My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

米国はネットを高速化するつもりがないらしい(その1)-バックボーンはつらいよ

2009-10-27 08:58:20 | 2. イノベーション・技術経営

アメリカはインターネットが遅い。
この国にはもともと光なんてものは無いが、今後も誰も投資したがらないであろう規則のドラフトが、先日FCC(米通信委員会)から下った。

ちなみに、この国では国民がインターネットの遅さに慣れてしまっている。
こんなことがあった。
今住んでるアパートにComcastっていうケーブルテレビのインターネットを引いたときのこと。

エンジニアのおじさんがうちにケーブルを接続に来てくれた。
「このプランは12Mbpsあるんだよ。速いでしょう?ダブルプランだから速いんだよ!!(嬉しそう)
 (速度を測定して)おー実効速度が6Mbpsもある!良かったね~。」

喜んでるので、「私は100Mbpsの国から来たんです」とも言えず、おじさんに話を合わせてみた。
遅いのはおじさんが悪いんじゃないし。

ちなみにComcastだけが遅いんじゃない。
この国には速いインターネットなんてものが存在しないのだ。
MITの学生だってAT&Tの3Gのデータサービス(8Mbps出ることもある)を使って、「普通のインターネットより速いんだぜ」と喜んでる国なのだ。

そんなところに、先日、FCC(米国通信委員会)がこんな提案が。
米FCC、ネット中立性規制の草案を公開 (INTERNET Watch)
英語原文 (FCC)

一言で言うと、「電話線は余計なことはするな」ということだ。
インターネットのバックボーン(電話線とか、光ファイバーとか)を提供する電話・ケーブル会社は、ユーザーのコンテンツの送受信を妨げてはならない、ということ。
わたしは、この規則が、ネットワーク高速化への設備投資の妨げになるんじゃないかと心配している。

これは、上に書いたComcastが2007年、Youtubeなどの重いデータサービスを多用しているユーザの実質上の帯域制限をしたことに対し、FCCがノーという裁定を下したところから始まっている。

Comcast側の言い分は、ユーザがどんどん重いサービスを利用すると、他のユーザが迷惑する。
迷惑しないようにするためには、Comcast側で多大な設備投資が必要になる。
ところが、この設備投資をしても、Comcastとしては一銭も売り上げが上がるわけじゃない。
だから制限したのだ、というわけだ。

更に、そもそもGoogleとかYoutubeとかが、大量のデータ送受信を必要とするサービスをどんどん出してるから悪いんじゃないか。
そういう人たちだけどんどん儲けて、バックボーンだけが設備投資をどんどんさせられるのはおかしいんじゃないか、という不公平感がこの議論の背景にある。
この問題を「ネットワーク中立性(Network Neutrality)」という。

ところで、バックボーンプロバイダーとは構造的に儲からない産業だ。
先日のMBAの「産業経済学」の授業でやったのだけど、
一般論として、次の3つがそろっちゃう産業は儲からない。
・多大の設備投資(Fixed Cost)が必要
・顧客を一人増やすあたりのコスト(Marginal Cost)がゼロに近い
・商品・サービスが差別化できない

商品自体で差別化できないと、価格だけの競争になりがちだ。
その上に、顧客を一人増やすためのコストがゼロに近い、となると
価格を安くしても、少しでも人を増やした方が儲かるので、競争してどんどん安くなっちゃうのだ。
で、最初にかかる、巨大な設備投資を取り返せなくなる。
だから儲からない。

つまり、この産業は、競争原理によって、構造的に儲からなくなる産業なのだ。
(「産業経済学」役に立つじゃん)

電話・ケーブル会社が、一部のヘビーユーザの使うコンテンツの送受信に制限をかけることは、
コストをかけずに顧客全体の満足度を上げる、せめてもの方策だった。
それが、今回のFCCの裁定で否定された、というわけだ。
ただでさえ儲からない産業なのに、更に儲からない方向へ行けと。

加えて、一部のコンテンツ・サービスへの優先を与えてはいけないのだという。(条項5)
Youtubeなどを使うと、回線が遅くなるから、使用を制限する、というようなことは一切やっちゃダメ、というのは分かる。
バックボーン側が、そういう「差別」をして、一部のサービスだけが使えないのは不平等だから。

ただし、この条項は解釈が難しいが、この分だと、電話・ケーブル会社自身が提供するサービスを提供しやすくするために、バックボーンをカスタマイズしたりすることも禁止される可能性が高い。
つまり、「電話線は余計なことはせず、電話線だけ出せ」というわけだ。

