Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

MET ORCHESTRA CONCERT (Sun, Jan 25, 2009)

2009-01-25 | 演奏会・リサイタル
10月に続き、今シーズン二度目のカーネギー・ホールでのメト・オケ・コンサート。
以前どこかにも書きましたが、このコンサート・シリーズは、
脈絡のないちゃんこ鍋形式のプログラムが特徴で、大体、以下の三つを含む構成で成っています。

1) ソロのゲスト・アーティストとのコラボ演奏
2) わりと一般に良く知られている、普段交響楽団系が演奏するピース
3) レヴァインの趣味全開の作品

今日のコンサートも全くその王道を行くプログラム。
ピアノやヴァイオリンといった楽器のソリストの場合ももちろん楽しみなんですが、
やはり私はオペラヘッドであるので、個人的には、ゲスト・アーティストが声楽の人だと、
うきうき度が倍加します。
しかも、そのゲストがジョイス・ディドナートだった日には!!

私が彼女に完全にノック・アウトされたのは、忘れもしない2007年のタッカー・ガラ
予定されていたスーザン・グラハムが、なんと本番前日に行われた
リハーサル中に出演の取りやめを発表。
(指揮者アッシャー・フィッシュとの音楽性の不一致が理由とも言われているそうです。)
途方にくれたタッカー・ファンデーションが、だめもと!と、
わらにもすがる思いでコンタクトしたのが、2002年にタッカー賞を受賞しているディドナートですが、
彼女は電話を受けたとき、スイスの歌劇場のオペラの全幕公演の日程の真っ最中でした。
しかし、彼女は快くこの依頼を引き受け、なんとガラ当日の朝の飛行機でNY入り、
ガラが終わった後はすぐにまた夜のフライトでスイスにトンボ返り、という離れ業。
グラハムが出場しないと聞いて失望したガラの観客も、
代わりに歌うのがディドナートと発表された途端、大喜び。
そして、ロッシーニ、シュトラウス、モーツァルトからの独唱および重唱で聴いた
彼女の観客の心を明るくするそのポジティブ・オーラ溢れる歌唱に、
私は下手なマッサージやカウンセリングより彼女の歌の方が疲れた心に効く!との確信を深めたのでした。

残念ながら彼女は今シーズン、メトの公演にはキャスティングされていないので、
(ガランチャも好きですが、今年の『チェネレントラ』はディドナートでも聴きたかった!)
これが唯一彼女の歌を聴けるチャンス!
癒しのシャワーを浴びる気満々で、カーネギー・ホールに到着です。

まず、その彼女の歌唱で、モーツァルトのコンサート用アリア、
”Ch'io mi scordi di te ... Non temer, amato bene"
(”私にあなたのことを忘れろと?~恐れるでない、愛する人よ”という意味です。)を。

これ、とってもいい曲なので、プレイビルに掲載されていた曲の背景も少し紹介すると、
ウィーンにあったイタリア・オペラを公演するカンパニーに、
アン・セリナ・ストレース(ストラース?)という人気ソプラノがいて、
モーツァルトの『フィガロの結婚』のスザンナは、彼女を念頭に置いて書かれた曲です
(初演で同役を歌ったのも彼女)。
ウィーンでは、コミカルな役といえば彼女!というほど人気があったらしく、
彼女の公演を見たハンガリーの詩人、フランツ・カジンツィが、
”美しい歌手、ストレースは、目、耳、魂すべてを魅了した。”と語っていることから、
今の、歌手は見た目も歌も大事!のトレンドのハシリを行っている人のようです。

1781年のミュンヘンでの公演以来、舞台にかかっていなかった、オペラ『イドメネオ』が
ウィーンで、私的な場(つまりオペラハウスではなく、お金持ちの家)で
再演されることになった際、
クレタの王子イダマンテに扮するテノールが、ヴァイオリンにのせて、
トロイの姫イリアに、今でも愛している、と歌うシーンを付け加えました。

この部分のヴァイオリンをピアノに換え、一部の手直しを含め、
モーツァルトがストレースのために書き直したのが、
現在K505として演奏されているこの”Non temer, amato bene”です。

はっきりした書面による証拠はありませんが、一般には、ストレースの
ウィーンでの引退演奏会の場で、二人によって演奏された、と信じられており、
また、二人が恋仲にあった、と主張する学者もいます。

