「風の盆」その2
風の盆は野外での行事ですので天候に左右されます。雨が降ると三味線や胡弓が濡れるのを嫌うからでしょうね。「八尾」の「八」は数の多いことを、「尾」は山の尾根を意味しているそうです。1.2日は町の小学校のグランドの演舞場で十一の各町(各支部)ごとに工夫を凝らした演舞が披露されます。唄い踊りながら進む町流しは、地方(じかた)と踊り子とが一団になって、「おわら風の盆」の情趣を最も堪能させてくれます。ふらふらと街中を歩いてると、所どころに設置してある特設ステージを観ることができます。宿を街中に取ったら余りふらふら出歩かないのもいいそうですよ。(八尾の友人の教えです)宿の人が夜中でも起こしてくださるそうです。夜12時を過ぎて宿に前の踊りでは、笠をはずして踊っています。男女の絡むところでは口笛を吹く人や囃す人もいたりして観衆がざわめくのも面白いのです。
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鏡町では、かっては花街があったところで細い路地の道を迷いながら歩きます。人込みを避けて踊る流しに逢えば最高でしょうね。
「おわら」は昔、八尾の遊芸な人たちの間で歌われていたようで卑猥な歌が多かったようですが、このままでは廃れると八尾町の医師 川崎順二が中央から多くの文人を招いて詩を作ってもらい、これが現在の四季の情趣を詠んだ歌になったそうです。そして花柳吉三郎が歌に振りを付け今の優雅な踊りになったそうです。
八尾を楽しむもう一つは、JR八尾駅から福島の町を道なりに歩いて行くと旧八尾町に入る手前に井田川が流れています。そこに架かっている十三石橋から望む景観もなかなかの風情があります。雪洞が灯った坂道も素敵です。
日が暮れた時、坂の町に雪洞が灯り、風に揺らぐさまも格別です。
夜が暮れて何時くらいでしょうか、弾き足りなかったのか夜中に胡弓の音はしました。吸い込まれるようで、体がだんだん小さくなって行くのを覚えています。朝、雨音で目が覚めました。友はまだ寝ていたので聞名寺の境内を一人で散策してきました。
3日目は大雨で中止になったと聞いています。
「風の盆恋歌」の中に出てくる「明日香」(小説の中では「華」)の喫茶の中に、
短夜を
語り手尽きぬ
まつ毛かな
治
と書いた掛物がありました。
この「風の盆」、友は「来てよかった、満足したわよ~」と言ってくれたのが何よりでした。