そうすると、GoogleやYoutubeは、儲かるコンテンツビジネスだけやってるのに、ウチは儲からないバックボーンもやって、何の得も無いじゃないか!
と、電話・ケーブル各社は思うことだろう。

(もちろん、「だったら辞めれば」といわれても辞められない彼ら自身が悪いって話もある。
 バックボーン会社に明日からGoogleになれ!と言ってもそんな人材や仕組みは無いわけで、しこしこバックボーンをやっていくしかないのだ)

「光ファイバー」だって、もし提供して、バックボーン以外で儲かるなら、やってもいいと思ってるだろう。
でも上記によると、コンテンツとのバンドル販売は禁止だ。

そんな状況で、誰がネットワークを速くするために、これ以上儲からない投資をするのか?

恐らく誰も、光ファイバーどころか、今より速いADSLに投資することすらしないだろう。
そして、きっと、アメリカのインターネットの速度は、最高で12Mbpsのままだ。
速くなることはないだろう。

誰かが一人で投資し始めても、「独禁法」の壁にぶち当たって、せっかく投資したものを競争相手に分けなきゃならなくなったらバカみたいだしね。
(これをゲーム理論でWar of Attritionという。)

アメリカ経済の根本にある「競争原理」。
消費者が安く良いものを手に入れ、よりよいイノベーションが生まれるのに、とても役に立っている。
しかし、構造的に儲からないと分かってる産業を追い込んで、未来への設備投資を制限することが、本当に目指すものなのか?
別に電話会社やケーブル会社の味方をするつもりはないが、このままじゃ誰も投資しないのはまずいよね?

いや、この国で別にインターネットがこれ以上速くならなくて良いなら、それでもいいんだけど。
国民も満足してるみたいだし。

その2はこちら→) 米国はネットを高速化する気が無いらしい(その2)-困るのはGoogleでは?

追記)速度はラストワンマイルが効いてくるのでは?という指摘がありますが、そうかもです。(ご存知の方コメントどーぞ)
でも、ラストワンマイルにこそ投資が必要ので、構造は同じ話。
(ていうか、上の記事ではちゃんとバックボーンとラストワンマイルを区別しておらず)

追記2(2009/10/29) あちこちでこの記事が引用されてるようで、大変ありがたいのですが、記事が長くて分かりにくかったらしく、意味合いが間違って伝わってるケースがあるようです。
なので、筆者による要約。

・アメリカは、日本に比べインターネットが遅い。光回線などはなく、12Mbpsなどが「速い方」である。 
・バックボーンプロバイダー(回線だけ供給する事業者)とは、構造的に儲からない産業である。理由は3つ。
・しかし、先日FCCから、「回線業者は、上を走ってるコンテンツの邪魔をせず、回線に徹しろ」という内容のお達しが出た

・この意味合いは、一つ目に、YoutubeやP2Pコンテンツなどの利用でユーザトラフィックが増えて、インターネットが遅くなっても、回線事業者が設備投資するなどで対処しろということになる。
(もしくは設備投資しないで、ユーザーに、遅い!12Mbpsなんて嘘じゃないか!と文句を言われても良いが、いずれにせよ、回線事業者が矢面に立て、ということである。)

・これでは、今後、バックボーンプロバイダーたちに、「インターネットを速くするための新規の追加投資(光ファイバーなど)をしてくれ」と言っても誰もしないだろう。
・そうするとアメリカのインターネットは遅いまま。これでいいのか?


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Unknown (珈琲男)
2009-10-27 09:53:21
まさに私の関心のど真ん中です。この話。

産業経済論(のなかでも特に産業組織論)も、それを逆手にとった競争戦略論も、それから独占禁止法も、この話を考えるのにまさに有用な知識だと思います。もっと勉強しなきゃなあ。

この間、ウォートンのコミュニケーションのクラスでこの話題をネタに熱弁をふるったのですが(はい、かなりマニアックでした)、そもそも「ネットの中立性」の議論そのものを知らないアメリカ人の多いこと。講師の先生も、いやー、はじめて聞いたよ、その話題、だそうな。いやー、この国のインフラに満足してちゃいかんでしょ、と思うんだけどな。

来週から始まるロースクールのクラスの教授は、ネット中立性の論客の一人だとか。かなり楽しみです。
設備投資 (Willy)
2009-10-27 12:03:59
>多大の設備投資(Fixed Cost)が必要

