MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

医療通訳が必要と思える誰かがいれば活動は始まる

2017-09-11 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
お久しぶりです。

母は退院し、介護認定も出て、
自宅での介護が始まりました。
よいケアマネさんと頼れるヘルパーさんもついてくださり
とても心強い船出です。

暑さも和らいできて、
少しづつ元気も出てきました。

今、遺品整理をしているのですが
個人の志を活かすのって難しいとつくづく思います。

昨年、知人のスペイン語の蔵書の遺品整理をお手伝いしたのですが
その時、個人の大切にしていたものの供養は難しいなと感じました。
結局、図書とCDはそれぞれ公立図書館へ
洋服や小物は対人支援NGOにそれぞれもらっていただきました。
あとは心の整理なんですが、それはもっと難しいですね。

母の介護をしながら
生きている人間と死んだ人間の優先順位をつけなければいけない場面が何度かあり
やはり生きている人間を優先するのは間違いないのですが、
やるせない思いがあります。

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先日、富山県に行ってきました。
医療通訳セミナーの依頼で、おわら風の盆の日だったにもかかわらず
たくさんの方が参加してくださいました。
富山県は在住外国人の数は決して多くないし、
観光の方もある程度コースが決まっていてどこにでもいるわけではないですが、
医療通訳の問題に取り組み始めている方々がいらっしゃいました。
まず、問題に気づく人が何人かいれは、活動は始まります。
それも医療現場に近い人、外国人支援に近い人、コミュニティに近い人であれば
なおいいと思います。
難しいことを考えず、まずは「医療通訳が必要」というコンセンサスがとれればいいですね。

次は10月に神戸で開催される日本母性衛生学会でのシンポジウムが待っています。
シンポジウム5で、
「在住外国人が安心して出産できるために ~その支援のあり方を考える~」をテーマについて議論をします。

また、今年はCHARMさんと一緒に母子保健の医療通訳を育成しようと考えています。
この分野の通訳需要は少なくないのですが、
他の疾患に比べて経験者や制度について十分知識がある人の数が限られてしまいます。
また病気というより、社会的、文化的要素が強い分野なので
基礎的な知識がなければ通訳が難しいです。
医療というよりは保健の要素が強いですが、
通訳が必要という意味では同じです。

秋に向かって、少しづつ準備を始めていかなければと思っています。