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新規顧客開拓に知的資産経営報告書活用を:4

2008年08月31日 08時25分58秒 | 営業

田舎のお宮、朝日を浴びて 

 

 売上を拡大するためには、現在の顧客の満足度を上げ受注を維持したり拡大することはもちろん一番意識しなければなりません。しかし、いつまでもその取引、顧客が継続する保証はありません。むしろ自然現象から行けば、成長、成熟、その後は衰退というライフサイクルをとります。

 

 そこで、どうしても新規顧客開拓が必要になります。しかし、米国の自動車販売会社の例ですと、新規顧客開拓は既存企業の維持よりも5倍コストがかかります。いかに効率的に、受注するかが求められます。

 

 受注に至るには、まず貴社の強み即ち見えざる知的資産を知ってもらう必要があります。従来のカタログでは不十分の場合が多いでしょう。面会の確率を高める、見積もりを提出するに至るには、強みを理解してもらう必要があります。特に、新規顧客開拓には、こちらから知的資産を開示する必要があります。

 強みを認識する、見える化する、顧客に開示する。この工程を経て下さい。

 次回は、知的資産経営報告書の他への活用の可能性を確認してみます。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


価値の多様化と強みの見つけ方:3

2008年08月30日 10時17分56秒 | 営業

田舎の火祭り風景:長野県飯田市小野子にて

 

 VA,VEで定義する価値は、機能/コスト(V=F/C)でした。米国から戦後伝来した価値の定義は簡単なものでした。今日製造業では、品質Q、コストC、納期D、それに環境配慮と言ったところが製品・サービスを顧客に提供するときの表面に見えた価値として評価されます。

 

 これらが強みですと顧客や利害関係者に説明し、理解を求めても納得いただけないでしょう。

 その結果を出している強みの裏の力即ち見えざる知的資産を示す必要があります。しかし、見えざる資産を認識することは現実は難しいことです。経済産業省では、「応援コーディネータ」と言う言葉を使っていますが、企業に強みを認識してもらう質問を投げかける必要があると思います。今回は、強みの見つけ方について紹介します。

 

 1つは、売上の上位企業の業種、受注内容を整理して下さい。どのようなものを受注しているか。そこには強みが含まれております。例えば、一時的に組立品の受注はできるが、そのうちなくなる場合は、低コスト体質ではないこと。反対に、調整、評価受注が多い場合は、その事業に強みがあると判断されます。まず、受注品を分析しましょう。

 2つ目として、顧客に弱みも含めて顧客の目から見た強みを聞いてみることです。取引先の同業者とのシェアが40%ならば、40%分の強みを認識していてくれることになります。その強みを認識しましょう。

 

 さて次は、その強みはなぜ実現できているのか。技術、ノウハウなどを分析します。別の視点からは、技術、ノウハウが蓄積される仕組み、技術を向上させる仕組み・仕掛けとしてどういうものがあるか。マネジメント(管理)に強みとなる特徴がないか。最後のステップとして、そこまでする、こだわる理由は何か。経営理念が社員に浸透し、社員が良く理解・共有し、日常活動において実践しているのか。ここまで強さの源泉をたどって下さい。

 強みの確認は、即ち、経営理念から始まる事業活動を製品・サービスから元に戻る分析活動によって得られます。

 

 見えざる知的資産を認識し、事業にお役立て下さい。知的資産経営マニュアル作成支援お受けします。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com

 

 

 


知的資産経営の必要性:2

2008年08月29日 09時37分10秒 | 経営戦略

 大企業を含め企業を取り巻く経営環境は、皆さんご承知のように、少子高齢化により国内の需要は今後拡大が期待できません。それに加え、グローバルな競争によりコスト面での勝負では勝ち目がありません。2回ほど前、オリンピックの400メートルリレーを例にし、力でなく「技」で勝負することを述べました。また無形資産の価値の増大があげられます。+

 

 戦後米国から入ってきたVA(価値分析)、またはVE(価値工学)の定義による価値とは、機能/コストでした。そこには機能あるいは性能とコストの要素だけが価値の判断要素でした。今では、時間のファクターその他多くの要素も価値の対象になっています。

 

