ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

蒸気機関車、一難去ってまた一難

2009-08-16 | バカンス・山へお出かけ


何度か林業作業現場に出会いながらヴァセル(Vaser)渓谷を3時間以上歩き、そろそろくたびれてきた私たち。ちょうど駅に出くわし、ここで後からやってくるわたしたちのモカニッツアを待つことに。



集積場の木材は格好のベンチ。あたりは泥だらけなので貴重。
 


たくさんの労働者たちが駅舎の前に出て、物待ちふう。ここはBOTIZU駅(水色の駅名板より)。
 


しばらくすると蒸気機関車がやってきて、労働者たち、どっと乗り込んで行きます。先ほど上流へさかのぼって行った蒸気機関車とはまた違うタイプ、いったいどれくらいの種類のモカニッツアが働いているのでしょう。



大振りのリュックを下げた彼らは、ウィークデイはここで寝泊りをし、木を切り出している木こりたち。この日は土曜日で、村へ降りる日なのです。
 


労働者たちを乗せ、積荷も満載にして下っていく蒸気機関車。私たちもこれに乗りたかったけれど、これは上がるときに乗ってきたものではありません。毛布や食料品などを車中に残してきているので、自分たちの乗ってきたモカニッツアを待たないといけないのです。
 


木こりたちがモカニッツアで下山した後、一人残ったのはこのおじいさん。月曜まで一人でここを守るそうです。おじいさんは木こりではなく山小屋の山守り。年金生活者になっても山が好きで、この仕事をしているそうです。「たいした賃金じゃないんだけどね。」、でもこの暮らしが性に合っているそうです。

それにしても待てど暮らせど私たちのモカニッツアは下りてきません、どうしたんだろう?同じ線路の上を歩いてきたのだから、追い越されているはずは無いし、道を間違えるはずも無し。

「もし、機関車が下りてこなかったら、ここに泊まっていってもいいんだよ。月曜の朝、木こりたちが上がって来るまで、オイラは週末、ここで一人さ。」
 


駅舎の横の小屋に案内してもらいました。古びたベッドが10台ほど、真ん中に大きな薪ストーブがあって、この上で何でも調理するそうです。ママリガ用のチャウン(=丸底の鉄鍋)も大小二種類完備。
 
ママリガが大好物であることを告げると、「じゃあ、作ってあげるよ。」と鍋を取り出すおじいさん。・・・でも私たちは旅の道中、今日中に下の村まで降りたいです。ダナは「以前こんな山小屋に泊まったことがあるけれど、夜中じゅう、ねずみが這い回り、とっても寝れたもんじゃなかったわよ。」と、中にも入ろうとしませんでした。まあ、住めば都、ということで。
 
時刻も3時を廻り、山の空気も冷えてくる頃。もう1時間以上ここでモカニッツアを待っています。ここで泊まることになるのかなあ、といつもどおり臨機応変に覚悟を決めたとき、「ポ===ッ」、モカニッツアの汽笛。駅の前をゆっくり走り続けるモカニッツア、私たちが乗り込むために止まってくれることなど、無いのです。でも無事、飛び乗り乗車完了。
 


車掌さんに尋ねてみると、線路上に土砂崩れがあり、それを取り除くために労働者は手作業で大変だったそうです。



帰りの車内はみんなリラックス。労働者たち、トランプを取り出しカードゲーム。賭けてるの?・・賭博トランプでは無いそうで、ただの余興。写真中央のかた、車掌さん。森林列車の車掌にしておくにはもったいないほどの美形。ほかに若い人も何人かいて、年配の人も何人もいます。
  


が、蒸気機関車の行く手に一難去ってまた一難、ゆるいカーブを曲がっているとき積荷が落下。大事な材木ですがこのままでは進めません。おまけに貨車の一部も破損しているようです。
 
労働者たち、何をすべきか判っているのですぐさま動き始めます。これまた手作業で何人かが力を合わせ半分崩れか飼った材木を下へ落とし、破損した貨車を近くの引込み線に運び込みます。数百メートルで引込み線があったのは、不幸中の幸い。一台だけ貨車を切り離し、モカニッツアに引かせ、引込み線へ導いていきました。
 
こんなことがあってまた時間を取られたけれど、モカニッツアは今日中に村に帰り着くべく無事発車。すでに7時を廻り薄暗くなってきています。ここからまたガタゴトと揺られること2時間以上。積んでいた薪ストーブ用の木材が底をつき、車内灯も無く、帰りの車内はかなり気温が下がってきていました。

とっぷりと日も暮れ、たどり着いた駅は今朝と同じように真っ暗闇の中。モカニッツア15時間の旅でした。

情報コーナー:
観光用蒸気機関車のHPはこちらから。ルーマニア語・英語・ドイツ語のみ。ドイツからの旅行者が多いのがうなずけます。

私も開いてみましたが、私たちが乗ったモカニッツアとは比べようも無いほどの瀟洒な蒸気機関車。観光用はかくまでスマートなのか、とびっくり。

でも私にとっては、座り心地の悪い木製ベンチでも、薪が底付いたストーブでも、雨水がなかに落ちてくるような木枠の窓でも、労働者用のモカニッツアでの旅は大満足でした。なお、木材運搬用の機関車はディーゼル車もあり。
 

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