Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

オマーン行きカタール航空の機内サービス

2017-02-15 19:22:46 | 機内食・映画・美術展
今回のオマーン行きはドーハ経由のカタール航空。
と言うことで、恒例の機内食と映画のこと。

往路は羽田を23時50分と深夜の出発。
B787の機内はほぼ日本人で埋め尽くされている。

 ちょっと安っぽい不織布のポーチ入りアメニティをチェックし、ウェットティッシュをいただいて、出発からほどなく、一度目の機内食。

 和食の魚を選んでみたが、そばやデザートのケーキまで付いて、深夜の「軽食」と称するには十分すぎる量。

これをおいしくいただきながら、まずは一本目の映画。
カタールのエンタメ・システムは目指す映画がなかなか見つからないのが難点だが、なんとか探し当てた。

 「奇跡がくれた数式」 The Man Who Knew Infinity  
20世紀の初め、インドからイギリスのケンブリッジ大学に招聘されて数々の定理を打ち立てたラマヌジャンという天才数学者のお話だが、こんな映画が昨年の秋に日本で公開されていたとは知らなかった。
ラマヌジャンという名前も知らなかったが、なんでもブラックホール理論を説明する定理まで発見している時代を先取りした天才だったそうで、これをデヴ・パテルが終始悲しそうな顔で演じている。近頃の欧米映画、おいしいインド人役はみんなこの人が持って行ってるんじゃないだろうか。

極貧のバラモン家庭に育った主人公がなぜ高等数学を理解するようになったのか、映画ではあまり説明されなくて不思議だったが、実際には非常に優秀だったので大学まで奨学金で行き、高等数学に関してはほぼ書籍からの独学、インドの数学界に理解者がいてイギリスの数学者にコンタクトが取れた、と言うのが実際のところのようだ。

そのイギリスにおける指導者を演じるのがジェレミー・アイアンズ。この映画を選んだのはもちろん彼が出ているからで、年を取り、偏屈な学者を演じても相変わらずエレガント。ケンブリッジの教授役がぴったりはまっている。

ラマヌジャンの研究内容などもちろん何一つ理解できないが、異国で苦労する敬けんなヒンドゥー教徒とイギリス社会の対比が興味深く、インドに取り残されてこれまた苦労するお嫁さんがきれいで、地味ながらなかなかいい映画だった。

この後はしばらくウトウトとして、2本目も地味~な映画を選んでみた。

 Difret
2014年のエチオピア映画で、監督も出演者もエチオピア人。ただし製作者にはアンジェリーナ・ジョリーが名を連ねている。
それというのもこの映画の題材はエチオピアで行われている略奪婚と、女性に対する村の掟、公権力双方の不公正だから。

主人公は14歳の女の子だが、結婚を断った村の男に誘拐、レイプされ、逃げ出す過程で相手を射殺してしまう。それを女性救済活動をしている女性弁護士が支援するという、これは実話なんだそう。

途中には村の男たちが木の下に集まって、長老たちを中心に話し合う場面があるが、被害者、加害者双方の関係者に発言の機会が与えられ、長老たちの結論もそれほど理不尽ではないところを見せるなど、村社会の描き方も公平だと思う。ただ近代的な法秩序に昔ながらの村の論理が優先してしまうのが問題だ、という見せ方。

アンジ―がどの程度この映画に関わっているのかはわからないが、彼女の主義も筋が通っている。

12時間のドーハまでのフライトもあと2時間と言う所で2食目の提供。
なぜかメニューにはあるお粥の選択肢がなく、オムレツとの2択だったのでクレープを選択。
 しかしこれは激甘だった。


ドーハからオマーンのマスカットまではA320でわずか1時間強のフライト。
 それでもちゃんと温かいスナックが提供される。

帰路のA330でも同じメニューだったが
 アツアツのチキンパイにデザートのマフィンが意外なほどおいしい。


ドーハから成田行きのB777は早朝3時20分の出発。
さすがに眠くて搭乗早々にウトウトしていると、「お食事です」とCAに容赦なくゆすぶられるがこれは見もせずお断り。

4時間ほど眠って目を覚ましたら、月が替わってタイトルが入れ替わった映画からお目当ての物を探す。

1本目はインド映画。
 Sultan
カタールは南アジアからの労働者が多いのでインド映画の選択肢が豊富。その中でこれは昨夏のインド旅行で現地ガイドのイチオシだった作品なので楽しみにしていた。

主演はジョージ・クルーニーをインド人にしてゴリラ化したような容姿のサルマン・カーン。
スルタンは主人公の名前で、伝説のレスラーが家族の不幸を乗り越えるため、数年のブランクの後に総合格闘技のリングに復帰するという、お話としては「ロッキー」にそっくりなもの。
しかしそこはインド映画なので、筋肉モリモリのサルマンが腰を振って軽快に踊るし、トレーニング場面など、もちろんスタンド・インはいるだろうが、これは体張ってるわ、と明らかにわかる。ボリウッド・スターは伊達に高い出演料を取っていない。

ヒロイン役は「PK」にも出ていたアヌーシュカ・シャルマ。インド映画の女優さんにしては地味目な顔立ちだが、笑顔がとてもチャーミングで演技もうまい。

単純なお話だし、展開は予想通りだが、主演二人の魅力にテンポもよく、2時間50分もまったく飽きさせない。
さすがインド人のおすすめ、面白かった。

インド映画は長かったが、さらにもう一本。

 「マグニフィセント・セブン」 The Magnificent Seven
ご存じ黒澤明の「七人の侍」、その西部劇版「荒野の七人」のリメイク。
前2作の大ファンなのでもちろん期待は全くせず、どの程度のものが出来たかと興味で鑑賞。

結論から言えば、原作を知らずに見ればそれなりに楽しめる映画には仕上がっている。
近頃では珍しいストレートな西部劇だし、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンなどもがんばっている。
西部劇なのに黒人にメキシカン、ネイティブ・アメリカンに韓国人、と7人のうち4人が非白人だし、彼らに仕事を依頼するのが女性と言うのもいかにも今の映画。悪役のピーター・サースガードもいい。

リーダー役のデンゼル・ワシントンはユル・ブリンナーよりも志村喬に近いような感じ。であるからこそ、最後に開かされる彼の動機はまったく余計。
7人のキャラも「荒野の七人」に比べると立っていないし、悪党一味の数は多くて銃撃戦は派手だが、当然のごとく「七人の侍」のような迫力はない。

というわけで恐れていたよりはましな出来だったが、一番うれしかったのはエンディングの音楽だったりして。

この映画を見ながら炭水化物だらけの機内食をいただき、
 エンド・タイトルを見ながら駐機場に到着。
最後まで見られて良かった~。


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