オケはクラリネット、バスーン、ホルン各2に弦楽器という編成で、
ここにピアノ、そして歌がのるという、ちょっとユニークな組み合わせなのですが、
これが本当に良く出来ていて、オケ、ピアノ、歌それぞれの良いところが
ぴたーっと組み合わさって音楽が紡がれる様に、モーツァルトのすごさを感じる作品です。

私はシュワルツコップが歌い、ブレンデルがピアノを弾く盤を、
通勤電車で繰り返し聴く予習(名づけて千本ノック)のための演奏に選びましたが、
この演奏はシュワルツコップと同様、もしかしたらそれ以上に、
ブレンデルのピアノが魅力的かもしれません。
特に歌とピアノが怒涛のように絡み合っていくエンディングはどきどきします。
プライムをとうに過ぎていると思われるシュワルツコップなので、声の美しさは
若い頃には叶いませんが、ここでピアノの熱気に感化されるように、
死に物狂いでついていく様子がとても格好いいです。

というわけで、ピアノの出来が歌と同様に大事なこの作品ですが、
今日の公演、ウォリネンをピーター・ゼルキン(ルドルフの息子さんです)が弾くことになっているので、
彼がかけもちするのかな?と思っていました。
しかし、会場に到着すると、ピアノがオケに対面するようにセットされています。
普通、ピアノは横向けに舞台に置かれるので何事?!と思えば、
なんと、レヴァインが自らピアノを!!!指揮しながらですよ、それも。これは楽しいです。

ディドナートの歌は、この作品をあくまで優しく歌い上げていたのが印象的でした。
シュワルツコップの盤が、”僕の心は変わらないぞ!!”と、
愛する人への気持ちを訴えているうちに、最後にはその熱情が
爆発してしまうような感じがするのに対し、
ディドナートは、”どうしてわかってくれないの?”と、半べそすらかきながら、
一生懸命愛する彼女を説得するような感じ、とでもいいましょうか。
(歌詞に、君をあきらめて、他の女性に目を向けろというのかい?という部分があり、
表向きには男性が女性に語っている歌になっています。
それがなぜかは、すでにこの曲の成り立ちで説明したとおりです。)

レヴァインのピアノの腕前には定評があり、伴奏も上手いのですが
(以前、ビヴァリー・シルズの追悼会で、ドミンゴの歌のピアノ伴奏もつとめました。)
この作品のピアノは伴奏以上の、作品の主役の片割れでもあるので、
それにしてはややバニラで、個性がなかったかな、と思います。
ゲストのディドナートをたてようとしたのかも知れないですが、
そのアプローチは当アリアには効果的でないと思います。

ピアノが横に向きなおされ、指揮台の上に椅子が置かれた後(レヴァインは近頃では
常に座って指揮してます。)、
世界初演になるウォリネンのピアノとオーケストラのための幻想曲”Time Regained"の演奏。
マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』(Time Regainedは同小説の英題)を
想定して書かれた作品です。
私を含む、現代音楽に疎い方のために、プレイビルから簡単にウォリネンのことを紹介すると、
1938年生まれの作曲家で、その作風は”マクシマリスト”(ミニマリストの逆)と評され、
リリカルで表現に富み、極めてドラマティックで、にぎやかさに溢れているといわれるそうです。
作曲する曲のタイプも多岐にわたっており、オケ、室内楽、独奏用の作品、
バレエ音楽、舞台音楽、といった具合です。

Time Regainedは、木管、金管、打楽器、弦セクションというフルの編成に、
ピアノのソロが加わります。ピアノは、先に書いたとおり、ピーター・ゼルキン。



いきなり、ゴーンというどらのような音が響く。現代音楽って、こういう楽器を使うの、
本当に好きですよね。もう飽きました。
多分、これまでにメト・オケ・コンサートで聴いた第三のカテゴリー(レヴァインの趣味全開の作品群)
の曲と並べて聴かされたら、どれがどれだかわからないくらいです。

と言っているうちに、ピアノが入る、そしてそこにかぶさるようにして他の楽器が鳴る。
ん?ピアノの音が全部消えちゃったんですけど、、?
一生懸命弾いているゼルキンの横顔が悲しい。
そして、これが何度も何度も違う楽器を相手に続く。
いや、ゼルキンが悪いんではなく、これは作曲した側の問題です。
先の”Non temer, amato bene”で、重なって、もつれたかと思うと離れ、、という
モーツァルトの手による、楽器と声の絢という面では最上の音楽を聴いたのと実に対照的に、
なんでわざわざ、ピアノと全く同じタイミングで、ピアノをかき消すような響きの
楽器の音を置くんだ、、?と私は非常にいらいらしてきました。
それともこれが狙いなのか、、?
こんななら、ピアノはいなくてもいいんじゃないか?と思えてくるほどです。

