昨日の記事に書いたように、
HSCは他者のフィーリングを敏感に感じ取るとされています。
こうした「共感性の強さ」は、
本人を疲弊させる原因ともなり得ますし、
また例えば、次のような問題を孕んでいるとエレイン・アーロン氏は言います。
他者の気持ちを強烈に感じる分、
他者の辛い気持ちがたまらないとか
他者の欲求の激しさに圧倒されるとか、
他者の怒りやジャッジなどを恐れるなどの理由で、
自分よりも他者の気持ちばかり優先してしまい、
踏みつけられてもじっと耐え、
他者に都合のよい「玄関マット」になってしまう、と。
ネガティブな感情に向き合うのはきついもの。
それが自分だけでなく他者の分までなだれ込んでくるわけですから、
「玄関マット」になった方が楽かも、という選択も分かるように思います。
エレイン・アーロン氏の言うように、
元気いっぱいで、外向的で、周りに要求を突きつけられるHSCもいれば、
大人しくすぐに内にこもりがちな子もいます。
我が家でも、両タイプいますから、よーく分かります。
親子関係でも、親に都合のいい「玄関マット」を育ててやしないかと、
省みていきたいなと思いますね。
では、こうした「共感性の強さ」を、
「財産」や「強み」として生かしていくために、
何ができるでしょうか?
アーロン氏が提案する7つのヒントです:
1. 親自身が他者のフィーリングをどう扱っているかに気づく
「他者の苦しみや悲しみに全く無反応なら、HSCは理解されない孤独感を募らせ、あなたを尊敬する気持ちを失うかもしれません。『他の人がどう思うかなんて関係ないじゃない』といい続けるのなら、HSCは自分に欠陥があると思いつつ、他者について思い悩み続けるでしょう」とのこと。
我が家では、親も子も他者のフィーリングに入り込み過ぎる傾向があるので、なるべく、実際に行動できることについてのみ話すようにし、ひとまず何もできることがない場合には、とにかく「より良くなっていきますように」といった願いや祈りを向けるようにしています。
2.できることをしていくと教える
環境問題や貧困問題を思うようならば、清掃ボランティアやチャリティー活動に参加してみるといいとのこと。できることをしていくよう教えていくということですね。それでも、全ての人を喜ばすことはできないと知らせていくこと。「半々のルール(fifty-fifty rule)」というのをアーロン氏は紹介しています。何をしたとしても、半分の人はあなたのしたことが好きかもしれないけれど、残りの半分は気に入らないもの。だからとにかく、あなたはあなたが最善と思うことをしていけばいいのよと。
3. 親自身が自分と自分の周りのニーズとのバランスをどうとっているかを見る
「No」と周りにはっきり言う姿勢、また、的を得ないと感じる周りの意見を取り入れないといった姿勢を見せていくこと。
4.あなたには「NO」と言う権利があり、他者の意見に関知しないでもいいのだと教える
周りを喜ばせようとして自分が疲れきってしまったら、結局誰の役に立つこともできないのよと。
5.大人の問題やジャッジをHSCとシェアし過ぎないようにする
「HSCは共感力があり思慮深く、最高の聞き手なわけですが、まだまだ世界とどう向き合ったらいいかと学んでいる真っ只中。問題をどうするかと大人のサポートをするよりも、まだまだ大人から強さを受け取る時期」とのこと。
ああ、これはまさしく私自身にいえることです。私の両親は活発な社会活動家だったんですが、幼児時代から、身近なことから世界中のことまで様々な問題を聞かされ続け、溺れていたところがあります。物心ついたときから、プラカード持ってストライキとか参加してましたから。成長の段階というのがあるんですよね。またその上に「家族」といった機能自体も否定されがちだったので、振り返り、「安全基地」が築かれにくい環境だったんだろうなあと思います。ちょっと極端な家庭できつい思いもしましたが、それでも両親には、貴いものをたくさん与えられたと感謝しています。自ら体験したプロとコンを、次世代に生かしていきたいですね。
6.自身のニーズや願いしっかりもたせるようにする、選択が可能な場合は本人にさせる
たとえその子が何を選ぶかを知っていても、「クラッカーとクッキーどっちにする?」「お友達を呼ぶ?それともお友達の家に行く?」と選択させること。もし自分の選ぶものと他者が望むものが噛み合わず、誰かの気分を害したり非難を受けても、思いやりのある伝え方を教えつつ、あなたには、選ぶ権利があるのだと教えていくこと。
7.兄弟姉妹間でもできるだけ均等な機会を与える
今日は兄、明日は弟が犬の紐を持つ日、今日は姉がデザートを決めて、次回は妹が決めるなど、できる範囲で均等な機会を与えてやること。他の子が何を欲しても、私が担当する番、という機会をもてることは、常に他者の気持ちに気がつくHSCにとって、「ほっとするときであり、とても大切な体験」とのこと。
周りの状況に敏感なHSC、
大人自身が何を思いどう暮らしているかを問われますね。
こう見ると、週末に紹介した『Give and Take』にも同じようなメッセージがあり、
役立ちそうです。あの本にも、「玄関マット」のGiverになってしまわないように、
とありました。
HSCの「共感性の強さ」がポジティブに働くよう、
サポートしていきましょう!
みなさん、今日も良い日を!
参考資料:『The Higly Sensitive Child』by Elaine N. Aron