ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

ビジネスマン向けの「Thunderbird」の5つのアドオン

2009年10月24日 | Weblog
長年、メーラーとしてEUDRAを使ってきたのだけれど、職場が変わったこともあり、「Thunderbird」に乗り換えた。Thunderbird単体としては、まぁ、普通のメーラーなんだけど(はっきり言えば、Eudraの方が使いやすい)、豊富なアドオンがあり、いろいろとカスタマイズできることがいいところ。Gmailも使用できない、ちょっとおかたい職場でのThunderbirdの使い方をまとめてみた。

ちなみにうちの部署ではこういう制約?がある。

・メールの誤送信防止システムが導入されている
・Webメール(Gmail)は禁止(サイトへのアクセスができない)
・外部へ添付ファイルを送信する際にはパスワードを設定する
・Googleデスクトップ検索は禁止

まぁ、それ以外もいろいろあるのだけれど、とりあえずメールがらみではこんなとこ。これまでがWebサービスの開発をする部署だっただけに、結構自由に、何でもかんでもメール中心に仕事をしていたのに比べると、かなり使い勝手が悪い。またMLも必要に応じて「手軽に」作るというわけでもなく、メールの整理が大きな課題に。

で、僕が導入して便利なのが、

1)Thunderbirdにブラウザを実装する「ThunderBrowse」
2)添付ファイルを圧縮する「Auto Zip Attachments」
3)タスク管理を可能にする「Lightning」
4)タグ管理に必須の「Tag Toolbar」
5)アドレス帳を使いやすくする「Contacts Sidebar」

の5つのアドオン。


1) ThunderBrowse

これはThunderbirdにブラウザを追加するというもの。

通常、メール本文中のリンクをクリックすると、ブラウザが立ち上がりページが開く。これを、このアドオンを入れておくことで、Thunderbird内で完結させてくれる。メール本文表示ペインがタブで切り替わり、リンク先のサイトが表示される。ブラウザタブを閉じても本文タブは残っているので、溜まっているメールに目を通している最中にリンク先をチェックするときなどには重宝する。

別に、メーラーとは別にブラウザが立ち上がってもいいじゃないか、という人にはあまり役に立たないかもしれない。

これが僕にとって非常に便利なのは、「誤送信防止システム」との関係からだ。うちの誤送信防止システムの場合、メールを送信する際に、メーラーでいったん送信したとしても、サーバ側で保留状態となる。そしてメールサーバから通知があった送信確認画面をブラウザで開き、送信先などを確認した上で始めて送信されることになる。

こうした手間暇がチェックのポイントなのだろうけど、メールを送信した後でブラウザをワザワザ開くというのは非常に面倒くさい。そんな時、このアドオンを入れておくと、メール送信から確認までを1つの画面・アプリケーション上で済ますことができる。

まぁ、簡易ブラウザということで挙動に怪しいところはあるものの、JAVAも一応動くし、非常に重宝している。


2) Auto Zip Attachments

お客さんとのやりとりに添付ファイルをつけることなんて当たり前だろう。しかしいざファイルを送ろうとしたら、ファイル容量が大きくてエラーになるなんてこともあるのではないかと思う。もちろん圧縮ソフトでファイルを圧縮した上で添付をすればいいのだけれど、その作業が面倒くさいなんてこともあるだろう。

そうした際にこの「Auto Zip Attachments」をアドオンしておくと、メーラーがZIPファイルに圧縮してくれる。

ファイルを選択してZIP化することもできるし、送信時に自動で全ての添付ファイルを圧縮させることもできる。

しかし何よりもこれの便利だと思うのが、パスワード付でZIP化させることも可能なことだ。

この部署では、基本的に添付ファイルにはパスワードを設定することが求められている。しかしxlsなどのオフィスファイルに直接パスワードを設定するのでは、ファイルを開くたびにパスワードが必要となり、(お客さんにとっても)そのたびにパスワードを思い出す必要がある。過去のファイルを開くのに、過去のメールを引っ張り出すなんてナンセンスだろう。

