ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

ルーマニア革命・チャウシエスク没20年

2009-12-25 | ルーマニア・ブカレストの日常
家でのんびり過ごすクリスマス、テレビでは聖歌やクリスマスソングが流れてきます。が、ルーマニア人にとって忘れられないのは20年前のクリスマス、共産主義を率いたチャウシエスク大統領夫妻が銃殺刑となった日。
 


この日までにも何度も映像が流れてきています、トルゴビシュテ・デアル僧院兵営内での処刑間近の大統領夫妻のようす。二人ともオーバーコートを着込んで、今まで過ごしてきたのとは比べようもない何の飾りもない部屋にいます。そして縄をかけられ、最期の場所へ。大統領を撃った人がTVに出て、当時の様子を語っています。上の写真は夕刊紙より。新聞ではぼやけて掲載されていますが、TVでは表情もはっきりわかる映像。


 
同じ番組で、ゲンチャ墓地のチャウシエスクのお墓の様子が流れてきました。何人もの人が花を手向け、故チャウシエスクに手を合わせています。この映像を見て始めて、今までチャウシエスク時代について何も言わなかったお姑さん、ぼそっとつぶやいています。
 
「あの時代は良かったよ。もっと生活を楽しめたからね。休みのたびにチシュミジウやヘラストロウの公園に行って、みんなで語り合ったものだよ。時たま、中心街のレストランにも行けた。カル・ク・ベレ(=ブカレストの有名な老舗レストラン)にも行っていたよ。今は生活するのに精一杯、とても出かけることなんて出来ない。」
 
お姑さんの世代の人に、「あの時代は良かった。」という人が多いようです。「あの時代は良かった。みんなが仕事をして、みんながポケットにお金を持っていた。町に物は無かったけれどね。今は仕事もないし、お金も無い。街に物はあふれているけれど、買うことはできないよ。」、元警察官で、一般的な人よりも多く年金をもらっているはずの人からもこんなことを聞きました。
 
今働き盛りの人(40歳代くらい)からは、こんなことを聞いたことがあります。亡くなったチャウシエスクは、「花を手向けながらナイフで刺したいような気にさせる人だ。」と。
 
「あの時代のほうが暮らしやすかった。でも、もう、戻れるチャンスは無い。」と言うのも、同世代の人。



昨日の夕刊紙には、「89年の革命時の罪で調査すべき人」なるリストが堂々発表。先に私が街頭で名前を聞いてきたイオン・イリエスク氏の名前もあります。いずれにせよ、今ルーマニアを率いているのは、元共産党員が圧倒的。
 
ルーマニアのブラックジョーク、選挙に関して~「いずれにせよ僕たちは、二人の元共産党員から、どちらかひとりを選ばなくちゃならないんだ。」
 


記事途中の墓石の写真は、ゲンチャ墓地にある故チャウシエスクのもの(と言われている)。生年1918年1月26日、没年1989年12月25日。
 


エレナ夫人の墓は、参道を渡って向かい側。二人が並んで葬られてわけではないのです。次男ニクの墓もまた、離れたところに。



写真はいずれも2年前の秋に訪れたときのもの。誰かがいつでも訪ねてきているのか、花やキャンドルが手向けられています。

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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは~ (茶々)
2009-12-26 11:42:58
やっぱりそうなんですか。
革命後がより良くならないと
革命とはいわないのですよね。
むつかしいです。
日本も同じ、将来に明るさがないと
暗くなりますよね。

宝くじあたれば大判ぶるまいしますよ!!
期待しておいてくださいね。


毛皮の帽子暖かそうですね!
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Unknown (みことみ)
2009-12-26 16:38:30
普通に年末を過ごそうとした矢先にいろいろと考えるものをいただけたと思います。ありがとうございました。
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茶々ちゃんのご主人様へ (マドモワゼル・ヒロコ)
2009-12-26 22:21:13
当時の映像が何度もテレビで流れていたり、写真展で見ることできましたが、同じルーマニア人同士で銃を突きつけあったり、撃ち合ったり。なぜそこまでの犠牲が必要だったのか、それが一番の疑問です。

日本では、いくら将来が明るくない、とはいえ、殺しあったりはしないはず。・・・時々、むしゃくしゃした人たちが、無差別殺人事件を起こしたりするけれど。政治的な意図のある事件は少ないです。

社会主義を貫いている中国でさえ、「中国反体制作家に懲役11年」、殺し合いにはいたっていないのです・・・
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みことみさんへ (マドモワゼル・ヒロコ)
2009-12-26 22:22:50
お越しくださり、ありがとうございます。
たまたまルーマニアに住んでいて、この時期の見聞を集めてみました。
新聞記者や社会的立場のある人なら、公表するのをはばかるかもしれない内容ですが、こんな動きもあることは事実なのです。

またどうぞお立ち寄りくださいね。
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