そして、ずーっとこの音楽を聴いているうちに、何かに似てるな、、と思えば、
それはNHKの大河ドラマのテーマ音楽でした。『篤姫』でもどれでもいいですが、
大河ドラマのテーマに共通する点は、躁的なまでにオケのあらゆる楽器を使いたがる
その態度です。
NHK交響楽団にせっかく演奏してもらっているんだから、全部の楽器に演奏してもらわないと、、
とオーケストレーションを書いた人が思っているかのような、てんこ盛り。
しかし、そこには、なぜ、その楽器がその特定の旋律を演奏しなければいけないのか、という
理念とか考えというものが全く感じられない。
全く同じ印象を、Time Regainedに持ちました。
メト・オケに演奏してもらえるから、ぜーんぶ楽器いれちゃえー、きゃほーっ!
、、、
しかし、NHK大河ドラマのテーマなら、曲が短いので、
ものの一、二分ほどで、その拷問から逃れることが出来ます。
でも、このTime Regainedは演奏時間、30分。
まさに、延々と続く大河ドラマのテーマ!!!
居眠りできればどれだけよいか、と思うのですが、私はこの数日前に腰を寝違え、
苦痛に耐えながらの鑑賞で、寝るに寝れない!まさに拷問!!!
誰か、木槌で私の頭を叩いて失神させて!!!
二度と私の人生にあらわれる必要のない一曲です。

インターミッションでぺらぺらプレイビルをめくっていると、
”Meet the Artist(アーティストに会おう!)”というイベント告知の紙が
あらわれました。
見ると、ディドナートがこの演奏会の後に、最近発売されたばかりの、
ヘンデルのアリア集『フローレ』のプロモをかねて、サイン会をするというではありませんか!
おお!!!このCD、買おうと思っていたのです!!
しかし、最近我慢のない私は長時間並ぶということが死ぬほど嫌い。
場所次第だな、、と思ってみると、なんと同じフロアの、
私の座っているボックスから出たすぐのスペースではないですか!
これは行く!!テンションがあがってきました。

後半は再びディドナートが登場し、ロッシーニの”La Regata Veneziana"をオケの伴奏で。
日本語では” ヴェネツィアの競漕”って言うんですね。こんな熟語、生まれて初めて使いました。
何を歌っているかと思えば、ようはレガッタの歌なんですね。
ボートを漕げ!!モモロ(という人が漕いでいるらしい、、)
ぼけっと座ってんじゃねえよ!固まってんじゃねえよ!
しっかり漕いで、風みたいに飛べ!というような歌詞に乗って歌われる三曲のセット品です。
モモロがその人のために全力でレースに勝とうとしている、
じっと見守る誰かからの視線で歌われるのですが、それが男か女かは不明です。
さらりと聴くと、他愛のない、なんじゃそりゃ?な歌詞に聴こえるのですが、
よーく歌詞を読んでみると、”彼女が君が勝者であることを告げた”、
その彼女とやらに対し、そっと影から見守るモモロに片思いな女性の歌ともとれるし、
兄貴を慕う弟分(いや、それ以上の恋慕でも構いません)風に元気に歌ってもよし、
単純な歌詞ながら、いろんな物語の作り方ができる作品です。
こちらの作品の千本ノックは、バルトリの盤。
とにかく元気いっぱいで、木をぱきぱきと折るような感じの歌で、
私は弟系に聴こえるのですが、どうでしょう?

