入りと共に不安になる気象災害。
 また頻発する地震災害。
 そして、疫病の蔓延。

 そんななかでも日常的な喪や生は営まれる現実。

 また瓦礫のなかに希望を見出しながらそこで生きる。
 そんな作者の姿が生々しく見て取れる。
 ドキュメンタリー映画を観たようだった。

 俳句を全く知らない人にも多分すんなり入る。
 物語として秀逸だからだ。

 また、俳句に捉われて創作に難を来している人には、
 あゝこうやっていいんだ。という視点をくれる。

 つまり、読後感の佳い「本」なのである。
 幼少期より本の虫であった私は、
 かなり「本」を選ぶのだが本日のヒット作!
 としてご紹介したい。

 こういった想いに駆られるのは、
 昨今なかったことなのでここにご紹介したい。

 修学旅行を思い出し、また足を運びたくもなる。

 永田満徳著「肥後の城」文學の森出版

   梅雨のなかで読んでも爽やかである。
   梅雨のなかだからこそ、かも知れない。

          一気に心に風が吹いた。

    流通はAmazonオンラインにて。
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〜季語で一句 31 〜 『くまがわ春秋』6月号

2022年06月01日 01時21分57秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜季語で一句 31 〜
 
◆『くまがわ春秋』6月号が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759
 
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
季語で一句(R4.6月号)
 
春の虹(はるのにじ)         「春-天文」
大工原一彦
手から手の支援物資や春の虹
【永田満徳評】
災害支援は食料や衣類などの物資で、民間の手で行われることが多い。「手から手」という措辞に、民間支援のあたたかさが表現され、「春の虹」に災害復興へのかすかな希望を示されていて、心惹かれる。
【季語の説明】
「春の虹」は夏の虹に比べると色も淡く、たちまちのうちに消えてしまい、優艶な趣がある。乾燥していた冬の時期から雨の多い春になり、特ににわか雨が降った後に虹を見ることが多い。日の光が強まり、冬に比べて虹が現れやすくなるからである。「虹」といえば夏の季語だが、「初虹」はその年初めて立つ虹を指す。
風薫る(かぜかおる《かぜかをる》)  「夏-天文」
桧鼻幹雄
薫風や読書眼鏡と木の椅子と
【永田満徳評】
初夏のさわやかな「薫風」が吹く戸外の庭で読書をしている情景。テーブルに「眼鏡」を置き、「木の椅子」に背を持たせ掛けて、「薫風」を楽しんでいるところがよく、涼やかな木漏れ日さえも見えてくる。
【季語の説明】
「風薫る(薫風)」は初夏の時候の言葉で、初夏の日差しのなかを吹き抜ける風といったところ。初夏のさわやかな季節を象徴する言葉で、薫風を使う時期は5月の初旬から終わり頃までとされる。新緑、若葉のころの風として使いたい季語である。和歌で草花の香りを運ぶ春の風として使われ、季語として定着した。
菖蒲風呂(しょうぶぶろ《しやうぶぶろ》)    「夏-植物」
江口秋子
菖蒲湯や赤子の尻からつけてゆく
【永田満徳評】
「菖蒲湯」は子どもの無病息災を祈って、端午の節句に菖蒲湯に入れること。「赤子」を菖蒲湯に入れるのに「尻からつけてゆく」ところは子どもの体を愛おしむ気持がよく表現されていて、心惹かれる。
【季語の説明】
菖蒲はサトイモ科の多年草で、湿地に群生する。菖蒲の葉はよい香りがするところから古来薬草として尊ばれる。端午の節句にはこれを軒端にかけ、葉をヨモギと一緒に束ねて風呂に入れ、「菖蒲湯」として利用する。菖蒲湯は、古代中国において菖蒲の持つ強い香りが邪気を祓うものとされ、厄払い行事として生まれた。
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