地獄風景/桑田次郎
角川ホラー文庫
NTTのCMでSMAPが歌っていた「8マン」の主題歌、その漫画を書いたのが桑田次郎。基本的にこのブログは、江戸川乱歩作品の映像化されたものや漫画に描かれたもの、あるいは乱歩について語られたものを、ボクというフィルターを通して書き続けているのですが、まずは、乱歩の作品を読んでから、それの映像化や漫画化された作品を観るというルールで投稿してきているのですが、この「地獄風景」はそれが逆になってしまいました。
正直、桑田次郎が描いた漫画は見事に乱歩の作品を捌いていました。原作のほうは、“自身の全集の付録冊子の連載”(新保博久)のため、途中から気が抜けたような展開になってしまうのであるが、漫画の方は結末を変えて乱歩の「パノラマ島奇譚」よろしくショッキングなもととし、その緊張感の最大化を図っています。
そして、漫画の登場人物はヒッピー達、乱歩の原作は猟奇的趣味人達。ナルホドなー、猟奇的といってもその言葉の意味するところは、その時代の社会通念やモラルによって捉え方も変わってくるわけで、この場合は描かれた時代のトンガッタ人たちにあてはめてみれば、すんなり受け入れやすいことにこの漫画を通して気がついた次第です。
※スタンリー・キューブリック監督の映画「シャイニング」を想起させる迷路における殺人事件
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■小説「地獄風景」所収
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