秋田からは予定よりも1本遅い奥羽本線に乗り換え。
この線は1時間に一本あるし、乗客も座席が埋まるほど乗っている。
30分で着いたのは峰吉川駅。
寂しげな駅前に降り立ったのは自分一人だが、電話をしておいたので宿のご主人が車で待っていてくださった。
雪道を走ること10分で強首温泉の今夜の宿「樅峰苑」に到着。
これで「こわくびおんせん・しょうほうえん」と読む。
ものすごく立派な建物だが、これがあるのは意外にも普通の農家や民家のある集落の真ん中。
この家は300年も続くこの辺りを統括する庄屋・豪農だったそうで、国会議員なども出た地元の名家の後継者たるご主人も息子さんもさすがに上品でいらっしゃる。
これまた立派な入口を入り、フロントで記帳をしたら早速女将さんの案内で部屋へ。
この建物は大正6年(1917年)に建てられたというから築98年。
地元の宮大工を京都に修行に出して建てたそうで、建具なども派手ではないが凝っている。
部屋は2階の6畳間。
家の造りのせいで窓はなく、テレビも置かれていないストイックな部屋。
大きなエアコンが天井に設置されているので部屋の中はとても暖かいが、トイレは寒い廊下の端にあるのがいささか厳しい。
一息入れたところで、まずは宿泊者のみ貸し切りで利用できる露天風呂へ。
玄関を出て雪道を30mほど、フロントで借りた鍵で2つあるお風呂の「大樹の湯」の方へ。
簡素な脱衣場からガラス戸を開ければ、ウッドデッキの先に3,4人サイズの丸い木の浴槽。
かけ流されるお湯は黄褐色で底が見えないほどにごり、ナトリウムー塩化物強塩泉はなめるとかなりしょっぱくて金気っぽいにおいがするが、温度は42℃ほどで寒い中肩までどっぷりつかると、うわ~、気持ちいい~。このお風呂を独占できる幸せ。
しっかり温まってフロントに鍵を返しに行くとリンゴジュースかビールを一本もらえる。
この飛行機の絵の付いた秋田のリンゴジュースもおいしい。
強首温泉は昭和39年に天然ガスを試掘していて掘り当てたので歴史はないが、その後この宿ではすぐ裏手から自家源泉が出たそうで、その湧出温度が49℃。
「だからお湯は季節によって投入量を調節するだけ。管理はとても楽なんです」と宿のご主人。「よく温まっていいお湯でしょう?」とお風呂の話をするのが楽しそう。本当にいいお湯です。
汗を流した後は食事の時間となり、一階の食事処へ。
玄関の正面、4部屋の障子を取り払って大広間にしているが、いくつもストーブが炊かれているので暖かい。
今回はこの宿のご自慢、雄物川の川蟹コースをお願いしてあるのだが、まずテーブルに並んでいたのは
さわもたしと言うきのこのおろしあえ、鮭の麹漬け、ふのりの酢の物。
お造りは山の中と言うことで生湯葉、鯉の甘露煮はこっくりと甘く、肝が特においしい。
鍋にはえらく立派なぜんまいが入り、お味噌は自家製。
秋田らしくハタハタが焼き立てで運ばれてきたが、卵がいっぱい入っていて食べるとコキコキ。
そして出ました、川蟹のお料理は
これ一皿で蟹5,6匹分と言う蟹みその甲羅焼きに、川蟹あんかけの卵豆腐。
蟹みそはまるでウニのような濃厚な味わいだが、「お酒と自家製味噌を入れて火を通しているけれど、生だと苦くて食べられないんです」とは料理長である女将さんの話。
甲羅以外はすべて食べられると言う川蟹の唐揚げは川エビをさらに濃縮したようだが、歯が強くてよかった!
