ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

消耗戦をどう乗り切るのか ― デジタル家電の行方

2005年02月05日 | ビジネス
デジタル家電が景気を引っ張ると言われていたのも過去の話、大手電気メーカー10社の業績見通しによると、デジタル家電は既に「消耗戦」に突入したとのこと。東洋経済の記事や大前研一ライブなどでも報告されていたし、以前、「どのような製品コンセプトを生み出すか ― デジタル家電の行方」でも触れているので、「やはり…」というのが感想だけれど、こうなるとこの先いったいどうなるのだろうと心配になる。地上波デジタルに対応した薄型テレビなどこれからが本格的な普及期なのに、早くも「消耗戦」とは…

電機10社の業績見通し 大半が下方修正 デジタル家電“消耗戦” (産経新聞) - goo ニュース

どのような製品コンセプトを生み出すか ― デジタル家電の行方

それにしても松下電産の川上専務の言葉?が象徴していると思う。

「デジタル時代は、買ってきた部品を組み立てるだけではもうからないことがはっきりした」

ただ数少ない勝ち組・松下の取った戦略はある意味オーソドックスなものだ。

「松下は、デジタル家電の主要部品となるプラズマテレビのパネルや映像を映し出す半導体を自前で製造するなど、自社ブランドの商品に組み込む自社部品の比率を高めてきた。部品という川上から商品という川下までをコントロールする「垂直統合」戦略で、利益を外部に逃しにくい仕組みをつくりあげた」

ESMやOEM、あるいは部品調達のグローバル化など、グローバルスタンダードが叫ばれて以来、日本的経営の十八番ともいえる「自前主義」-関連企業や下請企業との親密な関係による製造コスト・期間の効率化-からの脱却がトレンドになっていた時期もあったと思うが、ここに来て日本的経営への回帰ともいえる動きもで出している。松下のとった戦略もある意味、日本が強かった能力を活かしたものだろうし、ノウハウ・ナレッジを内部に留めるためにという理由で国内に工場を移した企業もある。

とはいえ単純に「垂直統合」に戻せば好転するかというとことはそんなに簡単にはいかない。松下が勝ち組になりSONYが敗北した理由も、この消耗戦をどう乗り切ったかの「差」であり、デジタル家電の分野では常に消耗戦に晒されるという状況は何も変わらず、また、勝ち続けるための「差」を生み出しつづけられナレッジやマネージメント、仕組が構築できたかどうかはこれからの結果によるのだから。

DELLほどに競合他社より効率的に製品を作りつづけられる仕組ができれば別だろうが、単純に今回は他社より効率化できたスピードが早かったというだけだとこれからの「消耗戦」に勝てるかどうかはわからない。

まさに中村社長の手腕が問われるのだろう。






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