一方、ディドナートの歌は、バルトリに比べると、円くて女性的な感じがする歌です。
もう少し言葉に歯切れの良さを加えてもいいかもしれません。
全部で10分弱の曲なんですが、結構消耗するのか、3/4あたりの地点で少し疲れたかな?
という感じもしました。



しかし、観客の大のお気に入りであるディドナートをそう簡単に手放すわけはないのです。
止まない拍手にアンコールのサービス。
ああ!『チェネレントラ』のアリア "Non piu mesta もう火のそばで寂しく”です!
(前にあるシェーナと合わせて、”悲しみと涙のうちに生まれ”と呼ばれて
歌われることが多い場面の、アリアの部分だけを独立させて歌っているものです。)

これはCDにもなっている、ウィグモア・ホールのリサイタルでもアンコール・ピースとして歌っていますし、
つい最近NYで歌ったときも、この曲がアンコールだったようです。
ガランチャを呼んで、私を呼ばないとメトは後悔するわよ!というメッセージかしら。
チェネレントラ(シンデレラ)のイメージは、彼女にぴったりなので、
私もメトで彼女の同役を聴きたいです。
彼女は機械みたいな正確な技巧ではなくて、声の音色そのものとか、
技巧を越えた部分で出す役の空気みたいなところに強さがある人だと思います。
つまり、何を歌っても人間らしさを感じる人。
これが彼女の歌を聴くと温かい感じに包まれる理由だなあ、という気がします。
最後の高音はすごかった。
あの高音を伸ばしつつ、そこから音を大きくしていくんですが、
裾野が広がったところから一点にエネルギーが収束していく感じが、
その声で伝わってくるのです。
砂が魔法のように集まって、先のとがった棒のようになる感じとでもいえばいいでしょうか。
それが、観客一人一人のいるところまで飛んでくるというか、、。
そのパワーはユリ・ゲラーのようです、冗談じゃなく、本当に。
実際、私と同じボックスに座っていたおばさまは、その音の途中で、
眩暈を誘うような響きに耐えられなくなって、
暴風で頭が吹き飛ばされるように、後ろに頭がのけぞりましたから。
(映画『ファリネッリ』のファリネッリの歌唱シーンでも、この感覚に似た現象が
表現されていました。映画でのそのシーンは残念ながら、あらゆる人工的な技術のたまものでしたが、、。)
音でエネルギーを作るディドナート、すごいです。観客も大喜び。

最後は、メンデルスゾーンの交響曲第四番『イタリア』。
告白すると、予習時から、綺麗な旋律だとは思うけれど、あまり心に訴えかけてこなくて、苦手でした。
しかし、ウォリネンの大河ドラマのテーマによる拷問のあとでは、一服の清涼剤。
実にするすると、体に入ってくる。ミネラル・ウォーターのように、、。
そう、まさに、ワインやコーヒーでも、コーラでもない、ミネラル・ウォーターという
表現がぴったりです。
きれいな曲だな、と思う意外、あまり感じることがないニュートラルさといい、、。
ただ、オケの持ち味との相性は悪くなくて、ぽけーっと聴いている分には全編楽しめました。
(ぽけーっと聴かずにこう聴け!というご指南のある方は、コメント大歓迎です。)

さて、コンサートの後は、”ディドナートに会おう”に参加するため、
会場に向かうと、二番のり。(しかし、あっという間に後ろには長蛇の列。)
レジで購入した『フローレ』を握り締め、一番のりしたおじさんの後ろに並ぶと、
すぐ側にちょこんと座っている可愛らしいディドナートのそばにあらわれたのは、
バス・バリトンのトーマス・クバストホフ。
ディドナートに”よかったよ!”と声をかけるクバストホフにがっちりとハグ返しをするディドナート。
プレス担当の人が二人の写真を納めて、やっとまわりをずらっと囲んだ係員から、
おじさんがディドナートの前に歩みでることを許されました。
サインをもらい二言、三言交わして立ち去るおじさん。
いよいよ、私の番だわ!と右足を踏み出そうとしたら、係員の”ちょっと待ったあ!”の合図。
見ると、マリリン・ホーンがディドナートの健闘をたたえにあらわれました。
マリリン・ホーンに、”あんた、横入りしないでよ!”とはさすがに言えない。
ディドナートはその間、こちらをちらちら気遣いながら、私達に申し訳なさそうな様子。
彼女だって、マリリン・ホーンを無碍にはできないし、お気の毒でした。

彼女が立ち去って、いよいよ、ジョイスのポジティブ・パワーを至近距離で浴びれる時が来た!と、
興奮状態に陥りそうになったところに、再び、彼女のお知り合いが登場。
こんなに焦らすなんて、神様の意地悪ぅ!と思ったところに、
”本当にお待たせしてごめんなさいね。”というジョイスの声が!!!
うおーーーーっ!私の番が来たーっ!!!

