今回のウィーン・フィルの演奏会の何が一番楽しみかって、
それは今日の後半の、ワーグナープログラム。
しかも、メトがちょうどマイスタージンガーを演奏していることもあって、
ウィーンはどのようにやっつけてくださるのか、興味深いところ。
あと、面白かったのはお客さんの違い。
前回の公演のときは、なんともいえない客層で、
これがクラシックおたくというものかしら?と、自分のことをさておいて、
思ったものですが、
(どのようになんともいえないか、説明せよ、と言われると困るのですが、
まず年齢層がかなり高く、というか、ほとんどおじいさん、おばあさんばかりで、
きっとお金はたくさん持ってるんだろうけれど、ファッションセンスが独自でいらっしゃる。。
また、相当数、オーストリア出身の方が混じっていると見た。)
それに引き換え、今日は、相当オペラファンが混在していると思われ、
メトの聴衆に近い感じ。なんか、ほっとしました。
シューマンの終わり近くで、近くのボックスにて、
気を失った方が発生。
どうやら、空気が悪かったのと、脱水症状を起こされたよう。
公演前はちゃんと食べて、かつ、水分もとりましょう。
そんなわけで、すっかり聴衆がそちらに気を取られている間、
どんどん曲は盛り上がり、
皆が落ち着いたころには曲が終わってしまってました。なんてこと。。
休憩をはさんで、いよいよタンホイザー序曲。
あれ?まじですか?なんか、集中力散漫な演奏。
ホルンだったと思いますが、ミス数回。
どうした?!天下のウィーン・フィル。
いえ、ホルンだけではなく、なんだか全体的に集中力を欠いた演奏。
ミスはまだよいとしても(ないにこしたことはないですが)、
何よりもやる気がないというのはどういうことよ!!
そして、神々の黄昏。
はい、これも、そのままやる気なしで、行くのですね。。。
これは、初めて、ウィーン歌劇場でサロメを聞いたときの記憶がよみがえってまいりました。
あのときも、金管ミス多し、やる気なし!で、
ウィーンってこうなの?とびっくりしたものです。
このままフェラーリ、全速で走ることなく終わってしまうのかしら?
と思っていると、
なんと、観客に拍手させず、いきなりマイスタージンガー序曲に突入したのですが、
これがよい!!
突然、交通渋滞があけて、フェラーリが爆音をたてて疾走!!
先ほどのやる気のなさが嘘のよう。
メトのこの間の公演で、崩壊寸前に陥った箇所は、
全ての楽器が最高の状態で鳴ると、このように聞こえるのか!というすばらしさ。
まるで全部のパートが突然意思を持ってなり始めたというか。。
祝祭的な雰囲気、興奮状態を生み出しつつも、決して崩壊、混沌とならず、
最後のところで踏みとどまっているのがなんとも。
フェラーリ、最後の最後で、やっと、”らしい”演奏を聞かせてくれました。
しかし、これで終わらなかった。
アンコール一曲目のシベリウスが終わると、
(弦楽器、さすがですが、もっと、他のパートも聞かせてよー!!)、
なんと、アンコール二曲目は、Unter Donner und Blitz(Thunder and Lightning Polka)。
ぎゃーっ!オペラファンにはたまらん選曲!!
なぜならば、メトでは、”こうもり”の上演の際に、
ダンスのシーンとして、この曲を挿入して演奏する習慣があるからなのです。
(どうやらこれはオプショナルorメトの勝手な慣わしなようで、私が持っている他のオペラハウスによる全曲盤には入っていませんでした。)
しかも、これが、もう、観客全員開いた口がふさがらないすばらしさ。
規定のプログラムを弾いているときのしかつめらしい顔とうってかわって、
オケの人たちがホント楽しそうに、いきいきと弾いているのがまたよい!