一般的には、多額の設備投資が必要な方が参入障壁とリスクが高いので利益率は高くなるのでは?また、アメリカでネットが高速化しないのは人口密度が低くて設備投資費用が高額のためサービスの値段が高くなるのが一番の原因かと思ってました。
とりいそぎ (Lilac)
2009-10-27 12:13:32
>珈琲男さま

へえ・・Whartonはやはり金融の学校だからですかね?
MITではNetwork Neutralityを知らない人の方が少ないと思います。

>Willyさま

>一般的には、多額の設備投資が必要な方が参入障壁とリスクが高いので利益率は高くなるのでは

セオリーではそう見えると思いますが、実際の世の中では皆が一気に参入しちゃうので、利益率が下がるのが常。
商品の差別化可能性と一緒に考える必要があります。

半導体業界然り(差別化できる一部のロジック半導体では利益率高いが、コモディティになりやすい一部のロジックやメモリは利益率低い)
液晶パネル(既にコモディティ)然り、です。

>ネットが高速化しないのは人口密度が低くて

それはあるでしょうね。大きな国ですからね。
やっぱりこうなったらWiMAXしかないかな・・・(笑)
設備投資だけじゃなく3つそろってるからでしょ? (なすび)
2009-10-27 12:18:04
>多額の設備投資が必要な方が参入障壁とリスクが高いので利益率は高くなるのでは?

文中にもあるように、多額の設備投資に加えて
下記の2つがあるから儲からないんでしょ?

・顧客を一人増やすあたりのコスト(Marginal Cost)がゼロに近い
・商品・サービスが差別化できない
おっしゃるとおりです! (Lilac)
2009-10-27 12:39:26
>なすびさま

有難うございます。自分で書いてましたね、私。

ちなみに私が上で書いた半導体とか液晶はMC>0ですが、それでもぎりぎりまで価格競争が起こって、利益率があれだけ下がるんですね。
(でもMCに差があるので、全員は死なない)

これがMC=0になると、コスト競争力がなくなるので、ホントに全員儲からない。
アメリカの航空業界がそうですよね。
Unknown (珈琲男)
2009-10-27 12:53:04
すみません、サンプル数が学生5人(私を含む)のクラスなので、統計学的には有意ではないかも知れません(笑)。でも、きっとMITのほうが集団としての関心が高いのは間違いないでしょうね。
Unknown (あ)
2009-10-27 12:54:24
そろそろ携帯で光通信を超える日は近いので
光ファイバー業者はあぼーんする日が近いですよ。
携帯なら敷設コストかからないだろうし、開発費は海外がしのぎを削って出してくれます。

待ち構えてウマー。
今日はコメント多いですねー (Lilac)
2009-10-27 13:07:30
>珈琲男さま

いや、こちらこそすみません。さっき取り急ぎで返事をしたので・・・(ていうか気になって勉強が進まない・・まずい)
MITも色々いますが、やはりエンジニア出身者が多いのと技術に対する関心はやっぱりMBAの中でも多いのでしょう。
あとMITでは授業で何度も取り上げるから、みんなも知ってるというのもあると思います。

そのロースクールの先生がいらしたら、ブログでも取り上げてくださいね。楽しみにしています

>あ さま

どうでしょうねー。携帯も4Gともなるとコスト半端じゃないですからねー。
ちなみに、私の技術戦略の授業のチーム(カザフスタン人エントリ参照)では、「4Gに未来はない。2G/3G+WiFi携帯がアメリカを支配する」シナリオになっております。

携帯のWiFiは典型的な破壊的イノベーションだと思いますね。
こっちはiPhoneが出てから当たり前になりました。
おかげで携帯でSkypeできます。

ただ、光通信が諸所の事情で進まなければ、当然携帯が有利になるでしょうね。
Comcastの行為について (珈琲男)
2009-10-27 14:47:57
そうそう、Comcastを代表して公聴会で証言した副社長とちょうど一年前に食事会をさせていただく機会がありました。(本社はフィラデルフィアにあります)。
http://coffeeman.blog59.fc2.com/blog-entry-55.html

正確には、帯域制限というよりも、P2Pトラフィックの遮断をFCCが問題視したようですね。ごく些末なところですが、ネット中立性の議論って、とことん技術論にいけてしまうんですよね。だからこそ、ちょっと私としては大きな視点を持ちたいなと思いながらこの問題を考えようとしてるとろこです。ああ、明日のレポートと予習がまだ終わってない・・・。もうすぐ2時か・・・。では。