だったらZIP化する際にパスワードを設定したほうが効率的というもの。1度、解凍してしまえばいつでも普通に使えるのだから。

このアドオンではZIP化する際に「必ず」パスワードを付けるように設定しておくことも可能だし、何よりも、「メールにファイルを添付」→「(メーラーの)自動圧縮ボタンを押す」→「パスワードを設定」→「送信」という手順だけで済むところがいい。

結構、優れものだ。


3) Lightning

これはThunderbirdでももっとも有名なアドオンの1つだろうから、今更説明するまでもないのだけれど、Thunderbirdにカレンダーやタスク管理などの機能を実装するものだ。

うちの会社では、独自のグループウェアソフトが入っていて、それはモバイルからでも利用できるのだけど、使い勝手がいまいち悪い。お客さんとの打ち合わせの際に、「じゃぁ、次回の打ち合わせは~」と会話をしながら、ケータイからスケジュールを確認して、予定を入れるという一連の作業が、UIの悪いこともあって、話の流れの中で終えるということができない。

そんな時、本来ならば、Lightningとgoogleカレンダーを連携させてモバイルからも一元管理する、といきたいところだけれど、それは諦めて、もっぱらタスク管理に使っている。

lightningをアドオンしておくと、メールをそのままToDOリストに登録することができるので、個人ベースの管理をThunderbirdだけで完結させることができる。To Doリストをどう管理するのかというのは、なかなか難しい問題だけれど、外出先で新しいタスクが発生したときなど、携帯メールからその内容を会社に送っておけば、そのままToDoリストに登録ができる。

タスク管理だけでも、十分、役に立ちます。


4) Tag Toolbar

Eudraに比べてThunderbirdが凄い!と思ったのが、何よりも「タグ」という概念を搭載しているところ。

Eudraでメールを管理しようとすると、どうしてもフォルダ分けによる管理にならざろうえなかった。これはこれでもちろん必要なことなのだけれど、その際に問題になるのがフォルダの分類規則。PJや案件単位でフォルダを分けるのか(当然、未分類のメールが多くなる)、送信者別でフォルダを分けるのか(案件単位でメールを探すのが困難)、「未処理」「処理済」といったステータスで分けるのか(過去のメールの未整理になる)。いずれも一長一短がある。しかも最初の分類ルールを後から変更するというのが難しく、分類ルールが曖昧だと、かえって混乱する。

Eudraの場合、検索機能が強固だったので、どのようにフォルダが分けられていても検索することでメールを見つけることが可能だったが、どうもThunderbirdの検索はいまひとつのよう。

しかしそれを補完して已まないのが「タグ」付けと「検索フォルダ」という概念だ。

フォルダ分けの場合、1つのメールに対して1つのフォルダしか対応しない。それはメールにとっての住所のようなものだ。これに対してタグは1つのメールに対して複数貼り付けることができる。例えていうなら、僕にとっての「住所」は1つだが、僕自身の属性としては「サラリーマン」だったり、「男」だったり、「30代」だったり、「音楽好き」だったりと、多様な属性をもっている。

で、Thunderbirdでは、このように1つのメールに対しても「案件」だったり「重要度」だったり「ステータス」だったりと、複数の[タグ」を貼り付けることができる。そしてその「タグ」ごとに1つの仮想フォルダを作ることができるのだ。これが「検索フォルダ」という概念だ。

「検索フォルダ」とは、単純に言ってしまうと、「タグ」によって検索を行い、その検索結果をフォルダのように見せるというものなのだけれど、これによって実際にメールが格納されるフォルダとは別に、タグ単位での(仮想)フォルダが生まれることになる。実際には、送信者毎にフォルダ分けをしておきながら、案件単位で過去のメールを見たいときには、「案件」仮想フォルダを見ればその案件ごとにメールが集まっている。また「未処理」(仮想)フォルダのメールで、処理が終わったならば、そのメールの「未処理」タグを外せば、仮想フォルダからも外れることになる。「未処理」フォルダには常に「未処理」のものだけが残される。

