経営革新を応援します

中小製造業に対し、利益率向上、生産性向上、コスト改善、不良の再発防止、短納期実現、ISO、特許の有効活用など支援します。

新規顧客開拓

2007年10月31日 13時17分52秒 | 資材・購買管理

 先日顧問先の社長とターゲットとした企業を訪問した。目的は新規取引の依頼である。

 訪問に当たって、訪問企業の顧客業界情報の分析、訪問企業の分析、現在の取引先の強み・弱み、当社の強み・弱み分析などを行い準備万端訪問した。

 当社は電設資材の卸売業であるので、製造業と異なり提供する商品の差別化は図れない。従って、在庫の種類、量、納期、問い合わせへの回答、価格面などに対し戦略を立て訪問した。

 

 さて本題は、購入側である訪問企業の日常の購買活動についてである。結論から言えば、企業の希望は、頻繁に顔を出して欲しいということであった。現状の購買活動は、各担当者毎に注文を行っている。必ずしも各担当者間でのコミュニケーションをよくし、購買に関わる情報の交換はされていない感じであった。

 必要な商品は(メーカーを特定しなければ)卸企業を通してどこからでも調達できる。購入する卸企業を選択するのは、担当者個人の判断でなされているようである。

 期待したいのは、商品別に購買業者を決めるとか、特定業者に集中させるなどの戦略が必要となる。原材料費の高騰から商品価格も上がっているご時世である。

 

 頻繁に顔を出す営業マンに注文するのではなく、計画的に購入企業の強みを把握し購買活動を行っていただきたい。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


チームプレーが勝ちにつながる

2007年10月30日 13時24分43秒 | 動機付け

 米国野球における日本人選手の活躍、日本のプロ野球の日本一決戦などでこの所私も勝敗に関心を持っている。彼らは、自分の役割を認識しチームが勝つことを目的に協力と信頼で勝負に臨んでいる。

 

 10名ほどの社員の製造業を支援しているが、社長の悩みは、社員間のコミュニケションがうまく取れていないと言うものである。その結果は、不良品が出てしまう、納期遅れで顧客に迷惑をかけるなどが現れている。

 

 一般的に聞かれることとして、営業マンと製造者間、それに当社では、若者と年輩者の関係もうまくいっていないと言う。

 企業、組織は何を目的に力を合わせて活動するのか。スポーツの世界はチームが協力して相手に勝つことをはっきり各人が認識している。もちろんその過程で観客の満足も提供している。

 

 企業には、目的をはっきり自覚していないことが多いのではないか。企業も勝負の世界にあるが、自覚しにくい。従って経営者は声を大にして顧客満足を訴えなければならない。全社員が顧客に目を向ける仕掛けを創る必要がある。給料は、社長も社員も顧客からいただくものだ。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com

 


リスクの少ない新規事業への進出

2007年10月20日 08時14分23秒 | 経営戦略

 量産品を受注していた製造業は発注企業の海外への工場進出、国内の需要を対象としている業種は、人口減や安い外国製品により絶対量の減少で、今までの事業の成長は期待できず、成長期を過ぎ衰退期にさしかかっていると言える。

 どうすべきか。経営者にとって頭の痛い選択を迫られている。一般的には新製品、新事業に進む、あるいは既存製品を新しい業界にあるいは新規顧客を開拓することになる。この両者ともそう簡単なことではない。

 

 そこで提案がある。今までの製品に対する修理、省エネルギー製品への入れ替え、リニューアルはいかがか。自社製品に対する修理、あるいは関連する他社製品に対する修理、取扱品の修理、性能向上、増設などこの分野を広げてみてはいかがか。対応には、早さが問われる。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


下剤の機能

2007年10月18日 18時12分44秒 | 経営戦略

 本日11年ぶりに大腸の内視鏡検査を行った。幸い異常なく安心した。準備として、検査食に加え下剤を飲み腸内をきれいにしておく作業がある。そのために水を多くのみ排便により腸内をきれいにする。

 

 この作業の効果を出すためには、飲んだ水は尿にならず排便と一緒に腸内を流れなければ効果は低い。従って効果を上げるために、飲んだ水が腸内を通るように下剤には、水分の吸収を押さえる機能を持っている。

 

 この下剤の最後まで途中で消失しないよう最後まで流れる仕掛けが社内にできたら、社長の戦略、指示の徹底がどれほど効果的に行くか。これは大いに期待できる。

 下剤の機能を水平展開して社内で使えるようにするにはどうしたらよいか。考えてみたが簡単にはアイデアが出てこない。紙に書いたあるいはPC上で、即ち目に見えそれが途中で消失しないようにすることくらいしか浮かんでこない。他によい方法がないものか?

