Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

VIENNA PHILHARMONIC ORCHESTRA (Sun, Jan 17, 2010)

2010-01-17 | 演奏会・リサイタル
ヨーロッパのメジャー・オケの中でも、渡り鳥のごとく、毎年決まった頃にNYを訪れて、
しかもそれがいつも人気の公演になるという点では、ウィーン・フィルに勝るものなし。
というわけで、今年もまた渡り鳥飛来!です。

以前、どこかの記事で書いたと思うのですが、同一オケが複数の日にちにわたって演奏する場合、
歌ものが含まれているか、オペラ作品からの抜粋が含まれている公演を選ぶ、というのを掟にしている私ですので、
それで行くと、普通なら、トリスタンとイゾルデ』の前奏曲と”愛の死”がプログラムに入っている
15日の初日を選んでいるはずなのに、その日を外してなぜか、今日の公演のチケットしか手配していませんでした。

チケットは、カーネギー・ホールの公演も、ほとんどシーズン前に購入しているので、
記憶力の低下著しい昨今、もはやはっきりした理由が思い出せないのですが、
一つ考えられるとすれば、一部に熱烈な信奉者を持っているように見受けられるバレンボイムの指揮するワーグナー、
これに私がどういうわけだか熱くなれない、ということを、昨シーズンのメトの公演で学習したからかもしれません。

しかし、その15日を選ばず、今日の演奏会を選んだおかげで、面白いことになりました。
というのは、今日のメインはベートーベンの5番、そして、丁度一週間後のメト・オケの演奏会のメインもベートーベン5番。
こんなに近い日にちで聴き比べることになるとは、まさに”運命の対決”です。

メト・オケとの絡みで言うと、今日のウィーン・フィルのプログラムには、
それこそ、レヴァインが選びそうな作品が二つも入っています。
『運命』を聴きたければ、この拷問を通過しな!ってか?

開演前にラウンジで同じテーブルになった年配の女性とおしゃべり。
カーネギー・ホールには良くいらっしゃるの?とお聞きになるので、
”いえ、ほとんどメトばかりで、その合間に時々しか、、。”と言うと、
”メト・オケもいいオーケストラだけれども、ウィーン・フィルのようなオーケストラはこの世に他にはないわ。
あのサウンドを出せるオーケストラは彼らだけ!
もう毎年彼らがNYに来るのが楽しみで楽しみで!”という、筋金入りのウィーン・フィル・ファン。
とても、”でも彼らって時々演奏から傲慢な感じが滲み出ませんか?”とは口が裂けてもいえなさそうな雰囲気です。
その女性が言うには、”15日の『田園』とワーグナーは、あなた、素晴らしかったわよ。
それに最後にポルカだったかワルツだったか、アンコールも演奏してくれたのよ!”
むむむ、、、やっぱり公演日を選び間違えたか、、?
オペラに関連ある曲でいい演奏を聴き逃した、と聞くと、とても悔しい。

”あら、でも、確か、来週はメト・オケもベートーベンの5番を演奏するんじゃない?”
なにげにウィーン・フィル以外のオケについても詳しいおば様なのでした。
”そうなんですよ。だから5番はとても楽しみで。”と言うと、突然おば様が溜息。
”なんだけど、5番に行くまでの前半がヤよね。シェーンベルクはまだいいとしてもウェーベルン、、。おえっ。”
あはは、気持ちわかる。でも、”あれ?ウェーベルンなんて、ありましたっけ?”
で、急いでプレイビルをチェックしたおば様が、”あら、ごめんなさい。ブーレーズ、ブーレーズ!
本当にこれなら前半飛ばして後半に合わせて来ても良かったわね。雨も降ってるし。”
そうそう、興味がなけりゃ、シェーンベルクもウェーベルンもブーレーズも似たようなもんです。
作品名に、”5つの~”とか、”6つの~”とか、やたら数字がつくところも何か腹立つんですよね。
そんな名前じゃ、覚えられないでしょうが!っていう、、。