シュトラウスで我々よりうまく演奏できるオケがあってたまるか!とでもいうような、
いい意味での自信がみなぎってました。
それにしても、これは目の前で、ばんばんスケートの4回転(半?)を決められたような感じ。
スピーディーで、粋で、生き生きしていて、でもちょっとうさんくさい雰囲気もあり。。
つい、こうもりからのシーンが目に浮かんでしまいました。
ウィーンらしさ、というか、この粋な感じは、やはり他のオケが逆立ちしても難しい。
やはり、その土地の空気とかそこで育ったという事実は、あなどれないのでした。
大興奮の観衆を前に、バレンボイムがひとしきり礼をしたあと、
例の頑固者のコンマスの手を無理やり取って立たせて、
貢献振りをたたえたものの、
ぶすっとして、笑みひとつこぼさず、礼ひとつしなかったのが、
また、”らしく”て笑えました。
Schumann: Symphony No. 4 in D Minor, Op. 120
Wagner: Overture to Tannhauser
Wagner: From Gotterdammerung - Dawn and Siegfried's Rhine Journey; Siegfried's Funeral Music
Wagner: Prelude to Die Meistersinger von Nurnberg
Sibelius: Valse Triste
J. Strauss: Unter Donner und Blitz (Thunder and Lightning Polka Op. 324)
Conductor: Daniel Barenboim
Tier Box 41 Mid
Carnegie Hall Stern Auditorium
***ウィーン・フィル Vienna Philharmonic Orchestra***
それは今日の後半の、ワーグナープログラム。
しかも、メトがちょうどマイスタージンガーを演奏していることもあって、
ウィーンはどのようにやっつけてくださるのか、興味深いところ。
あと、面白かったのはお客さんの違い。
前回の公演のときは、なんともいえない客層で、
これがクラシックおたくというものかしら?と、自分のことをさておいて、
思ったものですが、
(どのようになんともいえないか、説明せよ、と言われると困るのですが、
まず年齢層がかなり高く、というか、ほとんどおじいさん、おばあさんばかりで、
きっとお金はたくさん持ってるんだろうけれど、ファッションセンスが独自でいらっしゃる。。
また、相当数、オーストリア出身の方が混じっていると見た。)
それに引き換え、今日は、相当オペラファンが混在していると思われ、
メトの聴衆に近い感じ。なんか、ほっとしました。
シューマンの終わり近くで、近くのボックスにて、
気を失った方が発生。
どうやら、空気が悪かったのと、脱水症状を起こされたよう。
公演前はちゃんと食べて、かつ、水分もとりましょう。
そんなわけで、すっかり聴衆がそちらに気を取られている間、
どんどん曲は盛り上がり、
皆が落ち着いたころには曲が終わってしまってました。なんてこと。。
休憩をはさんで、いよいよタンホイザー序曲。
あれ?まじですか?なんか、集中力散漫な演奏。
ホルンだったと思いますが、ミス数回。
どうした?!天下のウィーン・フィル。
いえ、ホルンだけではなく、なんだか全体的に集中力を欠いた演奏。
ミスはまだよいとしても(ないにこしたことはないですが)、
何よりもやる気がないというのはどういうことよ!!
そして、神々の黄昏。
はい、これも、そのままやる気なしで、行くのですね。。。
これは、初めて、ウィーン歌劇場でサロメを聞いたときの記憶がよみがえってまいりました。
あのときも、金管ミス多し、やる気なし!で、
ウィーンってこうなの?とびっくりしたものです。
このままフェラーリ、全速で走ることなく終わってしまうのかしら?
と思っていると、
なんと、観客に拍手させず、いきなりマイスタージンガー序曲に突入したのですが、
これがよい!!
突然、交通渋滞があけて、フェラーリが爆音をたてて疾走!!
先ほどのやる気のなさが嘘のよう。
メトのこの間の公演で、崩壊寸前に陥った箇所は、
全ての楽器が最高の状態で鳴ると、このように聞こえるのか!というすばらしさ。
まるで全部のパートが突然意思を持ってなり始めたというか。。
祝祭的な雰囲気、興奮状態を生み出しつつも、決して崩壊、混沌とならず、
最後のところで踏みとどまっているのがなんとも。
フェラーリ、最後の最後で、やっと、”らしい”演奏を聞かせてくれました。
しかし、これで終わらなかった。
アンコール一曲目のシベリウスが終わると、
(弦楽器、さすがですが、もっと、他のパートも聞かせてよー!!)、
なんと、アンコール二曲目は、Unter Donner und Blitz(Thunder and Lightning Polka)。
ぎゃーっ!オペラファンにはたまらん選曲!!
なぜならば、メトでは、”こうもり”の上演の際に、
ダンスのシーンとして、この曲を挿入して演奏する習慣があるからなのです。
(どうやらこれはオプショナルorメトの勝手な慣わしなようで、私が持っている他のオペラハウスによる全曲盤には入っていませんでした。)
しかも、これが、もう、観客全員開いた口がふさがらないすばらしさ。
規定のプログラムを弾いているときのしかつめらしい顔とうってかわって、
オケの人たちがホント楽しそうに、いきいきと弾いているのがまたよい!
シュトラウスで我々よりうまく演奏できるオケがあってたまるか!とでもいうような、
いい意味での自信がみなぎってました。
それにしても、これは目の前で、ばんばんスケートの4回転(半?)を決められたような感じ。
スピーディーで、粋で、生き生きしていて、でもちょっとうさんくさい雰囲気もあり。。
つい、こうもりからのシーンが目に浮かんでしまいました。
ウィーンらしさ、というか、この粋な感じは、やはり他のオケが逆立ちしても難しい。
やはり、その土地の空気とかそこで育ったという事実は、あなどれないのでした。
大興奮の観衆を前に、バレンボイムがひとしきり礼をしたあと、
例の頑固者のコンマスの手を無理やり取って立たせて、
貢献振りをたたえたものの、
ぶすっとして、笑みひとつこぼさず、礼ひとつしなかったのが、
また、”らしく”て笑えました。
Schumann: Symphony No. 4 in D Minor, Op. 120
Wagner: Overture to Tannhauser
Wagner: From Gotterdammerung - Dawn and Siegfried's Rhine Journey; Siegfried's Funeral Music
Wagner: Prelude to Die Meistersinger von Nurnberg
Sibelius: Valse Triste
J. Strauss: Unter Donner und Blitz (Thunder and Lightning Polka Op. 324)
Conductor: Daniel Barenboim
Tier Box 41 Mid
Carnegie Hall Stern Auditorium
***ウィーン・フィル Vienna Philharmonic Orchestra***
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