Maxのブログ

Maxが、報道などを丸呑みせず、自分で見聞きしたこと、感じたこと、を投稿します

「老いを楽しむ」

2010-11-30 10:10:26 | 日記

 池波正太郎の主な小説はほとんど読了し、最近はエッセイを読んでいる。

 「おおげさがきらい」(講談社文庫、全集本編集時に見つかった未収録エッセイ集)の中に、「四十眼」という一文がある。昭和38年の「日曜随想」に書いたものだ。

 老いから来る不自由を楽しみとして捉えよう、という生き方についてのエッセイで、

 ・年をとるにしたがってこんな楽しみがあるもんなんだね。

 ・老人になるにしたがって、いろいろのたのしみがふえていくに違いないと私は思う。

 ・肉体の力がおとろえることは悲しいが、よく考えてみると、日々のあけくれを味わうことが、いまの私にとって何よりもうれしいことだ。眼鏡をかけ本へむかうと、「さあ読むぞ」という闘志さえもわいてくる。

 ・五十になったらどんなたのしみが待ってくれるだろう。

 ・たのしみとともに五十の悲しみもやってこようが、私はたのしみだけを探って生きたいものだと考えているのだ。

 このエッセイは、題や文からわかるように、池波40歳のものである。

 自分を省みると、まだ若いと思いながら、初めて「ぎっくり腰」を経験したころである。「たのしむ」などとは考えても見なかった。

 「たのしい」ことと、「悲しい、苦しい」こととは、表裏一体のことのようで、芥川の「朱儒の言葉」の中の「瑣事」という項に、
 ・人生を幸福にする為には、日常の瑣事を愛さねばならぬ
とあるが、相通ずるものがある。

 しかし、芥川は人生を斜めにみているのに対し、池波はあくまで積極的にとらえている。大きな違いだ。

 「都市型限界集落」などという言葉が出て来るこのころだが、もっと前向きに高齢化社会を考えていきたいものだ。池波の生き方にヒントを得たい。

 


自転車生き返る

2010-11-16 17:03:17 | 日記

 購入して5年のマイ自転車。ハンドルひねればギギギギ、クランクシャフトはぐらぐら、変速するとすぐチェーンが外れるといった状態になってしまった。

 買った時は、職場の見回り用として使っていて、退職直前に自宅までサイクリング。その後、主として自宅から駅までの交通、買い物用などに使用。これまで、ブレーキバッドやシフトケーブル、タイヤなどは自分で交換してきた。

 今回は、ちょっと自分の手に負えないかなと思って、大磯のYou Canというサイクルショプへ持ち込んだ。勿論その前によく汚れを清掃してからだ。ショップは、店長らしい年長の人と若い人の2人でやっている。明るく清潔で感じのいい店だ。以前にタイヤとチューブとか購入してそれほど値段も高くないと見極めての持ち込み。

 最初は、クランクを外して、ボトムブラケット(BB)の寸法とり。部品は取り寄せになる。2日ほどして連絡があったので、会社の帰りにショップへ。BBを外すと、古いカップアンドコーンというやつで、グリースは切れ錆と埃でどうにもならない感じ。よく清掃して今度はカセット式のBBを挿入。クランクをとりつけ今度はヘッドだ。

 自転車を固定具に止めて、ハンドルバーとフォークを外し、ポンチでヘッド小物を抜いていく、下を外し上を外し、いろんな工具を駆使しての作業だ。やっぱり私の手には負えないと納得。新しいヘッド小物を圧入工具で押し込み、フォークを挿して、スペーサーで調整しながらハンドルを固定。

 リアディレーラーもおかしいので、外したあとフレームエンドの調整をしてもらう。かなり時間をかけ、何度も角度を測りながら直してもらった。

 ディレーラーは一度ネット通販で買ったのだが、固定形式が違っていて取り付けられなかった。今度は慎重に選定してアマゾンで購入。Vブレーキとブレーキケーブル、アウターなどハンズで購入。これらは自分で取り付けた。たまーにしかやらない作業なので、ああでもないこうでもないと試行錯誤の作業。

これが、生き返ったマイ自転車。異音はしなくなり、実にスムースに運転できる。You Canさんへ感謝!!

my cycle


尖閣画像問題ー乗り組み仲間

2010-11-11 09:17:57 | 日記
 尖閣諸島沖での衝突事件の画像流出、海上保安部官自首で、昨日は報道、国会で持ちきりだった。

 しかし、今日の共同通信(http://www.kyodonews.jp/feature/senkaku/)記事によれば、保安部内のイントラネットの共有ファイルとしてアップされていて、全国の海上保安官が閲覧、ダウンロードできたとのこと。今回だけでなく、前々から、保安部内の情報共有のため、すでに常態化していたそうだ。

 衝突の際、2人の保安官が海に投げ出されて、1人はスクリューに巻き込まれ、1人は中国漁船からモリで突かれて死亡したなどというガセ情報も、インターネット上にしつこく流れていたようだ。

 結局、衝突画像を事件後なぜ秘密扱いにしたのかが問題だ。事件証拠を秘匿するのは、犯人しか知りえない秘密に関係する場合だろうが、今回は、多くの人が見ている前での事件で、司法権をもつ海上保安部が現認逮捕したのだから、秘密にすべき理由がない。

 外交上の配慮というが、かえって中国国民の反日運動を惹起させてしまったのは明らかだろう。公開するかどうかが外交カードになるはずもない。その上、結局中国の圧力に屈して船長、船舶を無罪放免してしまった。

 これでは、最前線で命を張って仕事をしている海上保安官でなくとも、怒って当たり前だ。どうも今の政府は、何事も事なかれ主義で、政権維持第一と評価されてもしかたがない。官僚を攻撃する政府が、官僚から信用されるはずがない。

 ひとつの船で運命を同じくする船員は、とりわけ結束が強い。私も船舶関係の仕事に従事していたことがあるが、毎日の当番、宿直、食事、待機時の船具整備、忘年会などの飲み会等々、すべて船単位で行われる。今回は事故船の乗組員と、画像開示者との関係が明らかになっていないが、人事異動や保安学校で一緒だったかもしれない。あるいは、陸上勤務者と海上勤務者との対立という問題があるかもしれない。

 政府は、情報管理を厳格化する立法措置などを議論しているようだが、政治家や官庁幹部の情報リテラシーのなさが問題ではないか。刑事事件での証拠取り扱いのマニュアルづくりで充分。官庁内の信頼関係の構築が、遠回りでも本質的な解決への鍵であろう。

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