お味噌汁の中にも川蟹を殻ごとすりつぶしたと言うつみれが入っていて、だしが良く出ておいし~。
最後はお腹が満杯なので、さっぱりとアロエのシロップがけがうれしい。
どのお料理も上品な味付けでとても満足度が高かったが、「蟹をほぐすのは大変なんです、ほんとに大変」とおっしゃっていた女将さんが印象的。小さな蟹だもの、苦労は分かりますよ。
夜中と朝は内湯でまた適温の褐色のお湯を堪能し
夕食処の隣の部屋で朝ご飯。
朝食にもトンブリやギバサ、いぶりがっこや強首白菜が出されて地元感満載。女将さんのこだわりが見えてすばらしい。
こちらのお宿は一人泊で15500円と最近の自分の宿としてはちょっとお高いのだが、家族だけで維持しているこの家と温泉、お料理にはその価値があった。
ご主人に駅まで送っていただき、また秋田に戻った。
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この線は1時間に一本あるし、乗客も座席が埋まるほど乗っている。
30分で着いたのは峰吉川駅。
寂しげな駅前に降り立ったのは自分一人だが、電話をしておいたので宿のご主人が車で待っていてくださった。
雪道を走ること10分で強首温泉の今夜の宿「樅峰苑」に到着。
これで「こわくびおんせん・しょうほうえん」と読む。
ものすごく立派な建物だが、これがあるのは意外にも普通の農家や民家のある集落の真ん中。
この家は300年も続くこの辺りを統括する庄屋・豪農だったそうで、国会議員なども出た地元の名家の後継者たるご主人も息子さんもさすがに上品でいらっしゃる。
これまた立派な入口を入り、フロントで記帳をしたら早速女将さんの案内で部屋へ。
この建物は大正6年(1917年)に建てられたというから築98年。
地元の宮大工を京都に修行に出して建てたそうで、建具なども派手ではないが凝っている。
部屋は2階の6畳間。
家の造りのせいで窓はなく、テレビも置かれていないストイックな部屋。
大きなエアコンが天井に設置されているので部屋の中はとても暖かいが、トイレは寒い廊下の端にあるのがいささか厳しい。
一息入れたところで、まずは宿泊者のみ貸し切りで利用できる露天風呂へ。
玄関を出て雪道を30mほど、フロントで借りた鍵で2つあるお風呂の「大樹の湯」の方へ。
簡素な脱衣場からガラス戸を開ければ、ウッドデッキの先に3,4人サイズの丸い木の浴槽。
かけ流されるお湯は黄褐色で底が見えないほどにごり、ナトリウムー塩化物強塩泉はなめるとかなりしょっぱくて金気っぽいにおいがするが、温度は42℃ほどで寒い中肩までどっぷりつかると、うわ~、気持ちいい~。このお風呂を独占できる幸せ。
しっかり温まってフロントに鍵を返しに行くとリンゴジュースかビールを一本もらえる。
この飛行機の絵の付いた秋田のリンゴジュースもおいしい。
強首温泉は昭和39年に天然ガスを試掘していて掘り当てたので歴史はないが、その後この宿ではすぐ裏手から自家源泉が出たそうで、その湧出温度が49℃。
「だからお湯は季節によって投入量を調節するだけ。管理はとても楽なんです」と宿のご主人。「よく温まっていいお湯でしょう?」とお風呂の話をするのが楽しそう。本当にいいお湯です。
汗を流した後は食事の時間となり、一階の食事処へ。
玄関の正面、4部屋の障子を取り払って大広間にしているが、いくつもストーブが炊かれているので暖かい。
今回はこの宿のご自慢、雄物川の川蟹コースをお願いしてあるのだが、まずテーブルに並んでいたのは
さわもたしと言うきのこのおろしあえ、鮭の麹漬け、ふのりの酢の物。
お造りは山の中と言うことで生湯葉、鯉の甘露煮はこっくりと甘く、肝が特においしい。
鍋にはえらく立派なぜんまいが入り、お味噌は自家製。
秋田らしくハタハタが焼き立てで運ばれてきたが、卵がいっぱい入っていて食べるとコキコキ。
そして出ました、川蟹のお料理は
これ一皿で蟹5,6匹分と言う蟹みその甲羅焼きに、川蟹あんかけの卵豆腐。
蟹みそはまるでウニのような濃厚な味わいだが、「お酒と自家製味噌を入れて火を通しているけれど、生だと苦くて食べられないんです」とは料理長である女将さんの話。
甲羅以外はすべて食べられると言う川蟹の唐揚げは川エビをさらに濃縮したようだが、歯が強くてよかった!
お味噌汁の中にも川蟹を殻ごとすりつぶしたと言うつみれが入っていて、だしが良く出ておいし~。
最後はお腹が満杯なので、さっぱりとアロエのシロップがけがうれしい。
どのお料理も上品な味付けでとても満足度が高かったが、「蟹をほぐすのは大変なんです、ほんとに大変」とおっしゃっていた女将さんが印象的。小さな蟹だもの、苦労は分かりますよ。
夜中と朝は内湯でまた適温の褐色のお湯を堪能し
夕食処の隣の部屋で朝ご飯。
朝食にもトンブリやギバサ、いぶりがっこや強首白菜が出されて地元感満載。女将さんのこだわりが見えてすばらしい。
こちらのお宿は一人泊で15500円と最近の自分の宿としてはちょっとお高いのだが、家族だけで維持しているこの家と温泉、お料理にはその価値があった。
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