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梨木香歩「ぐるりのこと」

2010年09月13日 | な行の作家
本エッセイにて「自己と他者の境界」というテーマについて限界まで書ききったが、その先は物語へもちこまなければ表現しきれないとの思いで書き始められたのが『沼地のある森を抜けて』
その刊行に際しては「今回は限界まで書き尽くした感がある」と話していらっしゃいます


別荘の隣人との敷地境界問題
ドーバー海峡を見渡すセブンシスターズの断崖で思ったこと
世界を震撼させた9・11事件
米によるアフガン攻撃
手順を踏まず、目的に行き着くことのみを教える教育
2003年、長崎で起きた中学生による幼児殺害事件
愛犬との散歩コースにあった野原が住宅地に変わったこと

しつこい、回りくどい、と感じるくらい、色々な話を四方八方から取り寄せて、まとめ上げています
いつもアンテナを張り巡らせ情報を収集し、それらについて真面目に考えていらっしゃるのですね
梨木さんの感じていること、悩んでいること、これらをどうしていこうか、というのがよく伝わってきます
どれだけの推敲を重ねて小説を書いてらっしゃるのでしょうか
大袈裟でしょうが、梨木さんの小説を読む時は、姿勢を正して一言一句読み零しのないようにしなければならない、と思いました


自分の今いる場所からこの足で歩いて行く、一歩一歩確かめながら、そういう自分のぐるりのことを書こう
物語を語りたい
そこに人が存在する、その大地の由来を





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