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手抜きもの歓迎

2007年10月10日 11時05分59秒 | 能率、生産性

 「手抜きもの歓迎」、このタイトルはいささか誤解を招きやすいのでこれから解説します。

 

 蟻が餌を見つけて巣に運ぶ最適ルートは初めから得られるのではなく、怠け者による成果です。初め餌を見つけた蟻は、フェロモンと言われる分泌液を出して次の蟻に情報伝達します。全て忠実な蟻ばかりではなく、中にいい加減な蟻も存在します。たまたまその蟻が、短いリートを見つけるとフェロモンを残すので、そのルートをつくります。それによって、別の蟻がそのルートを通るようになると、ルートが短いことから往復する蟻の密度が増していきます。時間の経過から、この短いルートが正規ルートとして確立することになります。これは「いいかげん」な蟻のおかげです。この蟻のことは、「生き残る生物、絶滅する生物(日本実業出版社 泰中啓一・吉村仁共著)の80ページに詳しく紹介されています。

 

 さて、企業経営の場にいいかげん蟻の行為を水平展開してみます。アウトプットを出すには、一般に標準化されたルールに従って作業をすることによって、アウトプットの品質と所要時間が保証されます。同じ繰り返しは欠点として飽きが来てしまいますが。

 

 企業は人、もの、時間などの経営資源を最小にして最大のアウトプットを出すことが求められていることから考えると、ルールを守ることはむしろ最低限守ることと位置づけ、常にその裏では、いかに手抜きし楽に成果を出すかを考える必要があります。先ほどの蟻の例では、「いいかげん」な蟻の行為です。今の厳しい経営環境で、現状打破を狙う経営者にとっては、このようないいかげん、手抜きものを歓迎する気持ちもあってよいのではないかと考えます。ただし、東海村で起きた臨界事故のようなことは起こさないで。安全第一。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新支援 田中 義二 tanaka@mgein.com