そんな、シェーンベルクの”5つの管弦楽曲”から、今日の公演はスタートです。
ウィーン・フィルは毎年連れてくる指揮者が違っているのが楽しみの一つでもあるんですが、
段々順にさかのぼっていくと、去年がメータ、その前がゲルギエフ、そしてその前が今年と同じバレンボイムでした。
(今年はバレンボイムがピアノを弾く公演日があって、その日だけは指揮がブーレーズでしたが。)
その3年前の演奏会では、バレンボイムが体調悪そうな上に、しかもウィーン・フィルがかなり傲慢な感じのする演奏で、
なんと後味の悪い演奏会だろう、、と思った記憶があるんですが、
今日はバレンボイムは元気そうだし、それから何よりオケの雰囲気がその時とは、
いえ、その時だけではなく、その後に続く年の演奏とも、少し違う感じがしました。
で、良く見てみると、コンマスが、いつもの頑固おやじ(ライナー・キュッヒル)じゃない!
これまでたまたまそういうめぐり合わせだったのか、
少なくともこのブログを始めてから聴きに行ったウィーン・フィルの演奏会では、
全てに頑固おやじがいた記憶があるんですが、15日の演奏会のNYタイムズの評でも、
ライナー・ホーネックという別のコンマスの名前が出ているので、
今回のNY公演は、もしかしたら、頑固親父が同行しなかったのかもしれません。

もちろんキュッヒルはただの頑固親父なわけではなく、素晴らしい奏者であり、コンマスだろうとは思うのですが、
私はオケ全体の音色としては、今日聴いたウィーン・フィルが、ここ数年では一番好きです。
特に弦セクションについては、優れたオケの中でもそのさらに上を行っている、という
ウィーン・フィルへの世の中の認識を、初めて実感を伴って感じました。
ウィーン・フィルのヴァイオリン・セクションのボウイングの揃っていることは定評がある(はず)ですが、
正直、そこまですごいかな、、とNY公演では思わされることが多かったんですが、
今日のような演奏をされると、確かにこの弦セクションを超えるのは、
そうやすやすと他のオケに出来ることではないわな、、と思えて来ます。
それから、今日は、弦セクションを中心に、音が真摯になった感じがするのと、
上手いなかに、優しさがあるのもいいな、と思いました。

そんなオケが演奏する作品なんだから、もうちょっと楽しめてもいいと思うんですけれども、
シェーンベルクのこの作品は、私は心で感じることが出来なくて、いらいらしてしまいます。
オケが細部に至るまで丁寧に演奏しているので、色んな楽器が織り成す音色の妙というか、
そういうものの面白さは感じるんですが、なんだかこの作品を聴いていると、
”化学実験”という言葉を思い出します。
好きでない作品をこれ以上分析してみてもしょうがないし、
仮に面白い部分があるとしても、私には見えていないということですから、
マジックのように何もないところから鳩を取り出すような真似はしたくないので、これ以上は何も書きません。

それは、ブーレーズの作品”ノーテーションズ”についても同じです。
というか、この作品は、かなり大きな贅沢な編成のオケで演奏されるんですが、
作品に関しては演奏中にほとんど脳が思考停止を起こすというか、
その点ではシェーンベルクの時よりもひどいのかもしれません。
覚えているのは、最後に演奏されたIIの、打楽器パート(ティンパニも入れると合計9人!)の複雑さと、
それに被ってくる他のセクションのリズムの面白さ、くらいでしょうか。
この先、私の人生で二度と耳にすることがなくても、何ら困らないし悔いもないであろう作品です。
ブーレーズ、すまない。

拷問の後にたどり着いた『運命』。

私がメトでのバレンボイムの『トリスタン』を好きになれなかった理由というのは、
”ものすごくそこに近いのに、微妙にそこではない”感じがするからなんですが、
それについては、メトのオケが彼の要求に答え切れなかったのかな、という
可能性を完全に排除することがこれまで出来ませんでした。

けれども、私は今日の『運命』にも、すごくそれと似た印象を持ち、
これはやはりバレンボイムの指揮の特徴なんじゃないかな、と思いはじめています。
彼の指揮は際立ってまずい部分があるわけでもないし、全体としては上手く流れているように聴こえるんですが、
ものすごく精巧に作った人形を見ているような気持ちになります。

例えば、頭の有名な”じゃじゃじゃじゃーん”のフレーズ。
人形っぽくない、本当に熱い演奏というのは、このフレーズが繰り返しで出てくる直前の、
弦の長めの音の音色とか、その後にふっと一瞬出来る無音の部分の緊張感とか、
そういう部分に現れると思うのですが、
バレンボイムの今日の指揮からは、すごく器用で、巧みであるのは間違いないのに、
なぜか、そういう魂の入り方を感じることができないのです。
それは最終楽章でも同じで、本当に何かに突き上げられてそれが爆発するというよりは、
盛り上がるために盛り上がっているような、そんな感覚を持ちます。
彼の指揮からは、いかにその作品”らしく”演奏するか、ということの方が、
これで自分たちは何を表現したいか、ということよりも大切なように感じられるのは、私だけでしょうか?