この「タグ」と「検索フォルダ」によって分類の仕方に非常に柔軟性がでるのだ。

で、この「Tag Toolbar」というのは、そうしたメールへのタグ付けを支援するアドオン。Thunderbird上にタグごとのボタンが並び、メールに対して、はんこのようにポン!ポン!とタグを貼り付けるというもの。

タグ付けには、本来、右クリックで「タグ」を選ぶという作業が必要なのだけれど、これがあると非常に簡単に作業が済む。タグでメールを管理する人には必須といってもいいだろう。


5) Contacts Sidebar

これはThunderbirdのサイドバーにアドレス帳を表示するアドオン。独断だが、Eudraに比べるとThunderbirdのアドレスは管理しにくいと思う。デフォルトではアドレス帳が別ウィンドウで開くこともあり、とりあえずサイドバーで扱うことができるようになることで、これも必須のアドオンといえるだろう。

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他にもいくつかアドオンを試しているのだけれど、解決していない問題もいくつかある。

特に困っているのが、受信したメールの添付ファイルをどうにか、自動でローカルに保存できないかというもの。

セキュリティ的な問題があるとはいえ、Eudraではメールを受信するとそれに添付していたファイルは自動で指定していたローカルフォルダに保存されていた。しかも受信したメールを見ると添付ファイルが保存されたローカルファイル上にパスが変更されている。

つまり受信したメールをいつ見たとしてもローカルファイル上に保存された添付ファイルへのリンクが生きた状態になる。しかもローカルに保存されているので、そのままファイルを修正したとしてもきちんと保存されるのだ。

と、もう1つ困っているのが、検索機能が(Eudra)と比べて弱いこと。本当なら、googleデスクトップ検索で対応できそうなものだが、うちの会社ではGoogleデスクトップがNG。これはGoogle側への情報漏えいの可能性があるから、というもの。Seekのようなアドオンもあるのだけれど、う~ん、MSNデスクトップサーチがThunderbirdにも対応してくれるか、Thunderbird3の検索機能の強化に期待というところでしょうか。

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追記2011.5.12

そういえばThunderbirdに乗り換えてもう直ぐ2年になるのだけれど、その間にThunderbird3にバージョンアップしたりもしたので、その後のアドオンを追記しておこうと思う。

やはり継続して便利なのが、

1)Thunderbirdにブラウザを実装する「ThunderBrowse
3)タスク管理を可能にする「Lightning
4)タグ管理に必須の「Tag Toolbar
5)アドレス帳を使いやすくする「Contacts Sidebar

ちょっと残念なのが、Thunderbird3に「2)Auto Zip Attachments」が対応していないこと。

僕は試していないのだけど、「Auto Zip Attachments」を使えるようにする裏技があるようだ。

 Auto Zip Attachments 0.6.2 を Thunderbird 3.0.0.* で機能するようにする・・・ | 酔言::すいげん

タイミングを見て試してみたいところ。

そしてその後に見つけた便利なアドオンが1つ。

6)メールに付箋を貼れる「XNote

すでにメールが履歴管理・やりとりの記録となっている人も多いと思う。あるいはメールをもらったけれど、本文を読んだだけだと解釈が曖昧で電話をかけて詳細を確認した、なんて人もいるだろう。過去のメールを読み返したときに、メールに記載されていない内容が思い出せない!なんて経験はないだろうか。

そんな時に便利なのが、この「XNote」。

これはメール上に付箋のようなものを残して、そこにいろんなことをメモできるというもの。これは何気に優れている。ちょっとしたメールの補足、その後の対応メモなど簡単に書き込むことができるし、貼り付ける位置や大きさも自由に変更できる。もっていて損のないアドオンだ。

Thunderbird3になって「検索」はかなり強化されている。

でも1つ要望が。

複数の単語でのAND検索が使えないこと。Googleデスクトップが使えれば必要のない問題かもしれないけれど、残念ながら社内ではNG。誰かいいツールを考えてくれないだろうか。。。



2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2011-05-17 13:06:13
> 複数の単語でのAND検索
半角スペースでつなげばAND検索になりませんか?
Unknown (beer)
2011-05-29 02:00:58
本当ですね。全角スペースだとNGだから、できないと思ってたorz

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