飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

漫画no乱歩#8⇒「押絵と旅する男」長田ノオト/蒼馬社

2006-09-13 | 江戸川乱歩


「押絵と旅する男」長田ノオト
蒼馬社


長田ノオトさんの存在は、全く知りませんでした。(漫画には疎いので)怪奇ホラー系の漫画家なんですね。絵のタッチからするとと女性の方と見えるのですが、男性的な感性と云うかニオイというかそんな妖気が出ています。unisex的な感性があるかも?そんな印象です。

さてこの江戸川乱歩の「押絵と旅する男」ですが、私はとても漫画化をするにはとても難しい題材ではないかと思います。のぞきからくりの押絵の女、お七に恋してしまった青年はレンズを逆さに見ることでその絵の世界の住人となってしまう・・・。小説で読むからイマジネーションが刺戟され幻想的な雰囲気に酔うことができるのですが、絵(漫画)や映像にすると、そこに具体性が表現されてしまい、一歩間違うと非常に滑稽な世界へと転倒してしまう危険があると思われるからです。だからこそ映画「押繪と旅する男」は、押絵の世界に入ってしまった男の弟のその後というか、死の直前に徘徊する異様な老人という創作部分を加えているのでしょう。




その辺りの観点からすると長田氏は直球勝負を挑んでおり、苦戦している感じもします。苦戦といってもそれは失敗というわけではなく、堂々とした戦いと言うべきでしょうか。見事ですね。私的にやや残念だったのは、登場人物が細面の美男子ばかりであったこと、マァ、美男子ほうが乱歩的世界を保つことができるとも言えるのですが。


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