全体としてはオケの音は真摯でまとまっている、と先に書きましたが、
実は前半から、一つだけ気になっていたセクションがあって、それはホルンです。
弦に負けず劣らずウィーン・フィルらしさを作っているセクションなので、
プライドがあるのはわかりますが、彼らの演奏は自分勝手過ぎます。
上手い演奏が聴ければいい、というタイプの聴衆には何ら問題はないのですが、
オケの一部として音楽を作っていく、ということを重視している聴衆にとっては、
せっかく全体のまとまりとしては良い方向に進んでいるように感じられた今日のオケの中で、
最大の足引っ張り屋となっていたのが彼らでした。

というのも、バレンボイムの指揮を無視するのが一度や二度のことではない。
彼の指示をシカトし、好きに演奏してしまっているのです。
それは、まるで、ウィーン・フィル高校で、バレンボイム先生が、
”じゃ、君、32ページから読んでみてくれる?”とある学生を指して言うと、
この生意気な学生が立ち上がって、わざと、35ページ目から読み始めるのに、
それを制止して、”32ページからと言っただろう?”と言えないで、
バレンボイム先生の方が、あたかも学生が35ページと聞き違えた振りをする芝居に徹して、
何も言わないでい続けているるような、そんな変な居心地の悪さを感じるのです。

でも、3年前の演奏会では、これがホルンだけではなくて、もっとたくさんのセクションに波及していて、
しかたなく頑固親父が、ふがいないバレンボイム先生に代わって、
影番のようにクラスをまとめている、という状態でしたから、
今は他のセクションがまとまっているだけよしとせねばならないのかもしれませんが。

最終楽章でさらに気になったのは、セクションからセクションへ音がバトン・タッチされながら、
音が膨らんでいくはずが、途中で時々、歯をところどころ欠いた櫛のように、
気が”抜ける”感じがする部分があったことです。これは何だろう?と思いながら聴いてました。

良い部分を説明するのは難しくて(良い音楽を言葉で表現するというのは本当に難しいと
ブログを始めてから思います)、逆に気になった部分を書く方は比較的簡単なので、
今回の感想はかなり辛口に写るかもしれませんが、きちんとした水準の演奏であったとは思います。
ここできちんとした、というのはウィーン・フィルとしてきちんとした、という意味なので、
普通で言えば、かなりの高水準です。
ただ、オペラが好きな私は、いえ、そうでなくても多くの人がそうだと思いますが、
シンフォニー系の曲からも、ただ演奏が高水準なだけでなくて、何かを感じさせてくれないと物足りないのです。

最後の拍手の中、ホルンのセクションを立ち上がらせたバレンボイム。
ウィーン・フィルを指揮するということは、一筋縄では行かない、大変なことだ、、と思います。
学生に気を使いまくった後では、当然のことながら、アンコールはなし。


Vienna Philharmonic Orchestra
Daniel Barenboim, Conductor

ARNOLD SCHOENBERG Five Pieces for Orchestra, Op. 16
PIERRE BOULEZ Notations I, VII, IV, III, and II
LUDWIG VAN BEETHOVEN Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67

Carnegie Hall Stern Auditorium
Center Balcony J Odd

*** ウィーン・フィル Vienna Philharmonic Orchestra ***

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35 コメント

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Unknown (NAO@NYC)
2010-01-25 07:09:24
インターミッションを挟んで、前半もしくは後半のどちらか、必ず絶対と言っていい程「オケなり」になってしまうんですよねVPOは。
ゲルギエフであろうがバレンボイであろうが関係ないんですよね彼らにとっては。
もしかしたら契約の中に「うち1曲はオケの好きなようにさせる」というのが有るのかもと思う事さえあったりします。
今回はホーネックさんでしたね。
返信する
素晴らしい渡り鳥の飛来でした (Joe's Shanghai)
2010-01-25 09:58:36
私は、3晩とも聴きに行きました。ここ数年、東京、NYで聴いたウィーン・フィルの
ツアーの中でも、1、2を争う出来だったのではないか、と思っています。Madokakipさんの
コメントの中には、私もぼんやりと感じていたことを、ズバリと書かれている表現が
たくさんあって、教えられることが多く、また、スッキリとさせていただきました。