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


不良対策

2007年10月17日 18時12分21秒 | 品質保証

 支援先の今期の目標をバランススコアカード(BSC)の戦略マップにより創りつつある。顧客の期待に応えるには、当社にとっていかに不良を押さえ品質保証するかが重要なテーマである。

 

 当社の場合、難削材に対する高精度を売り物にしている。現実には、交差とばらつきが逼迫しており、工程能力指数を計算すると多分余裕のない状況と推察している。

 当社の品質問題は、顧客と打ち合わせした営業マンの情報が現場に反映されず思わぬ不良を出してしまう場合と、公差に対しばらつきを押さえるのに苦労する2つの要因に層別できる。

 

 前者の改善は、仕事の流し方即ちISO9001で言うところのプロセスマネジメントの問題で、やるべきことが抜けてしまって起こる現象である。これは原因を追及し、再発防止のためにルールを追加し守ることになる。

 

 一方後者の不良は、技術的に難しい。結果がばらつくと言うことは、コントロールしていない何かがばらつくからである。数がでれば、時系列にデーターをプロットして行けば、時間の経過と共に中心地がずれていくのか、そもそも中心地は変化せずに、個々にばらつくのかによって対策の方法が異なってくる。個々のデーターからでは、対策はできない。数が出るものについては、統計的品質管理(SQC)が必要である。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com

 


データーのばらつきに注目しましょう

2007年10月12日 08時47分46秒 | 品質保証

 昨日に続いてデーターのばらつきについて説明します。現在の支援先の現場で日常的に起きていることを参考に紹介します。

 

 企業の差別化に「高精度」があります。この高精度は現在の工程能力の限界に挑戦するレベルです。同じプログラムを別のNC機にかけると公差からはずれ不良品が多くなるとか、人が代わると寸法が変わるなど、非常に神経質になって、場合によっては全数チェックをしなければ安心できないことが起きています。

 

 その場合、測定データー毎にプログラムを補正するのでなく、20個、30個のデーターをひとまとめにして、平均値が公差に対しどの位置にあるのか、ばらつきが大きすぎるのか分けて分析することは必要です。品質管理では、エックスバーR管理図と言います。

 

 最近は、各社量の多い受注は少なくなり、統計的に処理する機会は減っていますが、統計的にみる統計的品質管理(SQC)も研究してみて下さい。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com

 


ばらつきの原因を押さえる

2007年10月11日 10時31分06秒 | 品質保証

 部品加工受注企業の生き残り策の一つに、難削材に対する高精度加工がある。現在はミクロンまで制御できるNC工作機械で、理論的には1ミクロンも制御できる。これは、あくまで数値上のことでそれがダイレクトに製品精度に反映でくきこととは違う。

 

 そこに難しさがある。結果のばらつきは、原因がある。因果関係がある。原因となる何かがばらつくから、結果としての製品の精度がばらつくのである。一般的には、4Mすなわち、材料、人、機械、方法に分類できる。例えば、NC機を動かす同じNCデータを別の機械で使うと、製品の公差からはずれて不良となってしまう。測定のばらつきによっても、良品であったり、不良品になったりしてしまう。

 

 精度のばらつきに影響すると考えられる要因を標準化しても、分からないところでばらついていて、結果に影響を与えてします。難しい製品は、このようなことが起こりやすい。

 

 どうするか。言葉では簡単であるが、因果関係を見つけ、再発防止のために標準化しそれを守ると言うことに尽きる。この真の原因を追及し標準化するところに、ノウハウの伝承、技術の向上が図られる。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


手抜きもの歓迎

2007年10月10日 11時05分59秒 | 能率、生産性

 「手抜きもの歓迎」、このタイトルはいささか誤解を招きやすいのでこれから解説します。

 

 蟻が餌を見つけて巣に運ぶ最適ルートは初めから得られるのではなく、怠け者による成果です。初め餌を見つけた蟻は、フェロモンと言われる分泌液を出して次の蟻に情報伝達します。全て忠実な蟻ばかりではなく、中にいい加減な蟻も存在します。たまたまその蟻が、短いリートを見つけるとフェロモンを残すので、そのルートをつくります。それによって、別の蟻がそのルートを通るようになると、ルートが短いことから往復する蟻の密度が増していきます。時間の経過から、この短いルートが正規ルートとして確立することになります。これは「いいかげん」な蟻のおかげです。この蟻のことは、「生き残る生物、絶滅する生物(日本実業出版社 泰中啓一・吉村仁共著)の80ページに詳しく紹介されています。

