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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

乱歩NO.35・・・<大時計の美女~幽霊搭/1979年>

2006-06-29 | 江戸川乱歩
大時計の美女~幽霊搭

放送:1979年テレビ朝日
監督:井上梅次
出演:天知茂、結城しのぶ、赤座美代子

いきなり登場する白髪の幽霊、それに異常に怯える横内正。幽霊はまるでいじめっ子のように横内を追っかけます。ここを素直に観るか、あるいは変だよと観るかか、このドラマのその後の鑑賞ポイントになるのではないでしょうか?大時計のある古い屋敷に幽霊が出る、それがキーワードだからです。その出現のさせ方に共感を持つか否か、それが分かれ目です。

原作には明智小五郎は登場しません。物語は複雑な構成となっています。その原作をうまく凝縮させ再構成をしていると思いますが、先に書いたように幽霊の登場のさせ方が、如何せんしっくりきませんでした。

謎の女性役の結城しのぶは、その暗く影のある女性をはまり役的に演じきっています。クールで意思の強そうな女、目に力があります。しかし、面白いのが結城がバーでピアノを弾いています。そこに客として居合わせる天知=明智、そしてこの台詞「まるでこの事件を知っているかのように弾いていますね」。あれ?まだまだ大時計のある屋敷に到着したばかりで、事件を解明していないばかりかその全体像を把握途中のはずの明智の台詞がこれだとおかしくないか、雰囲気優先のの演出に走りすぎるきらいがあり、ツッコミを入れたくなるシーンがありました。

また、乱歩の原作が書かれたのが1938年(昭和13年)のため、クールな美女・結城の名前が和田ぎんとなってしまうのが、サスペンスなんだけども今観ると笑いを誘発してしまうちょっと苦しい展開でもありました。


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