太極・無極

宇宙を意味する「太極・無極」のなかに、「人」は生きています。限りある「人生」を有意義に生き抜いていきたい。

松下幸之助 経営語録

2006-09-22 18:42:08 | 読書
松下幸之助 経営語録
http://www.adplan.ne.jp/r?bid=155745
松下幸之助の生涯を貫いていたのは、その積極的な人間観・経営観であった。
「経営の神様」と呼ばれた経営者が語る貴重な一冊。
【 PHP研究所 刊 / 松下幸之助 著 / 525円(税込)】
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『人使いは自然のままが…』
人を育てるということは、企業経営者として、まぎれもなくもっとも大事なこ
との1つである。というより、それがすべてだといってもいいほどのものだと
思う。

人をうまく育てられるかどうか、その1点によって、企業が大をなしていくか
どうかが決まる。それが分かれ道である。そのことは誰もが知っていながら、
さてこれを実現するとなると、これほどむずかしいこともまた少ない。資本を
つくるよりも、人を育てることのほうが、はるかにむずかしい。

商売そのものに、いくら自信と力があっても、人の使い方、育て方が下手だっ
たら、つまりはうまくいかない。自分1人でやれることにはおのずとかぎりが
ある。だから問題はいかに人を育てるかというところにあり、経営者は、立派
に人が育っていくような配慮をつねに払っていかなければならないということ
になる。

私の場合は、日々、必要に迫られて実際にやってきた。それを見て、うまく人
を使っているほうじゃないか、と言ってくれる方もある。自分ではよくわから
ないけれども、素直にそういう人の言うことを聞けば、多少そのようなところ
があるのかな、とも思う。

しからば、どうやって私自身は、人を育ててきたのか。私は人を使うというこ
とについては、そう作為的に考えてはいけないと思っている。ごく自然の姿で、
自分の使命観に基づいて行動することが大切なのだ。

その上で心がけてきたことは、人というものは10人いれば10人ともみんなちが
うのだから、その特色を見出して、これを生かしていこうという配慮である。

私が今日あるのは、そういうところに多少長じた面があったからかもしれない。
これまでに、はたから見たらあの男はあまり優秀じゃないといわれる人であっ
ても、私には、なかなかいいところがあるじゃないか、えらい男やな、と思う
ことが、何度となくあった。

「あの男、困るんや、文句ばかりいって」といわれる人でも、縁あってうちに
入ったら、結構がんばる。他所では欠点だといわれていたことが、うちでは長
所になる。結局、短所は苦にしない、長所だけ、特色だけ見て使う。それだけ
のことで、人が育つか育たないかということが決まってくる。

だいたい松下電器が今日にいたるまでの間、とびぬけた秀才が集まっていたわ
けではない。むしろ平凡な連中ばかりだったといえるかもしれない。けれども、
お互いに特色を生かし、寄りあって仕事をすることで今日まで来ることができ
たのである。

それともう1つ、前項でも述べたように経営者は好きとか嫌いとかで人を見て
はいけない。私は、かりに性格的には合わないということがあったとしても、
彼は仕事をよくするからということで大いに、その人を用いてきた。

そういうところに、多くの人びとにも助けてもらえ、こちらが居残りをせよと
いわなくても、社員が自主的に仕事を進めていくといった姿が生まれた1つの
要素があったのだと思うのである。

(愚生のコメント)
※人には、長所もあれば、短所もある。コインの裏表の関係のようでもある。
 長所がいつのまにやら短所になり、その逆もまたある。
 個人としてもこうなのだから、ましてや他人様を指揮、指導する立場の
 管理者や経営者は、難しいのだ。愚直に誠意をもって、一場面、一場面で
 対応しつづけるしかない。 

コメント
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