 

 さて、企業経営の場にいいかげん蟻の行為を水平展開してみます。アウトプットを出すには、一般に標準化されたルールに従って作業をすることによって、アウトプットの品質と所要時間が保証されます。同じ繰り返しは欠点として飽きが来てしまいますが。

 

 企業は人、もの、時間などの経営資源を最小にして最大のアウトプットを出すことが求められていることから考えると、ルールを守ることはむしろ最低限守ることと位置づけ、常にその裏では、いかに手抜きし楽に成果を出すかを考える必要があります。先ほどの蟻の例では、「いいかげん」な蟻の行為です。今の厳しい経営環境で、現状打破を狙う経営者にとっては、このようないいかげん、手抜きものを歓迎する気持ちもあってよいのではないかと考えます。ただし、東海村で起きた臨界事故のようなことは起こさないで。安全第一。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新支援 田中 義二 tanaka@mgein.com


「技術経営アドバイザー」に登録

2007年10月07日 20時59分48秒 | 特許、知的財産

 この度発明協会から「技術経営アドバイザー」に登録された。役割は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の助成事業を実施する中小企業・ベンチャー企業等の研究開発の成果を経営に結びつけるため支援する専門家である。

 簡単に言えば、研究開発に投資した結果のアウトプットを、経営に役立てるための支援者といえよう。

 在職中技術に関わり独立後中小企業診断士として、中小製造業の支援を行ってきた私に適した支援事業と自負している。

 

 中小企業は、一般的に人的、資金的に研究開発を行える環境とは言いにくい。従って、研究開発の成果は大事にしなければならない。例えば製造技術など特許出願し公開した場合、まねされたか否かアウトプットされたものからは判断できない場合が多い。特許出願し公開するか否かの判断一つとっても重要な意思決定が必要になる。また研究開発を行う際の先行技術調査も欠かせない重要な作業である。

 

 知的財産を経営に役立たせるため、どうぞ登録された専門家を活用していただきたい。

 

ムゲン経営研究所  製造業の経営革新支援 中小企業診断士 田中 義二
tanaka@mgein.com


知的資産を顧客に開示しましょう

2007年10月06日 08時54分15秒 | 営業

 「知的資産」、あまりまだ聞き慣れない言葉であるが、2年ほど前から経済産業省が中心になってまとめてきて、「中小企業のための知的資産経営マニュアル」として完成された。

 

 知的資産とは、財務などのように数値に表れない、企業の「強み」となる目に見えない資産の総称である。似たような言葉の知的財産権(特許)なども当然含まれる。

 このマニュアルは、知的資産経営報告書の事例、記入フォーマットも示されいる。

 私は、この知的資産報告書を活用され、金融機関からの有利な融資、新規顧客開拓に対し活用していただきたいと願っている。もちろん、社員などステークホルダーと言われる利害関係者にも。

 

 今までは、提供する製品、サービスなどの見える(表の)競争力、決算書など見えるもので評価されてきた。私の提案は、見えない競争力(裏の競争力)を、積極的に開示して下さいと提案するものです。一言で言うならば、「強み」を開示することです。

 

 例えば、ノウハウ、データベース、改善が日常的に行われる企業文化、業務ルール、既存顧客との信頼関係、顧客満足度(CS)のアンケート結果などを開示していただきたい。CSアンケートの結果は、不満足、ニーズなども示し改善していることを示せばよりこちらの熱意を感じていただけよう。

 

 「中小企業のための知的資産経営マニュアル」は、中小企業基盤整備機構(電話:03-5470-1576)が扱っている。

 なお、自社の知的資産のレベルを把握するには、非財務情報(知的資産経営)の評価チェックリストとして、以下の団体がチェックリストを無料でダウンロードできるサービスを行っている。知的資産経営報告書作成に当たって支援を希望さえる場合にはご一報下さい。歓迎します。

・大阪商工会議所、日本公認会計士協会近畿会http://www.osaka.cci.or.jp/Jigyou/hizaimujouhou/index.html

・経済産業省、知的資産経営トップページ
http://www.meti.go.jp/policy/intellectual_assets/index.html

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 田中 義二
tanaka@mgein.com