経営革新を応援します

中小製造業に対し、利益率向上、生産性向上、コスト改善、不良の再発防止、短納期実現、ISO、特許の有効活用など支援します。

中小製造業の生きる道

2010年04月28日 10時29分08秒 | 経営戦略

 4月16日、東京都中小企業知的財産シンポジウムに参加した。「中小企業の活路を拓く!逆境時代の羅針盤」と題して約1時間、東京大学大学院経済学研究科伊藤元重教授のお話を参考にしつつ所見を述べる。誤解の部分はご勘弁いただきたい。

 経営者は鳥の目、虫の目更に魚の目を持つことを求められるという。魚の目とは、潮の流れの変化を察知する感覚である。
 今日の産業界は、国際的競争にさらされ、製造業の海外への進出、中国の技術レベル向上等により大きく経営が厳しい方向に振られている。

 中小企業の生き残り策として、教授は抽象的に次の5点を挙げられた。
1.海外に対応するよう頑張る
2.競争相手を負かす、勝ち組に残る
3.差別化する
4.支援制度を活用する
5.撤退する

 この中で、スマイルカーブを話題に出された。

 スマイルカーブとは、左右が中央よりあがったカーブであり、左が上流工程即ち企画とか開発、中央が製造、右が物流、サービスとなる。このカーブで付加価値あるいは利益率が高い分野は、中央以外左右の上流、下流である。

 即ち、中央の製造機能は、インド、中国などにかなわない。機械でできるものは高性能の機械を保有すれば日本で作ったものとほぼ同じように低価格でできることになる。製造事業で競争しても勝てない。従って、多くの大企業が海外で生産している。

 従って、国内の中小企業製造業としては、国内で生産に付帯する設備、試験機器、治工具などおよびその部品加工が主流となる。当然多品種少量生産を短納期で作ることに対応しなければならない。

 伊藤教授は、下流のサービスで特長を出している東海バネ工業(株)を事例に挙げられた。多品種微量生産(平均受注ロット5個)を当社は特長としている。
 直接顧客との取引を通して、顧客の現場に入り、顧客の問題解決に活路をみつけることがポイントである。ソリューションである。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com

 


調達先の選定

2010年04月27日 15時11分22秒 | 資材・購買管理

 4月7日、神奈川産業振興センターで、発注開拓専門員の委嘱式が行われ、本年度も受託した。もう継続して8年くらいになろうか。一昨年まで東京都大田区を担当していたが、昨年度から東京千代田区、港区、横浜市都筑区、港北区を担当している。

 仕事の内容は、主に発注が期待される企業を訪問し、発注案件を収集し、センターの担当部署に報告することである。原則的には、受注、発注両方の斡旋を行っている。

 面会は事前に趣旨を説明しアポイントを取って訪問している。面会者の都合がつきさえすれば比較的面会に応じていただける。公的機関であること、ニーズにお応えすることを目的としているので、一般的な商品の売り込みと違ってご協力いただける。

 面会者は、主に資材調達のマネジャーになるが、調達先の選定に当たっては、時間をかけて期待に応えられる企業を探して欲しいことである。直ぐ見積を求められるのも歓迎であるが、長い繰り返しのあるつきあいをいただくには、企業の特性、優れた面、パートナーとして適切かなどを自ら検討し、選定いただきたい。

 そのためには、少なくとも3ヶ月から6ヶ月くらい先を読んで日常の行動をとっていただきたい。企業選定に当たって、なぜコストが低いのか、品質が保証されるのか、短納期に対応できる仕組みは何かなど、表の競争力を出している裏の深層の競争力を確認して欲しい。
 

  現状、残念ながら受注企業のパンフレット、ホームページには、発注企業社が欲しい裏の競争力の源泉が示されていない。知的資産経営報告書、魅力発信レポートを受注企業は作っていただきたい。
 作成に感心があれば一報下さい。見積書をお送りします。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com


改善に向けて第1歩を

2010年04月26日 14時55分50秒 | 経営診断

 中小企業診断士になるための、経営診断実務の機会を今回いただいたミニスーパーマーケットY社長に先日面会いただいた。

 今回の診断の場をご提供いただいたお礼と、感想、改善提案した実践に対する支援の提案をさせていただいた。


 改善に当たっての中小企業における障害は、社長の決断と、実行するスタッフの不足が挙げられる。課題に対する改善方法を、納得いただければ後は実行あるのみであるが、なかなか現実は必要性、効果が予測できても実践できない。

 そこで、今回時期的にも丁度良いタイミングで神奈川産業振興センターの経営アドバイザー派遣事業を活用することを提案した。この制度は、県が2/3専門家の謝金の負担をしてもらえる制度である。1回あたり企業は税込み8400円負担すれば専門家が活用できる。

 今まで、私は10社ほどこの制度で改善の支援の機会をいただいている。今回、診断報告につなげてこの制度を使い改善の実践支援ができれば幸いである。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com 


使命を確認し奮起する

2010年04月06日 08時32分19秒 | 求めます

大池公園にて 

 4月6日(火)朝のNHK放送で就職活動(就活)が放映された。面接の練習する場面で涙ながらに就職したい気持ちを訴えていた。二桁にわたる企業の面接をされるという。それでも思いを遂げられない就職希望者が出てくるのは哀れに思う。

 彼らにとっては、いかに応募者の中から選ばれるか大変なことである。就職したばかりは、直接間接に生産の業務に就くことになるが、今の国内企業では設備も人も余剰の状態である。企業が国内競合企業に勝て、また海外企業に勝てるだけの競争力を蓄えないと、彼らを受け入れることは難しい。

 このテレビを見ながら改めて今朝は己を叱咤激励した次第である。
中小企業診断士の私の使命は、中小企業を競争力ある企業に変革させることである。その結果として、生産の機会を拡大し、希望に満ちた若者の就職に寄与することにもつながる。

 一昨年のリーマンショック以来、私の顧客としている中小企業製造業は大きな打撃を受けた。受注が一時は80%減、最近持ち直して来たというものの、まだまだ稼働率は低い。融資の支援より仕事が欲しいという話しをよく聞かされた。

 コンサルタントに支払うお金がない。多くの企業では事実であろう。私にとっても厳しい受注環境を克服し、就職の受け皿の拡大にも寄与したい。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com


生物の規則性

2010年04月04日 09時38分23秒 | 5S

竹の子の皮

 記憶の中で初めての経験になろうか。妻の手伝いで竹の子の皮をむいた。30センチに満たない竹の子である。皮をむくのに結構手間がかかる。何枚も向かないと食べる芯がが出てこない。

 新発見は、竹の子の皮は、1枚いちまい巻き付いている向きが規則正しく右巻き左巻きとなっている。全ての竹の子に規則性があるのであろう。今回の分類(カテゴリー)を5Sにしたのはこの規則性からである。

 誰に指示されることなく制約されなくてもこの規則が保持されているのは、生存の為の本能であろう。例えば、まっすぐ伸びるためにと言うように。人間で言うならば、生まれたばかりの赤ちゃんが誰からの教えがなくても本能的に母乳を吸う。

 例えば5Sの整頓を考えてみよう。使ったら元に戻す、開けたら占める、点けたら消す。これらの行為が本能的に行われれば、いつも綺麗に整頓できる。しかし、現実にはうまくいかない。この行為は、本能が働かないのであろう。

 本能で行動できないものは、結局その目的、意図を理解し訓練で身につけなければならないのであろう。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com