飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

乱歩NO.68・・・<乱歩地獄/2005年・①>

2006-11-13 | 江戸川乱歩
乱歩地獄


配給:アルバトロス・フィルム/2005年
監督:竹内スグル・・・「火星の運河」
   実相寺昭雄・・・「鏡地獄」
   佐藤寿保・・・「芋虫」
   カネコアツシ・・・「蟲」
出演:浅野忠信 ・・・「火星の運河」「鏡地獄」「芋虫」「蟲」
   成宮寛貴、小川はるみ、吉行由実、大家由祐子 ・・・「鏡地獄」
   松田龍平、岡元夕紀子、韓英恵、大森南朋 ・・・ 「芋虫」
   緒川たまき、田口浩正 ・・・「蟲」



「火星の運河」

地球ではない別の惑星のような荒涼とした大地に、一つだけ大きな円形の沼があり、そこに立つ裸体の男。男と女の暴力シーンがフラッシュバックで挿入される。
何かを背負った男なのか。キーンと劈く不協和音とともに男の体は女の体に変態
する。それは幻なのか。不快なイメージの連続。江戸川乱歩の原作が散文詩とも思える短編で映像作家はそこに触発された映像を展開している。ただ余りにも短いのでコメントが難しいのが実感です。


「鏡地獄」

主人公は鏡に取り憑かれたナルシストの和鏡職人、ナルシスの神話は水面の鏡面効果で映った自分をその中へと落ちていく物語でなかったか。

この映画もいろいろなものを削ぎ落としていくとこの神話と同様な構造を持っている。そして鏡である。光を反射する鏡、瞳の中に映る鏡、鏡の中の鏡・・・。鏡は神(=御神体)つまり神を作っているのだ、という台詞にはドキッとさせられた。
鏡で覆われた球体の中に入ると一体何が見えるのか?イマジネーションの究極だ。
そこに神を発見するかもしれない。

そこで気になったので、シンボル辞典で鏡を調べてみた。“鏡は、真理、自己認識、知恵、精神、「宇宙の鏡」としての魂、超自然的かつ神的な知性の反映、神の真理の清らかに輝く表層、太陽と月と星に映し出される最高知、を象徴する。鏡にうつる映像は、顕現世界=現世であり、また人間の自己認識である。・・・”

“【日本】鏡(鑑)は[たとえば閻魔大王の鏡のように]「告発の鏡」であり、真実を映し出し虚偽を暴く。鏡は神としての太陽である。儀式が行われるとき、神は聖なる鏡にその姿を現すとされる。真実を象徴する鏡[八咫鏡]は、剣[天叢雲剣]と玉[八坂瓊曲玉]とならんで<三種の神器>の一つである。鏡は太陽女神である天照大神の象徴。(「世界シンボル辞典」J・C・クーパー著/三省堂)

過激なSMシーンがあったがそれは余分な気がした。


※次回に続く



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