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飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

宵待草のやるせなさ#8・・・『夢二』(1991年)

2007-03-06 | 美術&工芸とその周辺
夢二
■製作年:1991年
■配給:ムービーギャング
■監督:鈴木清順
■主演:沢田研二、原田芳雄、毬谷友子、宮崎萬純、広田玲央名

ヘンテコな映画、鈴木清順の映画は一言で言うとヘンテコな映画だ。通常の映画のように物語を追っていくとだんだんと疑問符が湧いてくる。脈絡がないのだ。そもそも登場人物の会話が成立しているのであろうか。豊穣なあるいは人を喰ったようなイメージの羅列。もはやそこには意味を読み取ることも不可能かつ無意味な行為までに昇華されている。まるでイメージの連想ゲームか尻取り遊び。

だから、清順の映画は軽いのだ。重力がない。浮遊している。実体がない。そして円環構造を持っている。つまり映画を一度観終えてもう一度最初から観てもこの映画は(そこには物語的連続性がないので)円環状に繋がっているのだ。グルグルと回り続けているレコード盤のような映画なのだ。

そして、映画を観ながら思うこと、清順の映画は新しいビジュアル・コミュニケーションの提案ではないのかと。コミュニケーションの方法論が違うのだ。かつて精神分医のフロイトが夢を手がかりに無意識の世界を発見をした。自身の無意識からのコミュニケーションは夢と云う媒体を介するので、日常生活におけるの方法論では読み解くことができない。それがフロイトの夢判断。清順の映画も同様それに似て映像を介しながらもその文法を夢見るように使っている。つまりコミュニケーションの方法論が違うなと、その意味不明で終わりのない映像を追っかけながら思ったのだ。

だから夢二(=竹久夢二)という映画のタイトルではありますが、夢二の伝記的映画とはなっていません。そこで、たとえば映画のタイトルを鏡花とか乱歩と置き換えても実は可能ではないか、そんなテイストです。夢二と特定できるのは関係する彦乃とお葉という人物と宵待草、夢二演じる沢田研二は映画のエンディングで女を待っている。そこに淡谷のり子の「宵待草」の歌声が・・・。

 ♪まてどくらせどこぬひとを
  宵待草のやるせなさ
  こよひは月もでぬそうな♪
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