今回の弦楽セクションが素晴らしかったこと、私も同感です。3晩ともホーネックでした。
奏者も全体に若返り、かなりRefineされたと思いました。バレンボイムのトリスタンに
関する感想も同じで、私も実はMetでの公演が今ひとつピンとこなかった理由が、Metオケの
ほうにあるのではないかと思い、ウィーン・フィルで確かめるのを待っていました。彼の
トリスタンの評価が高いこと、なるほどと思わせる出来でしたが、やはり私の好みでは
ないようです。もっと「きつい」音や「汚い」音を使わないと届かないところがあると
思うのです。感覚的な話で申し訳ないのですが、なにか彼のトリスタンからは、
「制御している」という印象を受けてしまい、没頭することができません。不思議です。
(ちなみに私にとっての最高のトリスタン体験は、いつかお書きになられていた、
アバド/ベルリンが文化会館でやったイースター復活祭の引越公演です。あれは凄かった。)

一方でバレンボイムがベートーヴェンで聴かせる「作り込み」のほうは、私は結構、気に
入っています。この辺も不思議なところですが、「運命」なんか、以前聴いた時と同じ
持っていき方で、こちらのほうは楽しめました。初日の「田園」もたっぷりとした
テンポとウィーン・フィルの美音で聴かせるよい演奏でした。因みにご夫人が話されていた
アンコールは、「雷鳴と電光」でした。

私が今回で最もよかったと思ったのは、行かれていない日の演奏で申し訳ありませんが、
2日目のブーレーズが振ったマーラーでした。特にマーラーの10番のアダージョの
どこまでも透明な音色の統一感は、ちょっと忘れられない経験でした。

ホルン隊については、ちょっと意見が食い違います(笑)。そんなに逆らっていました?
どの辺でそのように感じられたのか、大変に興味があります。よかったら、教えてください。

新ウィーン楽派の作品に関しては、私も決して詳しいわけではないのですが、カラヤンの
残してくれた、びっくりするほど良いディスクのおかげで、好きな曲もいくつかあります。
今回のツアーでは特にウェーベルンが素晴らしい演奏だったと思います。
返信する
オケなり (Madokakip)
2010-01-25 10:57:50
 NAO@NYCさん、

面白い言葉を新しく習うと、すぐに使いたくなります。

”オケなり”

>ゲルギエフであろうがバレンボイであろうが関係ないんですよね彼らにとっては

今(もかつても?)、彼らが黙ってついていくような指揮者は多分いないんじゃないかな、と思いますよね。

>契約の中に「うち1曲はオケの好きなようにさせる」というのが有るのかもと

ははは、”うち一曲は”どころか”最低一曲は”かも知れませんよ!
返信する
VPO祭 (Madokakip)
2010-01-25 12:02:08
 Joe's Shanghaiさん、

おっと!このタイミングでコメントを頂くということは、
もしや、メト・オケ・コンからお戻りになったところでしょうか?

ウィーン・フィル、3日ともお聴きになられたとのこと、
素晴らしい!
そして、それぞれの日の感想をこうして教えていただけるとは、、、
本当に感謝いたします。

そうでしたか、3日とも頑固親父、いえ、キュッヒルではなく、
ホーネックだったんですね。
ここ数年のNY公演は必ずキュッヒルが同行していたように思うのですが、
いやになりましたかね、NYの田舎聴衆が(笑)。

実は親父に刺されるのを覚悟でいうと、
私はホーネックがコンマスをつとめるサウンドの方が、
ずっと、ずっと、いいと思います。
ウィーン・フィルにずっとこの時が来るのを待っていました。
キュッヒルが率いていた時の、
少なくともNYの公演は、演奏に澱みを感じることが多く、、。
今回の音はすごくリフレッシュされたと思ったのですが、
1回きりではなかなか判断が難しいゆえ、
こうして3日お聴きになったJoe's Shanghaiさんのお言葉に
裏づけしていただくと、ほっといたします。

