経営革新を応援します

中小製造業に対し、利益率向上、生産性向上、コスト改善、不良の再発防止、短納期実現、ISO、特許の有効活用など支援します。

中小企業の特許出願の目的

2009年08月31日 11時26分21秒 | 特許、知的財産

天城高原ベゴニアガーデンにて 8/22日撮影

 発明協会その他公的機関が主催して、定期的に中小企業向け知的財産(特許)のセミナーが行われている。ほとんで無料で内容のあるセミナーである。先日、8月28日、神奈川県立川崎図書館の主催で、「特許文献の読解法と出願書類作成の基礎」と題して、神奈川県特許情報アドバイザーの渡邉巧人さんのセミナーが行われた。

 私は、特許を経営に活かすことを専門分野としているが、意識的に知識を陳腐化させないため、積極的に受講している。

 改めて、中小企業の「特許出願の目的は何ですか」と問いたい。特許情報の検索の仕方、出願書類の作成の仕方など、いろいろセミナーの支援は多く、中小企業経営者も関心を持っていただけるようになったが、出願の目的は何か、改めて問いたい。
 私の主張は、経営に活かすことである。多くの出願者(経営者)も目的は同じと思うが、多くは出願をしただけに終わっているのではないか。これでは経営に活かされているとは言えない。審査請求し、権利化し、自社の製品・サービスへの参入障壁を強くすることが第1で、その他特許を譲渡することも考えられる。

 このような、本来の目的実現に向けて進めていただきたいが、これは費用と特許の質を考えなければならない。以外と、権利化までの費用は認識が低いと推察される。

 概算を紹介すると、特許庁への費用は、出願1.5万円、審査請求17万円、特許料3千円/年、ここまでくるのに多額の弁理士費用が発生する。アンケートの平均値を参考にすれば、出願手数料30万円、成功報酬10万円、意見書7万円、補正書7万円、拒絶査定審査料19万円、成功報酬17万円。最低、1件を権利化し維持しようと思えば、110万円くらいかかることになる。

この110万円を覚悟して権利化するだけの発明かどうか検討し、特許出願を決意することが必要である。出願しただけでは、経営に役立てる事には結びつかないのではないか。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
tanaka@mgein.com 田中 義二

 


営業姿勢

2009年08月28日 11時36分42秒 | 営業

(財)神奈川産業振興センターから委嘱されている発注開拓業務で横浜市のK社を訪問した。当社は45年ほど前、パイプの化学洗浄などを事業としてスタートし、今日では洗浄に加え、配管に関連するエンジニアリング事業にも展開されている。

 面会いただいたのは、技術営業課長と創業者の会長。会長は、初めの挨拶で、社員指導の機会にさせていただくと前置きされた。長年営業を担当されてこられた先輩の立場で部下指導のOJTの機会にしようという意図が伺われた。

 今回、当社を訪問したのは初めてであり、事業の内容を紹介させていただいた。会話の中で、会長が指導されたこととして、現状自社でできる範囲の営業の姿勢であり、顧客のニーズを受けて、そのニーズを以下に実現するか、協力企業も含め実現を図るべきと指導されていた。

 このような姿勢で営業されると、当社にとって新規事業に発展する事も期待できるし、当然、自社でできない範囲は、外部の協力企業の開拓も必要となる。
 そこに、発注開拓業務としてのお役立ちの機会が生まれくる。

 やはり、顧客ニーズに応えることを第一とし、その実現に向けてパートナーを選択し、協力関係を強くし、顧客の期待に応える事が、これからの需要の少ない時代必要となる。

財団法人 神奈川産業振興センター発注開拓専門員
ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
tanaka@mgein.com 田中 義二


中小企業を応援します

2009年08月26日 08時20分30秒 | 営業

 大田区ビジネスサポートサービス事業の登録協力者として、中小企業を応援しております。以下の紹介は、当社の工場見学、社長のヒアリングから作成したものです。
 発注に当たってご検討よろしくお願いします。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能 中小製造業の経営革新
tanaka@mgein.com 田中 義二

 

金属、非鉄金属の
大物旋削加工は
当社にお任せ下さい。

直径600~1200φ、長さ700ミリまで。重量1.5トンまでの大物。

創業以来50年間、大物旋削加工専門に展開してきました。フランジの穴開けにおいてはボール盤に自社開発した割り出し装置をつけ、96分割まで自動で設定が可能です。

設備として正面旋盤、自動割り出しボール盤、関連設備、クレーンを保有しております。
当社の強み

1.重量物固有の工作物チャッキングに工夫を凝らし、
形状公差、寸法精度を保証します。

2.工作物脱落などの危険防止、安全面、精度に
ノウハウを持っております。

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またその他の固定費は最小に抑えており、
ご期待に応えられます。

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職住接近で、徹夜も時に対応できます。

5.当社の強みを最大限発揮でくるのは、
大物鍛造品フランジ加工です。

株式会社 内村精密技術研究所
代表取締役 内村喜信
電話 03-3763-9331
FAX 03-3763-9332
東京都大田区大森西1-17-29
メール y-uchimura@ac.wakwak.com


