鎮守の杜から
葛木御歳神社神職が、神道についてや、日々感じたことなどを思いつくままに綴った私的なページです。
 



昨日、11月23日は新嘗祭でした。
御歳神社では、永らく新嘗祭は行われていませんでしたが、
昨年、復活。
復活にあわせて、コンサートを行う事にしました。

新嘗祭は秋の収穫を感謝するお祭りです。
2月の祈年祭に、土地を使うことと豊かな実りをお願いして、
5月の御田祭りに、田植えする苗が健やかに育つ事をお願いして、秋の実りを迎えます。
10月には、豊かな実りに感謝して、秋祭り。
11月には、収穫したお米からお酒を醸してお供えするという意味もある新嘗祭です。

春のお祭りは厳粛な祈りであるのに対して、
秋のお祭りは、華やかな感謝のお祭りです。

神様への感謝を表すのに昔から楽や舞、芸能を催して、
神様への感謝の祈りを捧げてきました。

神職は祝詞で、感謝を言葉に告いで、
その後、お神楽などの芸能を催して
集まった村人やゆかりの人たちでワイワイ楽しむ。
祭りの本義とも言うべきものです。
日本の神様は、楽しい集まりが大好きなのだと思います。
神様を囲んで、皆で楽しく集うというのは、とても素敵な慣習だと思います。

その伝統は、現代に生かされるべき。
楽器がピアノやフルートに変わっても、本義は変わらないと思います。
神様に奉納して、同時に私たちもその「場」を楽しむこと。
何より集う人々があって、神様のお喜びもひとしおとなると思います。

まさに、そんな日になりました。
演奏者やそこに寄せる人々のお心が、神様に通じて、雨も降らずにできました。
本当にあり難きこと。

喜びに満ちた、一日となりました。

寒い中、たくさんご参集頂きありがとうございました。

*素敵な演奏を奉納下さった栗阪子ども会の和太鼓の皆様、素晴らしい演奏を響かせてくださった、菅原さん、松本さん、ありがとうございました。
*裏方として朝からお手伝い下さったたくさんの方々、音響をうまくまとめてくださった林さん、ありがとうございました。
*巫女さんとして祭りに華やぎを添えてくださったお二人にも感謝。
*取材にきてくださり、素敵なニュースにしてくださった奈良テレビさま、奈良日々新聞さまにもお礼申し上げます。


*HPにUPしました。
http://www.mitoshijinja.com/niiname06/niiname06.htm


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〈奥宮への道〉

福井県勝山市平泉寺町。平泉寺白山神社。

前日は、大嵐であった。
激しい雨に断念して翌朝参拝することにした。
まだ少し雨が残るが、時折日差しも見えた。
見事な苔は、たっぷりの水分を吸って美しい。
なだらかな石畳の階段が私たちをいざなう。

〈一の鳥居〉

〈二の鳥居〉


ああ、この空気。
何?この静謐な清浄さに満ちた空気。
原始のこの地上であるような清らかさと
包み込むような優しさを持つ空気。

神はこうやって、人々の訪問を待っていてくださったのかとふと思った。


苔と石の道を進むほどに、満たされる空気。
私がこのようになんの準備もなく、足を踏み入れていいものだろうかと
少々ためらわれる。

〈苔の斎庭〉

一の鳥居の先に「御手洗の池」があった。
今は禊できそうな場所ではないが、この奥へ入るのには、この池の水で清めたいと思った。

〈御手洗の池〉

満たされる圧倒的な自然の雄大さとおおらかな優しさに身を包まれる幸せ。
自身は小さきものであるけれど、確かにこの自然の一部なのだという安堵感。

〈光差す〉


木々の間からの光を受けて、本殿奥まで参拝した後、白いものが舞い降りてきた。
「雪!」
あられ混じりの雪が私の体の上にも降り注ぐ。
まとわりつくものを洗い流し、清めてくれる美しいもの。

心がうれしさで震える。
自分でも説明できないけれど、涙がはらはらと流れ落ちる。

夢かもしれない。幻かもしれない。
でも、同じ空気を同じ心持ちで共有している友人たちがいた。

友人たちがいてくれるから、私の感動も増幅される気がした。
幸せをぎゅっと詰め込んで、いつまでも持っていよう。
この、静謐なる空気を少しは体に取り込めただろう。

また、明日の為に。。。

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今日は立冬です。
立冬らしい寒い日になりました。

昨日、神社の境内を綺麗にお掃除しました。
気持ちよくなって、すっきりしていたら、
夜半からすごい嵐。。。

朝、見事に葉っぱだらけの境内でした。

これからしばらくは、杉が枝ごと落ちるのです。
恐ろしく散乱していました。
でも、今日はお掃除できず。
明日綺麗にしたいなあ。

ちょっと嬉しいのはシイの実が落ちてきました。
美味しいんですよ^^

今年は暖かだったから、急に寒くなって身に堪えるなあ。
あわてて灯油を買いに走りました。

これから、寒い冬の季節。
冬は苦手ですが、春を待つ気持ちがなんとなくいいのです。

御歳神さまは、年神様でもあるので、「時」を司る神様でもあると思います。
だから、季節のめぐりが順調でありますようにとお祈りしています。
いつものように、いつもの時が巡るというのは、当たり前ですが、ありがたいことですね。

立冬から立春。追いかけるように、冬が来て春になる。
またドラマティックな巡りを首を長くして待ちわびる季節がやってきました。



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