鴨が行く ver.BLOG

鴨と師匠(ベルツノガエル似)と志ん鳥のヲタク全開趣味まみれな日々

最近読んだSF 2013/4/4

2013年04月04日 22時01分06秒 | ゲーム・コミック・SF
日本SF作家クラブ創立50周年記念で、計5冊が刊行されるそうです。
2巻目が発売される前に、1巻目を読み終えましたー。

日本SF短編50 第1巻 1963-1972(ハヤカワ文庫JA)

収録作品はこちら。SF者として一度は読んでおかねば、と思える往年の名作揃いです。

「墓碑銘2007年」光瀬 龍
「退魔戦記」豊田 有恒
「ハイウェイ惑星」石原 藤夫
「魔法つかいの夏」石川 喬司
「鍵」星 新一
「過去への電話」福島 正実
「OH! WHEN THE MARTIANS GO MARCHIN' IN」野田 昌宏
「大いなる正午」荒巻 義雄
「およね平吉時穴道行」半村 良
「おれに関する噂」筒井 康隆

でも、「往年の名作」って、そのうち読もうと思いつつ結局読まなかったりするんですよね。こうしてアンソロジーとして刊行されて、読むきっかけを与えてもらえるのはありがたいです。
もぅ、冒頭の光瀬龍にノックアウトされましたよ。人類がまだ月へさえも到達していなかった50年前の作品とは思えない、鋭利な刃物のようにエッジの効いたドライな世界観と茫漠としたニヒリズム。氏の代表作「百億の昼と千億の夜」に通ずる独特の世界観を有する、この先もきっと古びない傑作だと思います。
半村良「およね平吉時穴道行」も良かったですね。いわゆるタイムスリップものですが、時間SFの売りであるタイム・パラドックスの解明であったり錯綜する時間理論であったりといった派手な演出は一切ありません。江戸時代の少女が現代にタイムスリップするに至った経緯を第三者の視点から丹念に描き出し、SFという手法を借りて当時の江戸の「時代の風」を描くことに挑戦した、地味ながらも端正な佳作です。時代小説家としても名を馳せた半村良らしい、いかにも日本的なSFです。
もう一つ、インパクトがあったのが荒巻義雄「大いなる正午」。ジャンル分け不能、鴨ごときの理解力では何が何だかほとんど判りません(^_^;が、描き出されたヴィジョンの鮮烈さ、ワケがわからないながらもとにかく前向きで力強いラストシーン、「読む」というよりも「感じる」と言った方が相応しいかもしれない快作もとい怪作。この時代でなければ、たぶん存在し得なかった作品ではないのかと。

何分にも古い作品ばかり集めているので、作品によっては正直今読むのは辛い作品もあります。が、この時代のSFの雰囲気を捉えるには必要充分ですね。
2巻目以降もスゴく楽しみ!
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