特許・発明を武器にする

2009年08月21日 08時16分44秒 | 特許、知的財産

 8月19日、横浜市知的財産セミナーにおいて、特許庁総務部普及支援課上席産業財産権専門官佐藤光昭さんより、「中小企業の知財戦略を考える」と題したお話を拝聴した。

 中小企業に対する公的機関の支援は、経営面でも資金面でも、多岐に渡る支援が成されている。これらの中小企業の支援の内容において、以前から感心していた支援分野が製造業における開発活動のアウトプットである発明に対する支援である。

 初めの無料相談業務からスタートして、発明の先行技術調査、そのデータベースの公開、特許調査の方法、電子出願、審査請求前の特許出願に係わる先行技術調査、審査請求、など各プロセス毎に企業からの求めに応じて出張支援、費用の面でも助成などサービスが提供されている(特許行政サービスメニュー参照下さい)。

 中小企業の泣き所は、素晴らしい発明であっても、基本となるその特許1件だけの出願で終わってしまうことである。実用化には、その基本となる特許の他に、新しいことが反映され、商品化される。1件だけの出願で、製品が市場に出ることはなく、その周辺の発明も反映されて実用化される。

 この周辺特許も合わせて、特許出願していただきたい。独立前勤めていた大手製造業では、戦略的重要な製品は、他社からその機能の製品が出ないよう、「発明陣取り活動」として、周辺の特許まで出願した。

 今回、久しく、10名ほどの設備開発・設計企業から、特許出願後の戦略的活動に対する助言を求められた。頼りになるパートナーを探したいという。
 簡単な構造による減速装置であり、権利が認められれば、この利用範囲は広範囲に渡ることが期待できる。それだけに、周辺も特許出願していただきたいが、当社の出願は、現在、残念ながら基本特許出願1件のみである。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com


鍋屋バイテックの経営

2009年08月11日 09時24分42秒 | 経営戦略

 8月8日、中小企業診断協会神奈川県支部主催の中小企業診断士のための理論政策更新研修で、鍋屋バイテック会社金田社長のお話を聞かせていただいた。タイトルは、「オンリーワン志向のDNAに日々磨きをかけるものづくり・ひとづくり」。

 当社の経営から今回はいろいろのことを学んだ。今、既存顧客からの受注が減少している時期、多くの経営者は、新規事業、新製品による現状打破に模索されていることと推察する。ともすると、現状の事業を諦め、深く追究せず、安易に新しいことに入り込みやすい。購入する新しい設備投資に期待もする。


 当社の創業は、約450年前、永禄3年に遡るという。鍋屋のDNAは、
・自社ブランドの製品を
・自社で開発・標準化し
・自社でつくり
・自社のネットワークで販売する となっている。

 創業当初は鋳物による鍋を製造販売をしていたが、1950年鋳物によるVプーリーを標準化。モーターと関連する回転もの、軸継ぎ手、回転を直線運動させる関連部品、駆動に関連する必要部品と、事業領域を伝動・制御・位置決め機械部品の開発・製造・販売に特化している。

 感心したのは、寿司バーコンセプトとして、
・必要なものを、そのとき、要るだけ提供するというコンセプトである。

 この目的を達成するために、多品種少量生産で障害となる段取り時間の無駄に対し、段取り時間を短くする設備を自社開発している。また、無断取り化にも挑戦されている。顧客のニーズに対し、逃げずに問題解決を図り、他社と差別化に活かしている。

一方、社員に対しては、「良い製品は良い環境から」と位置付け、福利厚生施設の充実、マイスター制度による報奨制度など「工園」づくりと定義し、素晴らしい社員思いの事業も行われている。

 是非、2005年、内閣総理大臣表彰「ものづくり日本大賞」(第1回)優秀賞を受賞された当社を研究され、事業に活かしていただきたい。
(当レポートは、理論研修テキスト、当社のホームページを参考にさせていただきました)

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com

 


ものづく補助金審査結果

2009年08月09日 06時36分53秒 | 経営戦略

 「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」制度の審査結果が、8月7日、全国中小企業団体中央会のホームページで公表された。

 応募総数7387件、採択件数1655件。採択率22%、5件に1件採択という結構厳しい結果であった。支援の謝金を低く抑え、成功報酬で支援した私の企業は、今回残念ながら採択の組に入ることができなかった。

 第2回公募締め切りは、8月14日(金)、締め切り日が迫っている。それ以降は、受付をしないと言う。大変、中小企業に人気のあったこの制度も第2回でもって終わりというのは残念である。
 現在、国、都道府県等公的機関では、積極的な企業に対し、支援の手をさしのべている。日頃から、中小企業施策に関心を持たれ、申請時期に制約のある施策には特に気をつけられ、期限内に申請されたい。

ムゲン経営研究所 中小企業診断士 特級機械技能士 中小製造業の経営革新
田中 義二 tanaka@mgein.com