昨日、宮古の瓦礫を東京まで鉄道輸送して、民間会社で分別し埋立地に処分するというニュースが出ていた。輸送にはJRの鉄道コンテナーを利用するという。
震災直後の救援物資や水の輸送に海上輸送を利用すべきだとおいうのは過去のブログに書いた。しかし、あまり利用された様子はない。
地盤沈下や港湾施設の被害ということもあったわけだが、神戸の時も、運輸省第3建設事務所や神戸市が、応急対策をやって、すぐに使えるようになっていた。震災後数ヶ月、鉄道、道路が分断されている間、人・物の輸送は大阪からの海上輸送が主体だった。瓦礫は西宮沖の埋立地に運ばれ、可燃物は野焼きされた。
港湾の応急復旧は割合簡単で、障害物を撤去し、段差などの箇所は、土のうなどで均せばよい。クレーンがなくともRo/Ro船を使えばすぐに、トラックでもタンクローリーでも積み卸しが可能だ。
現在は、陸上交通がほぼ復旧している訳だが、コスト、環境両面から考えれば、海上輸送が望ましいことは明らかだ。鉄道コンテナに瓦礫を積み込むのは、大変な手間だし、効率が悪い。瓦礫が現在ある場所は海岸の近くだし、目的地の最終処分場も港にある。なんで、海上輸送を使わないのか、はなはだ疑問だ。
東京港は静脈物流に対応し、産業廃物処理・リサイクル業が多く立地している。鉄道利用で道路交通の負荷はなくせず、鉄道駅までの輸送、鉄道駅から処理施設への輸送、最終処分場までの輸送は全て道路輸送に頼ることとなる。
震災復興関係者に海上輸送の知識が足りないこと、海上輸送関係者自身が積極的な取り組みをしてないことの双方が原因なのだろう。