ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ヨー・ヨー・マ (Yo-Yo Ma)

2005年12月16日 | ミュージシャン


 何年か前に、友人に借りて一本のビデオを見ました。
 現代ジャズ・トランペッターの最高峰のひとりであるウィントン・マーサリスが、子供たちの前でジャズのレクチャーをするという衛星放送の番組を録画したものです。
 例えがとてもわかりやすく、とても面白いレクチャーでした。そのうえ、マーサリスをはじめ、一流プレーヤーの演奏をふんだんに見ることができたのですが、そこにゲストとして招かれていたのが、ヨーヨー・マだったのです。


 ヨーヨー・マの演奏を聴いたのはその時が初めてだったのですが、その音色にはホレボレしてしまいました。
 ジャズのフォーマットにはあまり慣れてないようだったので、方法論の異なる「ジャズ」というカテゴリーの中ではいくら天下のヨーヨー・マでも戸惑うだろう、と興味本位で見ていたら、いやその演奏の素晴らしいこと!
 デューク・エリントンの「ムード・インディゴ」という曲をセッションしていたんですが、なんて楽しそうに演奏するんでしょう!こんなに楽しそうに演奏する人の音が楽しくないはずがありません。まるで、曲に「命を吹き込んでいる」かのようでした。


 その後、ふとしたことでヨーヨー・マに関して書かれたブログの記事を読みました。
 【Yo Yo Maのバッハ】
 【元気がでるYo Yo Ma!】
 それに啓発されて、ヨーヨー・マのCDを2枚買ってきたというわけです。


     
      『The Best Of Yo-Yo Ma』


     
      『Cantabile  ~The Best Of Yo-Yo Ma~』



 たくさん出ているアルバムの中から、まずはぼくの好きなビバルディの『四季』より「冬」、バッハの『主よ、人の望みの喜びよ』、同じくバッハの『無伴奏チェロ組曲第1番』なども入っているベスト・アルバムを選びました。


 これが世界のトップ・チェリストの音色なんですね。
 ふくよかで、温かくて、とっても細やか。そして、チェロでいろんな情景を見せてくれるんです。
 聴いているこちらが素直に謙虚になることができるような、そんな音だと思います。でも、決して肩肘張った、尊大な音楽ではないんですよね。とても親しみやすいです。


     


 クラシック畑ばかりではなくて、ジャズ、映画音楽、タンゴ、民族音楽など、さまざまな分野の音楽とも積極的にコラボレートしているようです。名を成しても開拓者精神を持ち続けているその姿勢にも敬服します。


 せっかくヨーヨー・マの音楽に出会えたのだから、もっとじっくり聴いて、もうちょっと近づいてみようっと。




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4 コメント

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きゃー (hippocampi)
2006-03-30 16:24:27
() 2005-12-15 20:07:09



「YoYoMaのバッハ」部分をクリックしたら見た事のあるページが…

光栄というべきか、お恥ずかしいというべきか、、サイト頂きありがとうございます!カンタービレ、ぜーんぶ大好きな曲ばかりでこれはとってもお気に入りです



そうそう、ジャズの人!!

このBS放送を見た時=YoYo Maとの運命の出会い、でした。チェロがまるで身体の一部と化して、初めて聴いた曲を真似て鼻歌を歌ってみせるように、トランペットの音をチェロで奏でてみせた楽しそうなシーンは忘れられません。音楽を通して、楽器の壁だけでなく、人種、国境、年齢などの壁を超えてコミュニケーションができるんだ、ということを知り驚いた時でもあります。

放送は相当前ですよね。サントリーのピアソラCMでブレイクのずっと前ですから、こんなに古い番組をMINAGIさんも御覧になってピックアップされているというのもなんか運命的なものを感じます。不思議ですね。私も今晩はYoYo Maに浸りまーす

返信する
顔の変遷を思う。 (古今亭燃ん生)
2006-03-30 16:25:02
2005-12-16 01:48:38



この方、20代ぐらいのときと較べると

えらく人相が(いい感じで)変わったなぁ、

というのが、ワタシの個人的な印象です。

ワタシがガキのころですが、TVで見たときの

この方、過度に神経質な表情で弾いていた

記憶があって、

なんか「息苦しい音楽の権化」みたいに見えて、

あまりいい印象を持てなかったんですわ。

オープンマインドな音楽生活を続けると

こんなにいい表情になるんだな、と、

今は思います。そうなりたいもんです。
返信する
リンクさせて頂きました(^^) (MINAGI)
2006-03-30 16:25:52
2005-12-16 12:08:20



 hippocampiさんの記事を読んで、かつて観たヨーヨー・マ氏のビデオの記憶がありありと蘇ってきました。

 CDを買おう買おうと思いながらちょっと時間が経ってしまいましたが、ここ数日はヨーヨー・マ氏の音色を楽しんでおります。



>壁を超えてコミュニケーション

 そうなんですよ、そこに感動したんです。ほんとに楽しい映像でした。放送されてから軽く10年くらいは経ってますよね、たしか。



 衛星放送の契約をしていないぼくが、hippocampiさんと同じ番組をビデオで観た、というところは、たいへんうれしい偶然ですね!
返信する
燃ん生さんこんにちは☆ (MINAGI)
2006-03-30 16:26:35
2005-12-16 12:15:08



そうですね。理知的な顔立ちのうえにメガネをかけていらっしゃるので、ちょっとクールに見えるかもしれませんからね。 

 記事中に書いた番組では、演奏中の表情を見ているだけで音楽を聴いているような錯覚に陥ったほどでした。ほんとにいい表情でした。



 さだまさしと黒田アーサーを足して割ったような顔立ちにも見えるな~。笑顔がカワイラシイんですよね。
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