maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

喜愛香港-011 佐敦、油麻地-2

2003-11-26 13:11:09 | 虚々実々-喜愛香港

佐敦、油麻地、旺角は街がつながっているので言わば一つの地区。
佐敦が一番南で、北へ行くほど街の雰囲気がガジャガジャしてたんですが、近年旺角の再開発が進んで、いよいよ余り差が無くなって来ました。

油麻地と旺角の丁度中間に街市(ガァィシ=市場)が有ります。
何時も泊まるホテルのまん前の北海街(パックホイ)と甘粛街(カンス)に南北を、新填地街(サンティンディ)と[火+包」台街(パァオトォイ)に東西を挟まれた一角が街市です。
周りにはカシワ問屋、魚屋、八百屋等々市場に入りきれなかった店が取り囲んでいます。
歩道でオバチャンが寄って集(タカ)って、ニワトリの羽根をむしりながら、井戸端会議ならぬカシワ端会議、道はニワトリの血と羽根だらけ。

此処は午前中が活気があって面白いけど、ボヤボヤしてると広東語でどやされます。
また広東語てのは、そう言う場面にうってつけなんですねぇ。
鳥、魚介、爬虫類は原則として生きたまま、さすがに豚や牛は枝肉になってます。
死んだ魚は値段がドッカ~ンと下がります。
香港映画の名作「女人四十」に魚屋の隙を狙って泳いでいる魚を一撃「これ死んでるから、安くしなさいよ!」と値切る場面が有りましたね。

新填地街の1本東が上海街、街市から1ブロック北に行くと図書館が有ります図書館の東側の通りが廟街で、図書館の東北筋向いに天后廟(ティエンハウミィウ)が有ります。
天后は航海安全の女神、香港、九龍のいたるところに有ります。
福建や台湾では「媽祖」と呼ばれています。
昼間は普通の下町ですが、夜ともなれば街市から天后廟一帯は屋台で埋め尽くされます。
上海街は主に食べ物、
テーブルは共用で近所の屋台から料理を持ってきて、好きに座って食べる方式。
ただし、定店の食堂も歩道にテーブルを出しているので、此処へ屋台の料理を持って座ると、何か注文しないと許してくれないのでご用心。
屋台も一時よりかなり程度は良くなったものの、揚げ物は油の色を見て、いわゆる万年油と呼ばれる、酸化して真っ黒な油を使っている屋台は敬遠しないと後が大変です。

街市の周りから図書館周辺は雑貨。
ゆっくり見たら面白いものが有りまっせ。
要注意は CD、CD/R で焼いたのを堂々と売っているかと思えば、有名歌手の写真がついてて、中身は名も知れない歌い手、よく見ればちゃんと「誰それの曲」と書いてあって、本人が歌ってるとは書いてない。
まさかこんな所で、翡翠や骨董品を買う人は居ないだろうと思えば、結構真剣に品定めをしている人が有るんですなぁ。
布拉甲(ブラジャー)、内[衣+庫](パンティー)をこれ見よがしに翻かせてる屋台が多いけれど、結構アベックが見てますねぇ。
パンティを透明の型に履かせて中に電球入れて、パンティ提灯見たいにしてたりするんですよ。
私、とてもあきません、動揺してしもて正視できませんわ。
「イヤらしいこと考えるからやんか」とカミさんは言うけど、あんな物みてイヤらし無い事をどうして考えられます?
鈴の代わりにメダルを下げたドラえもん、頭に毛の無いオバQ、スニーカーを履いた鉄腕アトム。

天后廟周辺で目立つのはカラオケ屋台。
西洋音楽、中国民謡、香港演歌、日本を含むアジアン・ポップス、粤劇の声色までなんでも来い。
二胡(胡弓)、ギター、ドラム、ドラ、キーボード、竜笛、何故かテナーサックスが標準編成。
前1列に特等席があって、大抵は風呂用のポリの椅子、ちょっと上等に成ると三人掛位いの木の床机、高級な屋台は折りたたみ椅子。
残りの客は立ち見。
エエ歳こいたオッサンが、絹を裂くような声ならぬ、バスタオルを破くような声で粤劇の女形の声色を唸ったり、キャピキャピのお姉ちゃんが倉木舞を熱唱したり、おばちゃんが思い入れ過剰に鄧麗君(テレサテン)を演じたり、たまに子供が日本のアニメの主題歌を広東語で歌ったり、これを見るだけでも香港に行く値打ちは有りまっせ!
そらもう、凄い。
お抱えのお姉さんが大抵2~3人居て、間に安心して聞ける歌を歌ってくれるんです。
さもないと、素人のを連続で聞いたらこれはキツ過ぎます。
お姉さんが1っ曲歌うごとに、派手な色のプラスチックの洗面器が回ってきて、観客はチップを入れるんですが、入れる入れないは自由。

気をつけないといけないのは、薬中で異様にハイになったオッサン、兄ちゃんが時々いてるんです。
廟街は有名な売人の密集地。
これは見れば直ぐ判るから、必ずそう言うお方との間には4~5人盾を挟むようにするのがベスト。
一度なんかはカミさんに場所をあけて座らせてくれたオッチャン、空向けて立ててタバコを吸うては、チップに100香港ドルを出してる、上等やけど崩れた服装(ナリ)、慌てて手を引っ張って離した事がおました。
「親切で陽気なオジさんやったねぇ。もう一寸聞いてたかったわ」て知らぬが仏。
いつ何時(ナンドキ)、陽気が狂気になるかも知れんのにね。

中には芸達者が居てて、こんな時には観客から「洗面器を回せ」と声が上がる。
チップを貰ったお客は、握り拳を片手で包む中国式のお礼のポーズで「多謝、多謝(トォチェ、トォチェ)、気前良く楽隊にチップを弾むんです。
場合によっては残りのチップで奢ってくれて、観客一同コーラやジュースにありつく事も有ります。
スリ、置き引き、カッパライもこの夜店の名物。
「用心して、ポケットの中で手で握り締めていたお金をスラれた」「ネックレスをスラれた」等という伝説があるくらい。
まとまったお金、カメラ、カバン、ウエストポーチ、ディバッグなどはを持たない方が賢明。
日本円換算で3~5000円分も香港ドルが有れば、晩飯を食べて買い物をしても十分です。

今日のオマケ:宵小(シゥシゥ=盗人、泥棒)

2003/11/26

喜愛香港-012 佐敦、油麻地-3

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