ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

蒸気機関車のなかのグルメ

2009-08-13 | バカンス・山へお出かけ

 
Vişeu de susを朝6時過ぎに出発した蒸気機関車は、どんどん山奥へ進んでいきます。私たちが訪れたのは4月もまだ浅い頃、前夜の豪雨で川は濁流、あたりは泥だらけ、登っていくにつれところどころ残る雪も見られ、車内で薪ストーブがなければ寒くて過ごせないほど。
 


ルーマニア・マラムレシュといえば北部辺境地域、ウクライナとの国境にも近いところ。ここに全長30キロに及ぶ昔ながらの蒸気機関車路線があり、林業の大事な足となっているのです。
 


緩やかな傾斜をゆっくり登っていく蒸気機関車、後ろには一台の客車(=人用)と20台近くにのぼる木材用の貨車を連ねています。行きはカラで登っていき、帰りにはこの貨車に木材が満載となるのです。
 
が、山の奥深くの林業の拠点まで片道30キロ、ゆっくり行くので3時間以上かかります。腹がへっては何とやら、洋の東西いずこも同じ、労働者たちは車中で朝ごはんをとります。



リュックサックから食材を取り出し、適当に切って、まず薪ストーブの上に紙を広げ、スラリナ(=豚の脂身)を乗せています。



すぐに油が溶け出し良い香り。しっかりした油なので、紙がこげることもないのです。
 


次にサラミとソーセージを焼いて、パンにはさんで食べています。物珍しげに見ている私、手招きされ、スラリナを勧めてもらいました。脂っぽそうなのがネックでまだ食べたことのないスラリナ、え~い、いちかバチか、この機会に食べてみよう==!
 


ひとかけら口に含んだスラリナ、とろっととろけとても甘みがあります。美味しい!癖になりそうな味。でもなんといっても脂の固まり、カロリー過多。でも労働者たちは毎日の重労働、特にこの日のように寒い日とあっては身体を動かすエネルギーが必要。毎日スラリナを食べていても、でぶっとした人はいません。
 


みんな交代でスラリナやサラミを焼いて、車中はいい香り。私たちもリュックに持ってきた食材で朝ごはん。一緒に行ったヴラッドとダナのカップル。



トマトとアルディ・にんにくの茎のサラダ、ブルンザ(=塩味のある白チーズ)にチキンハム、パンは薪ストーブの上に乗せて焼かせてもらいました。食材とナイフ、携帯用のお皿はどこへ行くときでも重宝。食材をそのまま持って行って旅先で切り分けるこのスタイル、ルーマニア人の代表的な「お弁当」。
 


私達も腹ごしらえを済ませ、ゆっくりくつろぎます。薪ストーブの燃える暖かい車中、なにやら強いアルコールの香りが・・・労働者たち、一本のプラスチックボトルを回し飲みしています。あのボトル、消毒用アルコールのボトルだけど・・??
 
また物珍しげに見ている私の前に、ボトルが差し出されました、「一杯、どう?」~勧められてお断りするワタクシ、マドモワゼルではありません。香りを嗅ぐとコーラ風。皆が飲んでいるので飲み物には違いなし、ごくっと一口。強い==!!コーラの甘みでごまかされないほど、強いアルコール。
 
それもそのはず、ボトルは伊達ではありません、消毒用アルコールをコーラで割ったもの。労働者たちは何せ身体を温めるエネルギーが必要。それも一口で、短時間に。
 


森林労働者たちの日常を見ることの出来る林業用蒸気機関車、途中いくつかの駅を通過し、まだまだ先へ進んでいきます。(写真の古びた建物は駅)



(明日に続く)


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秘境の森林地帯を行く蒸気機関車

2009-08-13 | バカンス・山へお出かけ


朝まだ真っ暗なうちに起き出し、めざすは「モカニッツア(mocanţia)」、昔ながらの蒸気機関車の始発列車。Vişeu de susを朝6時過ぎに発車するこの蒸気機関車は、ルーマニア北部辺境の最も奥まで行くもので一日1往復のみ。途中までの機関車は、このあと続けて発車。



一緒に行ったダナ&ヴラッドに叩き起こされ、あたりも真っ暗のため私は寝ぼけまなこ、このあと空が白んであたりがすっかり明るくなるまで、車内の木製のベンチに腰掛け&丸まり、ZZZZ・・・・。機関車はゆっくりと森の中へ進んでいる様子。
 


乗り込んだときは暗くてよく判らなかったけれど、客車は木製で、中には木をくべるストーブもあり。いつの間にか火も起こされていて、車内はほんわかと暖かいです~私たちが訪れたのは4月も半ばになるまでの時期。この北部地域、まだまだ冷え込むのでみんなジャンパーを着込んでいます。
 


それにしてもこの木製客車のボロいこと・・・?それもそのはず、これは客車ではなく、観光客用でもなく、森の奥へ林業に行く労働者たちの移動用の機関車。乗り込んでいる十数人はみな、森林労働者。
 


なかにご夫人が二人、同じグループに男性二人、服装からみて労働者ではありません。話しかけてみると、オーストリアからの旅行者にツアーガイドの男性。ガイドさんが言うには「ここはヨーロッパ最後の秘境。昔ながらの林業の様子を見ることの出来る、貴重なスポット。こんな場所はもうヨーロッパ中を探してもルーマニアにしか残っていない。」とのこと。
 


ドイツ語のガイドブックでは大きく紹介されていて、夏場のハイシーズンになるとドイツやオーストリアから観光客が押し寄せるそうです。上の写真は、彼が見せてくれたドイツ語のガイドブック。
 
ただし、夏場は観光客用の蒸気機関車を走らせ、それは乗り心地も良いけれど、景色を楽しむもので、路線の半分も行かないところで引き返すというもの。労働者の働きぶりを見せてもらえるのは、この労働者用の蒸気機関車だけ。これは一般には公開されていないけれど、朝早く駅に行って交渉すると乗せてもらえるのです。
 
気になるお値段は?ちゃんと車掌さんがいて、オーストリア人たちに「30レイ」と告げています。「30レイだって!?それはこのルーマニアでは高すぎるよ、観光客用でも無し、この悪条件(=ボロい)の車体で!」と文句を言い出すガイドさん。

「観光客用のは40レイだ、お前たちは勝手に乗り込んできて、文句あるのか?」と売り言葉に買い言葉の車掌さん。しまいには「お前たちは一人50レイだ!」と言い出したけれど、元来気の優しいマラムレシュの人たち、こんなところでぼったくりはせず、結局オーストリア人4人で100レイにおまけ。
 
オーストリア人ガイドさんの本によると、確かに観光客用は一人40レイと書かれています。夏場には貸しきりも出来、1連結(=蒸気機関車と客車)800ユーロ。団体客は主にドイツやオーストリアから。



あとで労働者の人たちと話してみました。彼らのお給料は日雇いで一日80~100レイ、重労働なので1週に4~5日・月に平均17日くらいしか働けないそうです。オーストリア人観光客から乗車賃として徴収した100レイは、一人あたりの日給にも相当する額。皆で山分けか、飲み代になるようで。
 


え?私たちの乗車賃?一緒に行ったヴラッドがうまく交渉してくれて、乗車賃、無し。タダ乗りではありませんョ、ちゃんと交渉して、乗車賃ゼロにしてもらったのです。おまけに朝食つき!労働者たちは車中で朝ごはん、私もお相伴。(記事は次のエントリーで)




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