>もっと「きつい」音や「汚い」音を使わないと届かないところがあると
思うのです

人それぞれ好きな演奏というのがあって、
そう思わない方もいらっしゃるかもしれませんが、
私は激しく同意いたします。
特に、オペラの作品を演奏することがあるオケなら、
絶対にここに足を踏み入れてほしい、
いや、踏み入れなければならない、と思います。

>アバド/ベルリンが文化会館でやったイースター復活祭の引越公演

おお!!
あのトリスタンをお聴きになった方がまたここにお一人!!

あの演奏は本当に特別でした。
もうアバドと演奏旅行するのは最後になるかも、、という思いとか、
あの時の状況が、また、素晴らしい演奏の要因になっていたように思うので、
ああいうのが、メトの普通のシーズン中の公演で何度も聴けるとは思ってはいないですが、
それにしても、バレンボイムのメトでの『トリスタン』は、
それの少し前に日本でベルリン国立を指揮したときのものがすごく評判が良かっただけに、
ちょっと肩透かしを食らわされた感じでした。

>アンコールは、「雷鳴と電光」

いいですねー、このワンパターン!!

私も、ブーレーズに関しては、作曲の方はやめてもらって何ら差し支えない感じですが、
指揮に関しては、メト・オケ・コンで登場するのを、
とても、とても楽しみにしています。
ただ、その”透明な音色の統一感”というのは、
ウィーン・フィルのような技術のあるオケが演奏してこそ、
だと思うので、それをききのがしてしまったとは痛恨!です。

>ホルン隊
>そんなに逆らっていました?

本文では、クラスにいるつっぱり学生みたいに書いてしまいましたが、
それよりは、”自分達はこう演奏したい!”というプライドなんだと思います。
例えば5番の第1楽章で、何度か出てくる彼らが吹くフレーズはどれも、
バレンボイムが意図していたより、
最後の二つの音にためがあって、
その微妙なためが後に入って来る弦と軽くクラッシュしているように私には思えました。
今回の5番は、私はべたべたした思い入れを排した演奏、という風に感じたのですが、
唯一ホルンだけが、”歌いたがっている”感じがあって、少し違和感が残りました。

>今回のツアーでは特にウェーベルンが素晴らしい演奏だったと思います

(笑)あのおば様に聞かせたい一言です!
返信する
するどいなあ... (Joe's Shanghai)
2010-01-25 12:19:14
ご推察の通り、メト・オケとダムラウを聴いてきたところです。行かれましたか?
もしそうであれば、ダムラウの歌唱とドレスについてのコメントを楽しみにしております。
レヴァインが椅子から転げ落ちないかと、心配でした。
返信する
ダムラウのドレス (Madokakip)
2010-01-25 12:53:12
 Joe's Shanghaiさん、

チャット状態ですね!
もちろん、行きましたよー、メト・オケ・コン。

>ダムラウの歌唱とドレス

笑ってしまいました。
はい、ドレスの方も、しっかりコメントしたいと思います(笑)

>レヴァインが椅子から転げ落ちないかと、心配でした

いや、これ、ほんと、洒落になってないんですよ。
今、火曜に行った、彼のマスター・クラスの記事を書いていますが、
そこで、ご説明いたしますね。
ほんと、気をつけてもらわないと。
返信する
やっぱり! (Joe's Shanghai)
2010-01-25 15:14:06
>はい、ドレスの方も、しっかりコメントしたいと思います

やっぱり(笑)!彼女が舞台に出てくるのを見た時に、じつは思わずこちらのブログのことが
頭をよぎり、「これはタダではすまないな...」と予感してしまいました。

ウィーン・フィルのホルンについてのコメント、ありがとうございました。
なるほど。ダニーが手兵のベルリン・シュターツカペレで録れたほうの演奏を
聴き直しましたが、たしかに「運命」のモットーに、タメとかはないですね。
もう実演の細部はとても思い出せないので、歯がゆい限りですが、お考えは、
よくわかりました。

