ラッキーあぐら

幸運の上にあぐらをかく状態

原田マハ『スィート・ホーム』

2023-10-28 23:19:01 | 本と雑誌


今日読み終った本は原田マハ『スィート・ホーム』である。
宝塚のケーキ屋さん一家の連作短編集である。
タイトル通りの甘い小説である。
幸せを凝縮した様な作品だ。
だから、なんか物足りん。
他人の幸せには蜜の味がしないのである。
ついでに、大人気のケーキ屋さんの美味しさが伝わってこない。
登場する人物が美味いと賞賛すればするほど
見えてこないケーキたちである。
概ねフード関連の本は期待大で読む私である。
そういった事で若干厳しい評価だ。

恩田陸『失われた地図』

2023-10-14 22:52:49 | 本と雑誌


今日読み終った本は恩田陸『失われた地図』である。
「蜜蜂と遠雷」で直木賞受賞後第一作目の作品である。
スタート時点では良く判らない世界が現れる。
不穏な空気を感じるのだが、世界観が判らないまま
読み進めていく感じだ。
なんとなくファンタジーの世界に入っていく感じである。
アニメに向いている作品だと思う。
文字で読むよりアニメにしてみれば、
世界観が見えてくるのではないかと思う作品だ。
最後には判るのかなぁって思ったけど
終わり方も、次回作があるような、ないような
不思議な感じで終わってゆく。
次回作を是非読みたいという感じではなく
あぁ、こういう終わり方の作品なんだ。

伊坂幸太郎「マイクロスパイ・アンサンブル』

2023-10-07 23:59:28 | 本と雑誌

今日読み終った本は伊坂幸太郎「マイクロスパイ・アンサンブル』
猪苗代湖で開催される音楽フェスにて配布された連続短編である。
始めの数頁を読んだ時はチンプンカンプンだったけど
読み進めていくと『あぁ、これぞ伊坂ワールド』と楽しめた。
歌詞が小説の中で出てくるんだけど
実在のバンドの歌詞らしい。知らないからその辺は
なんで、その歌詞をココで入れるのかというのが判らなかった。
でも、それで小説がつまらなくなる訳ではない
どちらかと言えば、曲が聞きたくなった。

北野武『浅草迄』

2023-09-28 21:40:20 | 本と雑誌


今日読み終わった本は北野武『浅草迄』である。
ライトな内容なのでサクサク読めた。
ビートたけしの色々なエピソードが出てくるんだけど
聞いた事があるなぁという内容ばかりで新鮮味がなかった。
まぁ、売れっ子だったから色々な話はどこかで聞いたのだろう
最後にフィクションって書いてあった。
フィクションとノンフィクションの違いが判らない。
今回の小説は誰にでもあるような青春小説だ。
読後に思ったのは『歳とったなぁ、切れ味が鈍くなった』
まぁ、読者は好き勝手な感想が言える。

瀬尾まいこ『夏の体温』

2023-09-16 18:12:31 | 本と雑誌

今日読み終った本は瀬尾まいこ『夏の体温』である。
3つの短編で構成されている。
1話目の『夏の体温』は小学生の入院生活のお話で
昨年コロナで入院生活の私は頷けるエピソードが多かった。
入院生活は暇だし退屈だし、時間が経つのが遅い。
その辺の心理描写が見事なのである。
主人公は小学校3年生の3日間の友情の物語でもある。
2話目は『魅惑の極悪人ファイル』
ストブラと呼ばれる大学生を小説化しようとする女子学生との
物語りだ。ストブラとはストマックブラックの略称で
腹黒いと同級生から思われているのだが
読み進めていくうちに腹黒くもなく偽善者でもない事が
判ってくるのである。
どちらかと言えば良い奴なんだけど。
陰口を聞いて
『自分の事は自分に原因があるような気がして
腹が立つまでは行かないけど友達が嫌な目にあっていると
妙に頭にくるんだ』
判るなぁ、この気持ち。
3話目の『花曇りの向こう』は教科書に載った短い小説だけど
短いお話の中に中学生の心理描写が見事だ。
という事で
この本も良かった。