飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

乱歩NO.81・・・「妖しい稲妻の美女 魔術師」

2009-10-28 | 江戸川乱歩
■放送:1990年4月14日、テレビ朝日
■主演:北大路欣也、佳那晃子、山本ゆかり、日下武史、坂上次郎、他

今まで見てきた北大路欣也が明智小五郎を演じた江戸川乱歩の“美女”シリーズは、原作からも大きくかけ離れたり、ストーリーの展開もあまり面白くないなど期待を裏切られてきましたが、今回見た作品は、それまでのものとは違って乱歩らしいものに仕上がっていて楽しむことができました。

原作となった乱歩の作品は「魔術師」。ドラマは乱歩の小説の話の展開を概ね生かしています。ですから奇想天外な展開はいかにも乱歩らしい驚きとグロっぽさが残されいて、見ている側としてはお楽しみ度が違ってくるわけです。そして小説の「魔術師」は長編ものなので、ドラマの展開が早く進んでいきます。(相当早いですね)その早さが心地よい。ジェットコースターとは言わないまでも、タイトルに“魔術師”とあるように魔術的な仕掛けやトリック、設定のオンパレードなのです。

その場合、文字として小説を読んだ場合はそれなりに不気味な世界を味わうことができる場面でも、いざ映像化すると見るも無残、笑ってしまうしかない滑稽な場面となってしまうことがあるのです。しかし、それを避けるのではなくあえて真正面から取り組んで映像化するところに、この“美女”シリーズの見所があると思えるのです。その意味では原点回帰というのがいいのか天地茂のころのそれの空気をこのドラマh醸し出していました。

そしてもう一つシリーズの魅力、それは美女の惜しげもない裸体の見せ場があるのですが、こちらは放送倫理規定などの時代の変遷もあるのでしょう、露出の過激度は弱まっていました。あきらかに天地茂の頃と比べ北大路欣也の頃はヌードの出番が減っています。えっ?この女優がヌードになっていたの?という驚きとワクワクがないのでそれは残念なことなのですが…。

魔術師は先日、歌舞伎の題材にもなった人間豹や蜘蛛男、黄金仮面、道化師などに並ぶ明智小五郎と対峙するユニークな悪役キャラクターであります。その殺人方法は独特で、先に書いたように映像化すると笑ってしまうしかないほどの強度を保っており、それは最早、大人の絵本のレベル?にあるといえるかもしれません。絵本のレベル?ボクがそう思ったことが、そのとおりなのかはご自信の目で確かめていただくのがよいのかなと思う次第です。

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