ああ、直に見ても、まったく舞台そのままの温かい人柄を感じます。
しかも、舞台で見るより一層華奢でかわいい。
舞台で着ていた素敵なシャンパン・ゴールドのドレスから着替えた
カジュアルなお洋服も似合っているし、もう、素敵すぎます。

サインペンで、すらすらっと、Forと書き出し、”お名前は何ていうの?”
名前入りでサインですか?!もうすんごく嬉しいっす!
”Madokakip(実際には、下の名前の実名で)です。”というと、
”M-a-d-、、、”と言いながら、一発で正しく筆記。
私の名前を発音からすぐにアルファベット表記に正しく換えられるアメリカ人は、
実はとても少なく、一字ずつ綴ってあげるのが日常茶飯事なんですが、
やはり彼女のような優れたオペラ歌手は言語感覚が優れているのに違いありません。

サインを続ける彼女に、”実は私、日本語でオペラブログを書いているんですが、
私はもちろんのこと、読んでくださっている方の中に
あなたの歌が大好き!という方がたくさんいらっしゃいまして、
今日のことを書いたら、みなさん、きっと喜ばれると思います。”というと、
”本当にー?!”とすごく嬉しそうな表情をした後、皆さんに”arigatougozaimasu"との
言葉をいただきました。直メッセージです!日本語です!!

そして、その後に、ジョイス嬢が、
”わたしもブログ書いてるのよ。リンクしあいましょうよ!”
とマウスでクリックする仕草。
えええええっっ!!!ま、まじでーっ?!
光栄過ぎるんですけど!!リンクしたい、リンクしたい!!
”もうぜひ!”と答えた後は、興奮のあまり、
またメトかリサイタルでお会いできるのを楽しみにしてます。”と伝えるのがやっとでした。

しかし、家路についてふと思い返してみれば、ゲルブ氏の経営方針に疑問を投げかけ、
彼女についてはいつもポジティブとはいえ(それは本当に彼女の歌がいいと思うからだけれども。)、
彼女の同僚、いやもしかすると同じ舞台に立っているかもしれない歌手たちを、
場合によっては滅多切りにしているかもしれないこのブログ、、。
こんなブログにリンクしたおかげで、彼女が仕事をしにくくなったら大変。

しまった、、普段から好き放題にやりすぎた。

というわけで、残念ながら、自分の書きたいことを書く権利と引き換えに、
ジョイス嬢のブログにリンクさせていただくという夢のようなお話は、ありがたく
心にとどめておくだけにしておきます。

ちなみに彼女のブログは、彼女のオフィシャル・サイトでも公表されているので、
ここで紹介することにはなんの問題もないと思いますので、彼女を応援している方
(もちろん、まだ彼女の歌を聴いたことがないという方も)は、
こちらを訪問してみてください。
1/27のポスティングに、レヴァイン、ホーン、クバストホフと一緒に写った
この日の彼女の写真が出ています。
リンクされているサイトの中には、ヘッズの間では有名なブログなどもちらほら見られます。

彼女の温かい歌と人柄に、舞台と直の両方で触れられて、とてもハッピーな一日でした。
サイン入りの『フローレ』が、我が家を今、太陽のように照らしております。


The MET Orchestra
James Levine, Music Director and Conductor
Joyce DiDonato, Mezzo-Soprano
Peter Serkin, Piano

MOZART "Ch'io mi scordi di te ... Non temer, amato bene," K. 505
CHARLES WUORINEN Time regained, a Fantasy for Piano and Orchestra (World Premiere)
ROSSINI La Regata Veneziana (orch. Gamley)
Encore - ROSSINI "Non piu mesta" from La Cenerentola
MENDELSSOHN Symphony No. 4, "Italian"

Carnegie Hall Stern Auditorium
First Tier Center Left Mid
OFF

*** メトロポリタン・オペラ・オーケストラ ジョイス・ディドナート ピーター・ゼルキン 
MET Orchestra Metropolitan Opera Orchestra Joyce DiDonato Peter Serkin ***

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8 コメント

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ファンで~す (babyfairy)
2009-01-27 01:23:20
はい。ここにもジョイス・ファンが一人おります。
ジョイスは本当に飾り気無くて、分け隔てなく接してくれますよね。もちろん、歌唱も素晴らしいし^^
返信する
もうめちゃくちゃ素敵でした~! (Madokakip)
2009-01-27 16:26:04
 babyfairyさん、