寄稿のお願い (ガジェット通信編集部)
2009-10-27 20:23:01
Lilac様

アメリカはインターネットが速いと思っていました。

私どもは『ガジェット通信』というWeb媒体を運営しております。
突然なのですが、こちらの記事を『ガジェット通信』に寄稿という形で掲載させていただけないでしょうか。

よろしければ、こちらのメールフォームより、ご返信いただけるとありがたいです。
http://getnews.jp/mail
日本のFTTHの値段は関電が決める (憑かれた大学隠棲)
2009-10-27 22:11:20
TBさせてもらったんですが、FTTHは関電系主導でサービスレベルも価格も決まってしまたように、異業種が自社の自営用のインフラを利用しての参入で価格が決まっちゃったんですね。本業の片手間で投資額はゼロ、競争もへったくれもございません。
で、どうせ関電も近鉄も通信ではボロもうけはしていないでしょうし、するつもりもないでしょうけど手堅すぎる本業がつぶれない限りどうでもいいわけです。
逆に言えば電力自由化や鉄道の衰退がないおかげでFTTHが低価格で楽しめる、ということなんでしょう。アメリカでどうにかなりそうな気がしません
無線になればハッピーというわけじゃないよ (名無しの権兵衛)
2009-10-27 22:45:07
3GだろうとWiMAXだろうとそれは単に基地局~端末までの間であって、ここで話題になっているのはそれを支えるバックボーンのことですね。
まさか端末同士が直接電波を飛ばし合って通信しているなんて思っていませんよね?
いくら携帯電話が普及しても、張り巡らされた光ファイバーや超高額なルータがなければなにもできませんよ。でもお金にならないのでなかなか出来ませんよというお話。
なぜ速くしなくてはいけないの (通りすがり)
2009-10-27 23:35:51
> いや、この国で別にインターネットがこれ以上速くならなくて良いなら、それでもいいんだけど。
> 国民も満足してるみたいだし。

ここが肝じゃないんですか?
国民が求めているものと競争原理/産業経済論の関係性に興味があります。
日本ではこれでもう満足、という一線がない、もしくはないことになっているのではないでしょうか。
PCの性能にもいえますけど。マックのアップデートも微調整になってきているような。
コメント有難うございます (Lilac)
2009-10-28 00:36:32
>ガジェット通信部さま

問い合わせにもお答えしましたが、この文章はあくまで私のブログというメディアに掲載することを前提に書いてます。読者は必要とあれば、私のほかの記事を参照したり、Back groundを見たり、他のコメントを読んだりして、情報の真偽、というかレベルを判断できる、というのは重要だと思ってますし、それを前提に書いてますので、ご理解いただければ幸いです。

ですが、こちらのURLをサイトして、常識の範囲内で引用される分にはかまいません。(トラックバックください)

>憑かれた大学隠棲さま

トラバありがとうございます。時間があるときにちゃんと読ませていただきますね。

>名無しの権兵衛さま

>3GだろうとWiMAXだろうとそれは単に基地局~端末までの間であって、ここで話題になっているのはそれを支えるバックボーンのことですね。
まさか端末同士が直接電波を飛ばし合って通信しているなんて思っていませんよね?

うん、思ってませんが、3Gなどの携帯電話と、固定やインターネットと、ケーブルテレビのバックボーンが異なることは知ってます。(日本はもしかして一緒かな?アメリカじゃ会社も違いますし、違うバックボーンです)
だから、WiFiは既存のバックボーンを利用するだけになりますが、4Gをメインに場合はバックボーンにかなりの追加投資と、基地局などの設置が必要になり、ここに莫大な投資がかかります、という話です。

>通りすがりさま

>なぜ速くしなくてはいけないの

まさにおっしゃるとおりで、そこが論点になると思います。
最終的には速くする必要は出てくると思うのですが、日本みたいに今この時点で速い必要があるのか、ということです。この点についてはその2で書こうと思います。

