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ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

大阪地裁判決

2012-08-14 01:06:42 | 日記
大阪地裁で先月30日、姉を殺害した42歳のアスペルガー症候群と診断されている男性に対して、「被告の障害に対応できる受け皿がなく、再犯の恐れが強い。許される限り長期間、刑務所に収容することが社会秩序の維持につながる」と、求刑が懲役16年であるにもかかわらず、懲役20年の判決を言い渡したことが話題になっている。

亡くなられたお姉さまは、本当にお気の毒だと思う。きっと弟を思ってあれこれと意見したことが逆恨みされたということがあったのかもしれない。もっと頼りがいのある地域福祉が、本当は必要だったのだろう。でも、これが裁判員裁判の判決だということと、今でも日本では「座敷牢」時代を彷彿とさせる排除論理が法廷でまかり通るんだっていう現実がぞっとさせる。

ただ、この判決で、発達障害者への対応、とくに、彼らが成人した後の生活支援、就労支援といったことに国民の注目が集まって、議論がもっと広範に行われだすのではないかという期待がにわかに広がった。ちょうど税と社会保障の一体改革法案が可決成立したところだ。年間13兆円という増税が、無駄な医療や貧困ビジネスに1円たりとも吸いとられないよう、今必要な社会保障、今不足している社会資源のことを広く国民全体で話し合わねばならない。この判決で、すごくその思いを強くした。

お金に色はついていない。今まで社会保障の財源となっていたものが、他に流用される危険性は十分に残されている。もちろん、まだまだ必要な公共投資もあるのは認める。1000兆円という国債の償還も進めなくてはならない。でも、この2015年度からの13兆円は、社会福祉の人材育成、就労に向けた教育、最低保障年金、発達障害も含めた障害者対策に効率的に活用してほしい。

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