 このような経営環境から、今までに蓄積されてきた自らの固有の力を活かし、製品・サービスの差別化を通して、価値・利益を創造・実現していくことが不可欠です。

 自社の見えざる知的資産を掘り起こし、認識し、活用すると共に、既存顧客、新規顧客開拓に、また有利な融資のための金融機関との交渉に、知的資産を活用しましょう。

 

 次回は、自社の強みの見つけ方、認識の方法について紹介します。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


中小企業の知的資産経営:1

2008年08月27日 14時12分09秒 | 経営戦略

 19年3月に中小企業基盤整備機構から、「中小企業のための知的資産経営マニュアル」が発行されました。知的資産経営、聞き慣れない言葉ですが、簡単に言えば、自社の強みを認識し、その強みを利害関係者に示し、継続して利益を上げて行きましょうと言うものです。

 先日、中小企業診断協会神奈川県支部の主催する、中小企業診断士向け理論更新研修において、約1時間本件講師として紹介させていただきましたので、ポイントをこれから何回かに分けて紹介して行きます。今回は、「知的資産経営」とは、を説明します。

 

 知的資産経営とは、無形の経営資源である知的資産(ひとまとめで表現すれば自社の強み)を把握・認識し、維持、管理、強化、改善し、これらの知的資産を組み合わせ、事業の発展に結びつける経営を言います。即ち、知的資産を認識し、その活用方法を計画し、実行し、効果を確認し、修正あるいは継続を行うPDCAの行為です。

 特にこの中で重要なこととして、強みの認識(これは以外と難しいことですが)、顧客、金融機関、利害関係者など、目的によって対象者に開示し、理解してもらうことが大切です。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


力に対して「技」で勝つ

2008年08月23日 08時28分25秒 | 経営戦略

 昨日のオリンピック400メートルリレー競走で、日本チームはトラック競技で初の(銅)メダルを獲った。

 同じメンバーで4年間は少なくともメダル獲得に向けてたゆみない努力を続けたことであろう。素晴らしい快挙である。ある選手が言った。「(オリンピックは)スポーツでなく戦いだと。」この発言は、協力に私に刺激を与えてくれた。

 

 私はこの400メートルリレーの勝利を観て、改めて製造業の経営戦略に水平展開してみた。

 日本の中小企業の多くは、直接・間接的に発展途上国の低コストの影響を受けている。彼らの低コストを力と見なせば、力で対抗しても無理な話だ。「技」を活かさなければ勝てない。リレーには、バトンタッチという力でない「技」が必要になる。製造業で言えば複雑なプロセスのつなぎの部分だ。

 

 これからの中小企業製造業は、力勝負から「技」を活かせる土俵で勝負すべきだ。ランチェスター弱者の戦略を参考にするまでもなく、競争の激しくないところを見つけて戦って欲しい。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com

 


研修の効果

2008年08月22日 12時32分10秒 | 人材育成

 N社から受注した社員研修も、初級から中級、最後の経営幹部を対象とした研修に進んできた。

 事前アンケートでは、会社の課題、職場の課題を認識しているが、誰かがその課題を解決してくれると言った気持ちが感じられる参加者が意外に多いという気がした。問題だと気付いていても声に出さない、課題解決の行動を起こすとなると更に少なくなるであろう。

 

 当日、社長から参加者に訓辞をいただいた。「新入社員が育たない。社会に貢献できない。企業の社会的責任を感じているが、現状は満足できない。経営幹部の皆さんに頑張ってもらいたい。知識、学ぶだけでは活きない。職場の問題解決に実践して欲しい。部下に範を示して欲しい。」社長は、1人でも目覚めて欲しいとこの研修に期待している。気持ちを新にし、その期待に応えたい。

 

 人材育成は、経営者の重要課題であるが、成果はすぐに現れにくい。そのうちにと言っていると、いつまで経っても後回しになってしまい、3年前を振り返ってみると、反省と言うことになりやすい。

 

 読売新聞2007年8月15日記事に人材育成は利益率に反映されると言うデータが示されていた。高収益企業(ROA:総資産利益率)が5%以上の企業は、総労働時間の10%以上を教育訓練に当てている企業が60%と言う。10%とすれば、週労働時間40時間とすれば、毎週4時間以上教育訓練に当てていることになる。