舞台からも気さくな感じが伝わりますが、
あんなにオフ・ステージでも感じの変わらない人も珍しいですよね。
今まで長年、私にとってはフアン・ポンス(!
いかに長い間、バック・ステージで歌手にふれていなかったかがわかるというものですね、、)
が、バックステージの好印象度No1でしたが、
あっけなく彼女に首位が移動しました(笑)。
舞台で見る以上に実物が華奢なのも驚きでした。
素敵すぎました。やられました、いちころに。
返信する
私もファンです。 (ゆみゆみ)
2009-01-27 21:35:48
あ~どうぞ「あなたは誰でも好きなのね」とお思いにならないで下さい。「フィガロ」の映像以来ファンです。
昨年シカゴの「フィガロ」で孤軍奮闘している彼女を拝見しました。本当に色白で歌は上手いし、声も良いし・・。皆風邪でダウンし、代役の代役の若い伯爵を相手に優しく歌っていたお姿に感激しました。マドカキップさんには、何かトッテモ良いことがあったのですね。楽しみにしています。
返信する
全然okではないですか! (Madokakip)
2009-01-28 15:03:26
 ゆみゆみさん、

>あ~どうぞ「あなたは誰でも好きなのね」とお思いにならないで下さい

ええー、なんでですか?思いませんよ、そんなこと!
いいことではないですか!
ゆみゆみさんがメトのロースターにある歌手を全員好きでも、
私には何の問題もございません!!

先ほどやっと『リゴレット』をあげまして、
できれば明日にこの日の感想を上げられたらいいな、と思っています。
お待たせしてすみません
返信する
遅まきながら... (シャンティ)
2009-01-30 08:03:32
マッティのむくんだ顔にショックを受けてお蔵入りさせたNHK放送の”セヴィリア”のdvdを取り出して、ジョイスさんのアリアを見ました。(メゾにはうとい私ですが) すごい~!来日することがあったら、聴きたいですね。

>最後の高音はすごかった...

至福の時を過ごされたのですね。こればかりは”生”でないと感動できないと思います。

ブログで見た私服姿がとってもかわいらしかったです。

返信する
むくみ顔はお蔵への入り口 (Madokakip)
2009-01-30 15:21:17
 シャンティさん、

>マッティのむくんだ顔にショックを受けてお蔵入りさせた

あはははは、そんなことが(笑)。
私も正直、フィガロには、ちょっと体がでかすぎるのが、
違和感ありました。
なんでだろう?ヌッチの影響かな?
フィガロはちょこまかしているイメージがあるんですよね。

私は、大馬鹿もので、実は、そのセビリヤ、
ディドナートのロジーナは生を見逃しているんですよ。
Aキャストのダムローの方を見た後、
そのままどたばたしてしまって
ディドナートのロジーナを見逃したとは、
何度我が身を呪っても呪い切れません。

もう至福でしたよー。
日曜から続いていたそんな幸せな気分が、
今日のルチアでずたずたにされるとは、、。

もう一回彼女のブログに行って癒されてから寝ることにします。
返信する
CD買いました (babyfairy)
2009-01-30 20:12:34
昨日ネットで、ジョイスのディスクを注文しました(アイルランドのレコード屋はクラシックに関しては全然ダメなので)。

彼女はフローレスを追っかけてボローニャ、メト、それからバルセロナで、彼女のロジーナとアンジェリーナを聴きましたが彼女もいつも良かったです。

下記はバルセロナのチェネレントラ公演の後に一緒に撮らせてもらった写真です。この時は30分位おしゃべりしたんですよ。。。。
http://i358.photobucket.com/albums/oo23/babyfairy/n674834520_1203357_6068.jpg
返信する
実はNYも (Madokakip)
2009-02-01 09:48:03
 babyfairyさん、

すごーい、30分も?!羨ましいーっ!!
しかもお写真まで、、。
このサイン会は、なぜか、写真撮影不可だったんですよ。
彼女は気にしなさそうなんですが、
ある女性が彼女にカメラを向けて、警備員に
叱られてました。

>アイルランドのレコード屋はクラシックに関しては全然ダメなので

それは今やNYも似たような感じなんですよ。
ネット販売が席巻しているせいで。
唯一、J&Rという店が気を吐いていて、
海賊盤なども含めて、なかなかの在庫量を誇っているんですが、
いつつぶれてもおかしくないような寂れた雰囲気と、
場末のバーにたむろっているようなしけた感じの年老いた店員に、
行く度に、こちらまで生きる張りがなくなるような気がする場所です。
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