乱歩ＮＯ.４４・・・＜白い素肌の美女～盲獣／１９８３年＞

白い素肌の美女～盲獣

放送１９８３年テレビ朝日
監督：長谷和夫
出演：天知茂、叶和貴子、中条きよし

副題が江戸川乱歩の危険な原作「盲獣」ということで、どんな展開かと期待したがそれは、もう一つの乱歩の危険な原作である「一寸法師」から人間関係やストーリーの骨子を採用していました。

中条きよし演じる所謂、“盲獣”としての役柄を替えたらこれはほとんど「一寸法師」です。中条が、叶和貴子に恋焦がれることによって不気味な身体部位のオブジェの部屋がでてきますが、これは中条の役柄同様「盲獣」から強引に引っ張ってきており、うーんと首を傾げたくなります。

やはり、ボクの期待はいかに乱歩の原作を再現し、増幅しているかに焦点が絞られます。その点では盲獣というタイトルを付けたことが少々残念です。放送ということを考えれば、「盲獣」も「一寸法師」も危険な題材なのでこのような展開になるのは、制約上しょうがないのでしょうか。

ところで、叶和貴子はフェロモン全開の色っぽい演技を見せてくれています。彼女が、恐怖に慄き寝付けない夜さりげなく現れたマッサージ師としての中条の台詞「眠れないのですか？揉みましょうか？」サービスの意味の台詞がとてもいやらしく聞こえたのでした。


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