社員の意識で10%程度は、時間を確保(生産性向上)できると考えられる。その時間を是非研修棟の人材育成に当てていただきたい。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


経営支援を受けている会社は期待できる会社

2008年08月14日 09時28分37秒 | 経営診断

 今は中小企業の70%が赤字企業。これらの企業が自力で黒字になり成長を続けられるほど自社を取り巻く環境が良いとは経営者は考えて居られないでしょう。

 70%の大企業は過去に経営コンサルタントを利用し、中小企業は30%止まりというデータを以前見たことがある。中小企業こそ、他人の目を気にせず、信頼のおける経営コンサルタントを利用していただきたい。

 

 先日、黒字企業から新規顧客開拓を成功させたいとコンサルティングの依頼を受けた。コンサルタントを依頼する企業を大別すると、更に良くしたいという積極的な経営姿勢の企業と、経営が行き詰まった、どうしようもないと、最後の手段に、支援を要請する企業に大別できる。中小企業再生支援協議会には、最近の相談企業は、銀行から見放され治療も外科的手術も間に合わない手の尽くせない企業からの相談が多くなっているという。

 

 外目を気にするより、会社の将来のため、社員、利害関係者のため、早めに支援を依頼することを期待します。支援を受けている会社は駄目な会社ではなく、これから良くなる会社です。支援を受けていない会社からは、決して確率が低くない状況で自然になくなっていく会社というようにとらえ、前向きな考えで観ていただきたい。経営コンサルタントを利用していただきたい。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


社員個人の資質の差

2008年08月09日 13時58分46秒 | 人材育成

 N社の経営幹部セミナーにおいて参加者から大企業と中小企業の社員個人の資質の違いを質問された。当社の社員の資質は低いと言いたいのであろうか。

 答えられる具体的なデータはないが、感覚的には大企業が勝ると思われる。しかし、これは結果であり、元々は各人の資質に違いはないという私の考えである。結果的に差がついてしまうのは、本人より上司の責任と言いたい。

 

 常識的な読み、書き、そろばんができれば、スタートはみな同じ。違いがでてくるのは、その後、新しいことに挑戦しP(計画)、D(実行)、C(チェック)、A(アクション)を回しながら学習をしているかにかかっている。趣味にしろ何かに秀でている人は、PDCAを回しレベルを上げている。

 

 大企業と中小企業の社員に資質の違いがでてくるのは、このPDCAを回す機会があるかないかにかかっていると思う。決して、本人の能力に違いがあるわけではない。人を預かる上司(管理者)は、部下にPDCAの機会を与え、それを習慣にするよう心して部下育成をしなければならない。

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com


新規顧客開拓には強みを示せ

2008年08月01日 11時24分00秒 | 営業

 既存企業との取引が、じり貧に進んでいる企業が新規顧客開拓に苦労している。このところヒアリングさせていただいた、計測、制御機器開発・製造企業、プレス、板金製造業などの例に診られるように。

 

 多くの企業は、生きていくため顧客の受注に何でも対応する姿勢で経営してきた。この結果が強みとして訴えられるものを持てない背景として考えられる。意識的に強みをつくろうと、対象を絞って経営資源を集中していかないと、振り返ってみたら差別化できるものが蓄積されていなかったと言うことになる。

 優れている企業は、技術の延長上で、5年に1つくらいずつ新しい事業の柱として成長させている。例えば、プレス金型企業では、昭和精工http://www.showa-seiko.co.jp/、日進精機http://www.nissin-precision.com/、熱処理加工では、川熱http://www.kawanetsu.co.jp/のように。

 

 今からすぐに差別化できる何かを創りあげることはできない。従って、新規受注開拓には、今までの事業、製品を平面的に並べるのではなく、その製品・サービスの基なった技術・技能を時系列に並べ、その過程で強みと思われるものを協調していただきたい。

 最終製品、サービスが何の技術・技能によってもたらされているか整理し、顧客に示して欲しい。参考になるデータとして、専門的になるが、特許情報をパテントマップとして整理されているものをお薦めする。下記URL参照下さい。http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/tokumap.htm

 

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
tanaka@mgein.com