他の方の聴き方をうかがうということが、面白いし、ためにもなる。
こちらのブログを拝見していて、改めて感じ入っていることの一つです。
更新大変だと思いますが、楽しみにしていますので頑張ってください。

そういえばマッティラが苦手という話をした時に、いろいろ教えていただいた
「歌に生き~」の音源、非常に参考になりました。お礼が遅れて大変失礼致しました。
返信する
あのドレスの正体は (Madokakip)
2010-01-26 11:38:04
 Joe's Shanghaiさん、

>「これはタダではすまないな...」

(笑)そう、そうです、やっちまいましたよ、彼女は今回!
だが、しかし。その噂のドレスなんですが、
私、気付いてしまいました。その正体に!!
ああ、早くレポ、書きたいです!!

>他の方の聴き方をうかがうということが、面白いし、ためにもなる

私も、以前から自分のオペラについての感想をどのように記録すればいいか、と頭を悩ませておりまして、
今のようにネットが普及する前は、手書きノートだとか、アクセス(でしたっけ?)などのアプリケーションで管理していたこともあるのですが、
ブログというツールを知ったとき、これはその目的にぴったりじゃないの!と思って使い始めました。
なので、当初は、ブログの本来の目的はどこへやら、
人様に読んで頂けるなんて、思いもしてなくて、
本当に自分のためだけに書いていたんですね。
ブログで感想を管理するようになって、
何より最高のボーナスは、こうしてみなさんのご意見を聞かせて頂くことが出来るということで、
これは全く予想していなかった楽しみ&喜びでした。
皆様のおかげで、自分が思いもしなかったこと、
知らなかったことを教えていただく毎日で本当に楽しいです。

これからも、気の赴くままに訪問頂き、
感じられたこと、何でもシェアして頂けると本当に嬉しいです!
返信する
前回よりお気に召して何より。 (ゆみゆみ)
2010-01-28 21:45:48
私もお話された年配の女性と同じで、私の音楽が疲れたときは、ウィーンフィルを聞け!!でございます。ですから、今回マドカキップさんに前回よりお気に召していただけ嬉しいです。

以前ウィーンフィルとゲルギさんのリハ見学をしました。ゲルギさんは、誰かと舞台上で話してばかり、オケさんは当日演奏する曲を弾いています。最後にチョコット指揮台に上がって「ハイお仕舞」何の指示もなしでした。
「何だリハーサルなんてこんな物」と呆れかえってしまいました。ところが翌日コンセルトヘボーとヤンソンスのリハへ行ってビックリ。彼は的確な指示を出し、ホールを走り回って隅々まで響きを聞き、楽器の配置を換えたり。やぁ~素晴らしいリハでした。ラトルとベルリンフィルも見ました。彼の強弱の付けさせ方など、素晴らしい表現で指示しており、私も仲間に入って音だししてみたいと思えました。
で私は思いました。「ウィーンフィルとゲルギさんって仲が悪いのかな?」又は「ゲルギさんって恥ずかしがり屋で何もいえないのかな?」
返信する
おっと! (Madokakip)
2010-01-29 17:16:44
 ゆみゆみさん、

おっと!
あのウィーン・フィルへの熱い思いを語っていた女性はそうするとゆみゆみさんの仮の姿だったのか!
ゆみゆみさんもウィーン・フィル贔屓だったんですね。
今まで好きなこと書きすぎました(笑)

>ゲルギさんは

これは私の考えですが、彼はリハーサルで詰められるようなものより、
本番で自由に生まれるスパークみたいなものを重視しているタイプの指揮者じゃないかな、と思います。
ただ、メトの『オネーギン』のDVDを見る限りは、
結構指示も出していたように記憶していますが、
あれは得意のロシアものだったからか、、。
それからオケを見てスタンスを決めているところもあるかもしれないですよね。
マリインスキー・オケは手兵だからもちろんいろいろ言うでしょうが、
ウィーン・フィルに対しては、
メト・オケやマリインスキー・オケに言うみたいにはできないところもあるんじゃないかな、と思います。
あのウィーン・フィルのプライドの高さは、
どのオケとも違うものですし、、、。

>「ゲルギさんって恥ずかしがり屋で何もいえないのかな?」

それはないと思います!(笑)
あれで恥かしがり屋だったら、逆に怖い!
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