頭出しをすると、むかしのスパコンのようなことが起こると思ってます。
クリントンさんありがとう! (freedom)
2009-10-28 03:29:00
今までとは質の違った読者(ネット系の人達)が急速に増えたようで、コメント欄が活況になりつつあり面白いことになりそうですね。皆さん引用されたりしているのでそこの読者が多数やって来ているのですね。
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日本で光が全国に整備されたのはクリントン大統領のおかげでしょう。クリントン大統領の構想は中途半端な結果になっているが日本では官僚とNTTが頑張った結果ですね。
結局はコストパフォーマンスの問題だし、現状でスピードによるマイナス面が大きく顕在化していなくコストをかけてまでの必要性を感じる人が少ないということではないですか。WindowsがVistaでスピードの問題がユーザーのフラストレーションを招き売れ行きに大きな影響を与えたので7でスピードに力を入れて改善し、販売が好調なことからもわかるように問題が顕在化すればすぐにでもスピードアップされるのではないでしょうか。アメリカのテレビ視聴の80%は有線なのでそこに光のバックボーンを整備するイニシアティブがあればすぐでしょう。
ちなみに私は最近まで50Mでやっていましたが8Mしかでていなかったのでコストパフォーマンスを考え12Mにダウンさせましたが全く問題ありませんね。ゴールドマンサックスのように0.03秒の時間差を利用して莫大な利益をあげたりしているわけではありませんし、オンラインゲームにもはまっていませんからね。テクニカルパフォーマンスをさげてコストパフォーマンスをあげる人が日本でもいるわけです。
日本では携帯は3.9から4Gへと進みつつあるがアメリカは?みたいな状況と似ているところかな。(4Gは電波の直進性が高まるのでビルかげや室内での使用に問題がでるかもと言われているのでそれが技術的に改善されないままだと始めはデータ送信のパフォーマンスが良くてもピッチのような運命をたどるかな)
IPv6も中国やインドでは推進されているがアメリカは消極的だし、日本では一部でサービスが開始されているが、末端ユーザーではメリットよりもデメリットの方を感じる人も多いでしょうし、コストをかけるだけの必要性を感じないから普及していない現状もありますね。近い将来後進国の方が先を行く結果になる規格なんて面白いですね。
日本では今やほとんど停電は起こらないが、アメリカでは送電設備の老朽化で度々停電があるが、その分電力料金は半分であったりするので社会コストをどのように負担するかは難しい問題ですね。
コメント有難うございます (Lilac)
2009-10-28 15:14:54
>freedomさま

>皆さん引用されたりしているのでそこの読者が多数やって来ているのですね。

ええ、なんか「はてなブックマーク」というところから大量にアクセスがあります。
昨日の8000IPの約半分はここから来てるみたいです。
読んでるとなるほど、と思うコメントが結構あって、面白いです。
http://b.hatena.ne.jp/entry/blog.goo.ne.jp/mit_sloan/e/5c2e4b94ede0b10e3ad121cf2b9995cb

正直、私はポジションを取るときは、常に(有意義な)反論を求めてるのですが、このコメントの中にも、

>米国じゃComcastがかなりの地域でブロードバンドサービスの準独占企業となっている。それをより儲かるようにしたところでサービスの向上を行う理由はない。必要なのは競争導入の為の独禁法適用などの規制

と言うのがあって、ああ、ネットワークビジネスと言うものに対する見方が違うと、結論がこう代わるのだと、非常に面白いと思いました。
この人は競争力のある価格設定が出来る、つまり差別化は可能だと言ってるんですよね。

これについては、私も思うところがあるので、記事でも取り上げてみたいです。

それから、わたしがこのエントリの続編で書こうとしてたこと(遅いのを前提として、Googleなどがどうするか)にも既に触ってる人がいて、面白いと思いました。

>皆さんブログランキングのバナーのクリックもよろしく!

8000人来てるのに、これをクリックしてるのが20人もいない、というのが少し悲しい(笑)
まあ多くが記事を見て通り過ぎる人なのでしょう。
一部の人が定着してくれたら嬉しいなあ、と思います。
やはり面白い議論はある程度バックグラウンドを共通しないと難しいですからね。

>日本で光が全国に整備されたのはクリントン大統領のおかげでしょう

これと似たようなことは、今までにも半導体産業などで起こってるんですよね。
以前紹介した菊池誠氏の本によると、60年代に「IBMが謎の半導体プロジェクトを進めてる」という情報だけで、日本がここまで一致団結して開発を進めた、という話がありました。
日本人って昔からこういうの得意なのかも。

>日本では今やほとんど停電は起こらないが、アメリカでは送電設備の老朽化で度々停電があるが、その分電力料金は半分であったりするので社会コストをどのように負担するかは難しい問題ですね。

