ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

コジカナツル Live At RAG

2006年05月28日 | ライブ
♪超満員のRAG店内△


 行ってきました、京都RAG。
 5月26日(金)、『コジカナツル』のライヴです。
 熱い。濃い。激しい。超盛り上がりのRAGの夜でした。
 メンバーはいつもの
 小島良喜(piano)
 金澤英明(bass)
 鶴谷智生(drums)
 の3人に加え、日野皓正グループや自己のグループ『The MOST』で活躍するサックス奏者・多田誠司と、『フライド・プライド』のヴォーカリスト・SHIHO嬢のふたりがゲストに加わるという豪華ラインナップです。


 コジカナツルの3人だけのステージを見たいのが半分、多田誠司とSHIHOが加わるとどうサウンドが変化するのか聴いてみたいのが半分でした。
 しかし、誰がゲストに加わろうと、コジカナツルはコジカナツルでした。そしてコジカナツルの3人に一歩もひけをとらない多田誠司、SHIHOのふたりのアツいハートと存在感にも驚き、興奮し、満足しました。


     
     RAGのステージ周り


 この夜のステージは、のっけから多田誠司を加えた4人でスタートし、中盤からSHIHO嬢が加わって加速するという、休憩なしの1ステージ・約2時間半の長丁場のハードなものでした。
 最初の一音から怒涛のように押し寄せてきたブ厚い音の波をどう表現したらいいのでしょう。超満員の聴衆があっという間に彼らの音に呑まれ、彼らの世界にどっぷり浸ることを楽しんでいるのがわかります。


 ハードな8ビート・ロック風の「Solution」でライヴはスタートします。これに続いて演奏されたのが、超アップ・テンポで疾走する「Cantaloupe Island」。この2曲で客席は一気にハイ・テンションに。


 その日によってどう変化するのかわからないという、奥行きの深いサウンドの化学反応がこの夜も派手に起こっています。ライブの音を聴くと、CDでのコジカナツルの音は、完成品でありながらもなおかつそこからどう発展するかわからない大きな可能性を秘めているのかがよく分かります。
 誰かが仕掛けると誰かがそれに乗っかってどんどん曲を発展させてゆきます。しかし太い「サウンドの源」みたいなところは揺らぐことがありません。この発展と安定のバランスの妙も、彼らの素晴らしい点のひとつであります。


     
     小島良喜(pf)とSHIHO(vo) (写真提供 『ひげ』さん)


 SHIHO嬢が加わった中盤以降はさらにヒートアップ。手拍子とパーカッションだけのイントロで始まる「マイ・フェイヴァリット・シングス」を皮切りに、井上陽水の名曲をカヴァーしたフライド・プライドの新曲「リバーサイド・ホテル」などを歌い上げる彼女は、聴き手のハートをしっかり掴んでゆきます。そして「イン・ア・メロウ・トーン」や「今夜教えて」などの、コジカナツルがレパートリーとするジャズのスタンダードをSHIHO流に料理して聴き手のぼくらに差し出してくれるのです。これが旨くて個性的ときているから、もうたまらない。
 「今夜教えて」では、なんとSHIHO嬢とサックスの多田氏とスキャットの掛け合いが演じられ、大ウケ。しかも多田氏のスキャットがSHIHO嬢を食うぐらいまでに勢いづいてしまい、客席も大喝采です。


 曲を追うごとに熱さを増すコジカナツル+多田誠司。そして、独特のハスキー・ヴォイスで、フェイクにスキャットにロングトーンにと、自在に喉を操るSHIHO嬢のヴォーカルの凄さ。客席は沸きに沸いています。これだけのバンドを自在に従えるSHIHO嬢の実力、逆に、それだけの実力を持つSHIHOを自在に歌わせるバンドの実力、どちらにも瞠目させられるばかりです。そしてその相乗効果は凄まじい音の洪水となって、客席をノック・アウトするのです。


【セット・リスト】
1.Solution(コジカナツル)
2.Cantaloupe Island(コジカナツル)
3.Yossy's Delight(コジカナツル)
4."F"(コジカナツル)
5.My Favorite Things(ジャズ・スタンダード)
6.(Unknown Blues)
7.リバーサイド・ホテル(井上陽水/フライド・プライド)
8.Sophisticated Lady(ジャズ・スタンダード)
9.In A Mellow Tone(ジャズ・スタンダード/コジカナツル)
10.Teach Me Tonight(ジャズ・スタンダード/コジカナツル)
11.Street Life(クルセイダース)
12.Close To You(カーペンターズ)


 ヤンチャな5人のヤンチャなステージは、割れんばかりの大拍手に迎えられて終わりを告げました。
 客席のどの顔を見ても満足した表情ばかりです。その中にぼくもいることができたのは、とても幸せでした。
 打ち上げにも同席させて頂き、久しぶりに金澤氏とも話すことができたのも感激度が増す理由のひとつでした。
 こうして熱い5月の京都の夜はふけていったのでした。


     
     5人のサイン入りCD内ジャケットとチケット


 コジカナツルのライヴを目の当たりにした人たちはみな、「早く4枚目のアルバムが聴きたい」というちょっとぜいたくなお願いを胸に秘めていることでしょう。


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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (ジェイ)
2006-05-28 19:30:39
うぉ~ん!MINAGIさん、羨ましい!堪能されたんですね!3人のサインまでいただいて。。!!私も噂のSHIHOさん、一度見たいと思っています。最近コジカナのゲストにでる事が多いですが、皆、絶賛していますよね。う~ん、私も行きたかった。身体が2つ欲しい。。!(又言ってる。。)
返信する
ジェイさん (MINAGI)
2006-05-28 22:17:48
行ってきましたよ、ジェイさん。(^^)

サインは、金澤さんが回して下さったので、多田さん、SHIHOさんのも書いてもらうことができました。感謝感謝です。

SHIHOさんのエネルギーはスゴイ!コジカナツルのことを「野獣です(笑)」と紹介しながら、充分自分もそれに溶け込んでおられました。オフ・ステージでも元気でカワイイ方でしたよ。



ちなみに今後のライブ情報です

6/13(火)…高円寺ジロキチ(コジカナツル)

6/29(木)…目黒ブルースアレイジャパン(桑名正博featuringコジカナツル)

8/31(木)…目黒ブルースアレイジャパン(コジカナツル+多田誠司)

参考までに。
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