maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

喜愛香港-035 香港仔-02 

2004-02-29 16:46:38 | 虚々実々-喜愛香港

【地図】
乗ってた客のなかで、活きの良さそうなのは鋼綫灣、瀑布灣のへんでみんな降りて、その後は乗ってきた客は無し。
残った乗客の顔ぶれを見ると、買い物袋を下げたオバちゃん、何も用事の無さそうなジイさまばっかり。
プラス、得体の知れん日本人の夫婦。
見たところ水上居民にも見えんし、いかにも団地の住人らしい雰囲気やなぁ。

漁光邨(ユェコンチュン)団地何かに入って行かれたら、海岸へ出るのに延々と階段や坂道を下りんならん。
赤のミニバスは便利は便利やねんけど、何処へ行くか最後の最後まで流動的なところが、乗っててワクワクしますねぇ。

後ろの席のおばちゃんが運転手にしきりに何か言うてるのは、行く先変更の交渉とちゃうやろなぁ?
町に入ると海旁道からそれて山側の横道に入って行きました。
「ワッチャー、どうやら団地へ行くらしいで!」とドキドキしているとビルの裏手で停まって、運転手が目顔で「降りろ」と言う素振り。
我々二人を降ろすと、ミニバスは案の定左手の急坂を登って行きました。
しかし、こんな裏道に降ろされたんでは、香港仔のどの辺にあたるのかピンと来ません。
とりあえず、ビルを海側に廻って見ると「香港仔中心」とでっかい看板。
目の前にバスターミナル、オ~、運転手エライ!ちゃんと然るべき所で降ろしてくれたがな。
しかし、同じやったら50m程やねんから、ここまで乗せてくれたらエエのに、というのは欲どしいというもんですね。

【香港仔の天后廟】
さて、先ずは天后廟に表敬訪問を、と思ったけど、海岸線が様変わりしてしもてるんです。
船着場を起点に位置関係を覚えてるもんやから、船着場が埋め立てられて遥か彼方移動してしまうと、もとの海岸線は何処やったかを見付けんことには、道がわからん。
多分この道が昔の海との境やったと思うから・・・、と眺めてもそれらしい建物が見当たりません。
え~っ?以前は周りにろくな建物が無かった事もあるやろうけれど、天后廟が堂々と海に向かって立ってたのに・・・。
気を取り直して、よくよく見たら、ビルの間に有った!
近くへ行くと、道がかさ上げされたかして、道路よりも5~60cm低くなってしもてますねん。
まさか小そうに建て替えた筈はないやろうが、どう考えてもしぼんだような気がしますねぇ。

中に入ると薄暗い廟にはジイさまが一人、大きな音でトランジスターラジオの競馬中継を聞きながらタバコを吹かしてるんです。
祭壇にささやかながらお供え物がある所を見れば、お参りする人はまだまだいてるんでしょうねぇ。
あれだけジャンクの数が激減したら、天后さんも辛いやろうなぁ。
杯[王+交](パイコゥ)したら、二人とも陰陽の「好」。

パイコゥ」というのはご存知でしょうが、8cmくらいの木で作った赤く塗ったクロワッサンみたいな格好の物で、二つで1組。
両手を合わせた内側に持って、願い事を念じながら床に落とすんです。
丸みのある面が上になったら「陽」平べったい方が上になったら「陰」。
「陰」「陽」がそろうと「好」。
「陽と陽」は「嘛(マァ)」で「好」と「不好」の中間。
「陰と陰」は当然「不好」。
3回繰り返して全て「好」が最高、全て「不好」は最低で10段階の吉凶に分かれるんです。

大掴みに言えば、
「好、好、好」「好、好、嘛」「好、好、不好」「好、嘛、嘛」なら程度の差が有るものの願い事は叶う。
「好、嘛、不好」は充分注意して掛かれば何とかなる。
「好、不好、不好」「嘛、嘛、嘛」「嘛、嘛、不好」「嘛、不好、不好」は駄目。
「不好、不好、不好」は絶望的。

私が知ってる香港の漁民のは、こんなふうなんですが、所や職業によって色々なバリエーションがあるようです。
台灣で教えてもらったのは、
「陽と陽」は神様が笑っているから「好」。 「陰と陽」は泣き笑いで「嘛(マァ)」。
「陰と陰」は神様が怒っているから「不好」だったと思います。


お礼にお賽銭を奮発、言うても50セントやけど、気は心でんがな。
昔の海岸線沿いに町をウロウロしてみたら、バスターミナルのあたりに海鮮料理屋がパラパラっとあるだけで、いたって静かなもんです。
変われば変わるもんですねぇ。
裏道を散歩してると紫荊花(羊蹄木)が綺麗に咲いてました。
香港では公園、並木いたるところで植えられているんですが、ここのは特別に艶やかでしたねぇ。

パスターミナルのところから海旁道を跨ぐ歩道橋で海岸へ行ってみると、海縁は遊歩道と公園になってました。
ベンチや敷石には中秋節の時のやろね、赤いロウソクのろうの熔けたのがあっちこっちそのまんま残ってました。
子供が3人並んで、海に乗り出して寝そべってるから何をしてるのかと思ったら、魚釣りしてるんです。
こんな所で魚が連れる訳は無いがなぁ?と見れば水も見違えるほど綺麗になって、これなら魚が居てても不思議は無いね。
不思議は無いけど釣れんのですよ。

釣り見物というのは、諦めて見物を止めた途端に釣れたりしたら悔しいと思うから、中々踏ん切りが付かんのですね。
一匹でも釣れたら見てる方も嬉しいねんけどなぁ!とボケ~ッと子供達越しにジャンクを眺めてたら、この上もなくのどかな気分です。
航空運賃を考えたら、ここに居るだけでも、1時間あたり1,000円以上掛かってるんやけど、そんなセコイ事はこの際忘れて、のんびりと過す時間は最高の贅沢ですなぁ。

背後に人の気配がすると思ったら、何処から降って湧いたか、例の黒色のパジャマ見たいなんを着た、干物みたいな婆さんが何か言うてるんです。
言葉が皆目聞き取られへん、廣東語とちょっと違うような気がするなぁ、潮州語か?・・。
身振り手振りから判断すると、どうやら「舟に乗れ」と客引きに来たみたい。
こんな母親みたいな歳の婆さんに舟を漕がして、途中で「しんどいから代わって漕いでくれ」と言われでもしたら目も当てられん。
櫓なら子供の頃にオヤジに厭と言うほど仕込まれたし、20過ぎまで時々伝馬船を漕ぐ事も有ったので何とかなるでしょうが、このあたりの小船は突っ立ったまま、オールを前へ押して漕ぐんですよ。

それに、どのみち湾内をウロウロするだけで、それなら、ここから見てるほうがどれだけ安心か知れん。
「要らん!」いうたら以外にアッサリ諦めて、クチャクチャの袋から取り出したタバコを咥えて、今度は「火を貸してくれ」という身振り。
火を着けてやると、隣に座ってタバコを吸い出した。
暇つぶしに駄目元で言うて見ただけみたいですなぁ。
釣りをしている子供と日本人の中年アベック+干物婆さん。
もう二度とこの6人が一同に会する事は無いやろうなぁ・・。
昼前という事も有るのか、ほんまに人気(ヒトケ)が少ないし静かで勘が狂うてしまいましたわ。

さてと、銅鑼灣へ出て昼飯にするか。

2004/02/29

喜愛香港-036 戎克(ジャンク)-01 

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