これはそうですね。
高速道路もひどい。
ニュージャージーからニューヨークに向かう高速は突然穴が開いて、通行禁止です。
こんなこと、日本じゃありえませんよね。
いいですね。 (通りすがるつもりだった人)
2009-10-28 22:53:50
はてなから来て、このエントリだけ見るはずだったのが、かなり遡って読ませて頂きました。
自分にはわからない言葉もあるんですが、なんだか面白い、というか興味あるブログです。
またお邪魔しますね。
Unknown (Willy)
2009-10-29 10:53:36
あー、なるほど。確かに初期費用が高くてmarginal cost が低いと、儲からないというか独占になりやすいですね。差別化できる場合は住み分けて独占状態という感じですね。勉強になりました。
どうもです (Lilac)
2009-10-30 15:46:27
>通りすがるつもりだった人さま

ありがとうございます。これからもよろしく!です

>Willyさま

ええ、最終的には独占になるでしょうが、実際の世の中はそんなに簡単にはいかないです。
最初に一気に参入してくるため、誰も儲からないと言うことが起きます。
そこから独占に行くまでは、かなり時間がかかります。
経済学者の立場からは、最終的な定常状態が一社による独占だから、独占になる、って見方かもしれませんが、
実際にその産業にいるプレーヤーから見ると、ダイナミクスが大切だから、この状況を独占とは呼ばない、という違いがあるのでしょうね
Unknown (Pumpkin Lab)
2009-12-08 07:53:54
はじめまして。ふとしたきっかけで見つけて以来、
楽しく拝読させていただいております。

既にご存知かもしれませんが、ブロードバンドについて
Berkman Centerという機関がFCCの要請に応じて
以下のようなリサーチを実施ており、現在、これに対して
FCCがコメントしたり、といった具合に進んでいるようです。

(レポート)
http://www.fcc.gov/stage/pdf/Berkman_Center_Broadband_Study_13Oct09.pdf

(議論の概要)
http://cyber.law.harvard.edu/newsroom/broadband_review_draft

上記レポートによれば、接続のスピードについて、
日本・韓国・スウェーデンが半世代進んでいて、
アメリカはまあ平均くらいでしょう、というトーンでコメントされています。
日本は概ね好評価ですが、Wifiだけは評価が良くないようですね。

こちらはお時間のある時にコンサル的な(?)分析を期待します!笑。

あと、ネットの中立性について。

FCCのドラフト(http://www.wired.com/images_blogs/epicenter/2009/10/fcc-09-93a1.pdf
では、確かにNet Neutralityについて規則化されているのですが、いずれも、
「Subject to reasonable network management」という限定がなされており、
また、「Managed or Specialized Services」にも適用されません。それぞれが
何を意味するのかはまだ議論中ですが、これらのネットワークマネジメントに配慮する
あたりは上記記事で懸念された点に対応するものかと思います。

そうすると、議論の形としては、①規則の制定そのものに反対する立場、と②規則のドラフトは
よしとして、その上で「Subject to reasonable network management」、「Managed or Specialized Services」
などの文言を初めとする適用除外の文言の問題として議論するか、いずれもありうるかもしれませんが、
上記記事はどちらのスタンスなのかな?なんて思いました。

・・・・・とコメントしようと思っていましたが、すっかり忘れていたので今更コメントさせていただきました。
また面白い記事を期待していますね。


はじめまして (Lilac)
2009-12-08 12:26:47
>Pumpkin Labさま

これは色々と情報を有難うございます。勉強になりますね。

日本のPublic spaceでのWiFiはなかなか普及しませんね。
それこそH江さんがまだActiveだったら、山の手線内完全カバーとかされてたのかもしれませんが、誰かリスクをとってインフラに投資する人がいないと、国と元国家機関(NTTとか)に何でも頼ってしまうこの国では実現が難しいかもしれません。

>上記記事はどちらのスタンスなのかな?なんて思いました。

私は日本人なので後者ですが、アメリカでは前者が主流ですね。
Unknown (Pumpkin Lab)
2009-12-08 14:59:51
ありがとううございます。なお、スウェーデンはブロードバンドオペレーターの競争があるし、などの理由で①みたいですね。インフラ整備の状況、競争の状況、そもそもの国の規模に応じてベストプラクティスも異なってくるかもしれませんね。あと、国と元国家機関に頼る体質のコスト・ベネフィットについても色々と論点があって面白そうです(既に議論はす尽くされていそうな気もしますが。)。私も学校は違いますがボストンで勉強しているので、もし何かの機会にお会いすることがありましたら、このあたりの話も色々聞かせていただければ嬉しいです。

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