飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

乱歩NO.43・・・<一寸法師/1955年>

2006-08-07 | 江戸川乱歩
一寸法師

製作:新東宝1955年 
監督:内川清一郎
出演:宇津井健、三浦光子、二本柳寛

古い映画です。この年代の映画を観るとストーリー以外に、やたらと台詞の聞こえなさ(音声収録状態が悪い)とか、背景の牧歌的風景に注意がいってしまいます。それと知っている俳優が出ていると若いなーとつぶやくことしきりです。

今回も宇津井健や何と天知茂が出ているんですね。びっくりです。さて、この映画の主人公は題名のとおり一寸法師、つまり身長が一般人よりも目立って低い不具者(小人)です。そして、彼は映画のほとんどが悪魔的描き方をされて、一種の見世物的扱いをされています。ラストで汚名は挽回されるものの、結局持って生まれた際立った身体的差異はどうしたって、そのような扱いをされるのだろうな、と感じてしまいました。

最近でも格闘技(K-1、プライド)にも2mを悠に越す巨人に人気が集まり、誰が彼を倒すのかと話題になります。身長の高さの違いがあるにしろ、そこに強さへの興味とともに怪物性を強調した見世物的要素があるのは間違いありません。

この映画に出てきた小人・和久井勉も警官に追われ逃げるシーンの軽業的身のこなしは、もしかしたら彼はサーカスの出身?と思いたくなる見せ場を作ります。兎に角、乱歩の原作では残虐性が目立ったのですが、本作品ではヒューマンタッチなエンディングを向かえホッとした次第です。


人気blogランキングへ


■小説(「一寸法師」所収)
パノラマ島綺譚―江戸川乱歩全集〈第2巻〉

光文社

このアイテムの詳細を見る

■DVD
江戸川乱歩の一寸法師

ジェネオン エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 乱歩を巡る言葉16・・・深... | トップ | 江戸川乱歩の研究?47⇒「一... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (未熟者)
2006-08-07 22:34:20
お久しぶりです。

ようやく自宅のパソコンが復活しました。

今日は、いろいろとありがとうございました。

本当に、服部さんはとてつもない情報を処理しているのですね。とてもかなわないです。

今後ともひとつよろしくお願いいたします。

ちなみに、一寸法師はなかなかエグイ作品だったような記憶があります。
返信する
コメント (飾釦)
2006-08-07 22:40:46
ありがとうございます。一寸法師、ほどほどにエグイですよ。
返信する

コメントを投稿

江戸川乱歩」カテゴリの最新記事