朝からどんより曇った冬の空。しかし寒さはまだまだ冬の子供くらいだ。
動けばうっすら汗ばむ程度で、寒からず暑からずの良い塩梅の陽気だった。
他のサークルがある人と風邪で発熱の方とがあったが、今日はほとんどの顔触れが揃った。
前回、見学された入会希望のTI氏もみえたので、皆さんに紹介し、形だけだが諮って
快く承諾を得た。今日からメンバーとなって早速に練習を始める。
入退会も自由で寛大で、大らかな我々サークルの良い点の一つだ。
私は今日は極力片目をつぶってやってみることにした。左右があまりに視力、視界,視野と明るさが違うので、両目を開いていると却って、変な感じで目眩いや不快感を感じる様になってきたので、それならいっそ片目の世界に早く慣れた方がと思ったわけだ。
しかし最近ではつい本気になった時は、既に無意識に片目をつぶっていた様な気がするので、不安や心配した程の違和感はなかったというのが第一印象であり自分の感覚だった。
鬱陶しさと視野の狭さと遠近の分かり難さは、これはもう如何ともしがたい。やはりピンポンがやりにくい。
それでも考えていたよりは、ラケットに球が当たるのが不思議だが、これは我々レベルの球だからか、はたまた相手の人の思いやり球のお陰なのか。それにしてもピンポンは意外に球をじっくり見るよりも、相手との距離が近くて(世界のスポーツの中で相手と一番近くでやる球技だそうだ)、それだけ球が早く来るから勘に頼る要素が案外強いのかもと驚く。球は通常、相手の打点とラケットの角度の延長線上へ来るわけだからある程度打てるのかも知れない。しかし凄く早い球や鋭い変化球には厳しくてとても対応出来そうもない。
それに対処するには台から離れたらどうかと試してみたが、ロングになると見てなくてはならぬ時間が長くなって却って難しくなる。球が途中で消えてしまうゾーンが多くなる。
子供の頃にやったピンポンは、台から離れてやったし、カットや突っつきなんてのもなかった。今でも台から離れたゆっくりした長い長いロングラリーが一番楽しい。しかしこれからは嫌でも、後ろに下がらず台にくっついた現代ピンポンになるしかなさそうだ。
つなぎは突っつきで、攻撃はフリック打ちで(台上でバウンド直後の球を払うように打つ)が、これからの私に最も適したピンポンだと思った。
眼は二つあるから、物が立体に見え遠近が分かるという。しかも両眼で見ることによって視野は(緑内障は別だが)両サイドでほぼ300度のワイドな視界がある。これが片目だと開いた目の方に片寄った180度位に狭まってしまう。来る球が見えなくなるのはともかく、それによって世界が、世間が狭くなって、世の中や人間の心が見えなくなるのではと心配だ。
そうして自分の心まで暗く狭くならぬように、今まで以上に平静に広い気持ちで、良く物事を見るように努め、明るく振る舞い楽しく過ごそうと思うのだが…。
これからは心眼でもって、球を見、世間を見、人を見る練習をしよう。これが独眼流の極意なのかも知れない。
却って今までより、世の中や人間が見えるようになってしまったらどうしましょう!!