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安倍晋三と「爆笑問題」太田光の落差3
お笑い芸人・太田光をよく知る人も、それほどでない人も、彼が何かを語る人物だというのはよく知られているようだ。
この間に2度、太田を取り上げたが、ブログによせられた読者の反応は大きく2つに分かれた。
お笑い芸人・太田の新たな一面をみた人、また、彼をよく知っている人のなかには憲法に寄せる太田の思いをあらためて読み取った人もいるようだ。
一方で、彼を非難する人もいた。それは、彼を批判するのではなく、太田の主張すること、つまり憲法観や9条にたいする認識そのものに反発するものだと私は考えている。要は、この種の意見は太田でなくとも、だれがそのようにいおうと反対だと予想されるものが大半を占めていたように思う。
太田光のことを、この『憲法九条を世界遺産に』を読むまで私は正直ほとんど知らなかった。普段めったにテレビはみないが、たまたまみかけては私も彼にちょっとハッとさせられ、変わった奴がいるものだと思ってきた。
だが、たとえば、太田の主張するところは半端ではない。
本書のなかには、太田がこう主張する場面がある。
憲法九条は、たった一つ日本に残された夢であり理想であり、拠り所なんですよね。どんなに非難されようと、一貫して他国と戦わない。二度と戦争を起こさないという姿勢を貫き通してきたことに、日本人の誇りがあると思うんです。他国からは、弱気、弱腰とか批判されるけれど、その嘲笑される部分にこそ、誇りを感じていいと思います。(『憲法九条を世界遺産に』78頁)
あえてくりかえすと、太田はここで、頑固に憲法9条を守ろうとする姿勢をこそ世界に発信すべきだと主張している。そこに誇りを感じたい、そう口をとがらし熱く語る太田が読む人の脳裏に迫ってくるのではないか。
なぜ憲法9条を世界遺産にするのか、これを太田は語っている。
世界遺産をなぜわざわざつくるのかといえば、自分たちの愚かさを知るためだと思うんです。ひょっとすると、戦争やテロで大事なものを壊してしまうかもしれない。そんな自分たち人間の愚かさに対する疑いがないと、この発想は出てきません。人間とは愚かなものだから、何があってもこれだけは守ることに決めておこうというのが、世界遺産の精神ですよね。そんな規定がなくても守れるのなら、わざわざ世界遺産なんて言わなくてもいいわけです。(同書127-128頁)
たしかにこのように太田にいわれてみると、いたるところに人間の愚かさを証明するような議論がでてきかねない。
舛添要一は自民党の「新憲法草案」の準備にあたった人物だ。彼は9条改定の理由を「うそをつくのはやめようということですね、F15戦闘機やイージス艦を持つ自衛隊は軍隊ですよ」と語っている。<注1>
これは、現状がこうだからこれを追認し、改定によって現状を明文化しようという議論の典型だといえる。憲法9条2項のある意味で頑固な禁止の姿勢があったから、歴代の政府は自衛隊を「自衛のための最小限度の実力」として正当化してきたのが歴史の教えるところだろう。だからこそ、防衛費GNP比1%枠、武器輸出禁止三原則などの議論があり、集団的自衛権の禁止の議論があったはずである。
舛添の発言、そしてそこにある現状追認の姿勢は、見事に太田のいうところの対極にあることを直感できるだろう。
そこで、繰り返していえば、太田のいう誇りとは憲法9条を断固守ること、これを世界に発信することにあった。
いま一人、誇りという言葉を最近ひんぱんに使う人物がいる。安倍晋三だ。
安倍のいう誇りとは何か。『美しい国へ』によってみてみよう。この本の末尾にこんな一節がある。<注2>
わたしたちの国日本は、美しい自然に恵まれた、長い歴史と独自の文化をもつ国だ。そして、まだまだ大いなる可能性を秘めている。この可能性を引きだすことができるのは、わたしたちの勇気と英知と努力だと思う。日本人であることを卑下するより、誇りに思い、未来を切り拓くために汗を流すべきではないだろうか。(228頁)
これは、抽象的な言葉の羅列以外の何ものでもないと私は思う。太田の明確なメッセージとぜひ比較してもらいたい。
そこにはたとえようのない落差があるはずである。
注1;『朝日新聞』05年11月12日付
注2;安倍は同書で、「教育の目的は、志ある国民を育て、品格ある国家をつくることだ。そして教育の再興は国家の柱である。日本の高校生たちの回答は、わたしたちの国の教育、とりわけ義務教育に、大胆な構造改革が必要であることを示している」とのべ、教育「改革」とセットに国家主義を貫こうと主張している。
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政治が早急にやらなければならない事はたくさん有りませんか?
憲法を換えるという要求はあっても良いと思いますが、結局9条を撤廃したいだけの下心が見え透いていて嫌ですね。
ご意見にまったく同感です。
安倍氏が『美しい国へ』でいっているのも、総裁選公約でも一緒でしょうが、憲法改定と教育基本法の改定ですよね。
そのあとをどうするのか、彼のいう『美しい国』とはどんな姿なのか、明確ではない。要するに戦前への回帰しかみえてこないですね、私は。
靖国参拝も、アジアの国々への謝罪問題でもだんまりですもの。首相となる人であれば、はっきりすべきだと思います。
気がむいたらお立ち寄りくだされば幸いです。
まっすさんのようなご意見もあると思います。
けれども、9条があるから、拉致被害者は還って来ないのではなく、9条があるから「ミサイルは飛んでくる」わけでもないのは明白ですよね。
拉致被害者は還って来ない、あるいは「ミサイルは飛んでくる」原因を憲法9条に求めるのは少々無理なように思います。ましてや、このことで憲法9条が不必要だとはいえないと私は考えます。
憲法改定論のなかに「戸締り論」ともいうべき議論があったことを私も存じています。戸締りをしないと泥棒がはいるのと同じで、国家も軍備をしておくべきというような議論ですね。
しかし、憲法9条の改定をいうのなら、現実の日本の軍備がどのようになっているのか、あるいは国際社会の動向をふまえず、抽象的議論によっては議論が前にすすみません。
「日本が攻め込まれたどうする」という議論は、ちょうど有事法制のときの「備えあれば憂いなし」の議論と同じだと思います。
9条改定はいまのアメリカの主張ではっきりするように、まさに米軍との共同の課題が前提となっていますよね。Show the flag というアメリカの要求にそのことは明確に表れています。
カタラクシーさんのご意見はよく分かります。
一切の戦力不保持が定められている以上、自衛隊・安保条約は違憲と解釈されるでしょう。しかし,歴代政府は解釈改憲で違憲の事態を正当化してきたのでした。たとえば9条には何ら手をつけずに「自衛のためのっ最小限度の実力保持は合憲」と解釈し、自衛隊の増強や安保条約の軍事同盟という性格を強化し、明白な憲法違反を正当化してきたといえます。
おっしゃるとおり、すごい発想です。太田のすごいのは9条がどのようにして成り立ってきたのか把握した上での発言だということだと思います。だから、世界遺産にする価値があるということなのでしょう。
安倍氏には逐一、監視が必要ですね。
今後ともよろしくお願いします。
でも自分が思っていることを、こんなに強く、すがすがしくはっきりと、自信を持って言ってくれる人がいる、それもあのいつも面白いことをとぼけて言っている様な太田光さんだなんて、感激でした。不安ばかり言っていないで、もっと勉強しようと思います。自分と同じ意見の人の言い分も、反対意見の言い分も。それで自分の気持ちというものをしっかり確立しようと思いました。
私が言いたい事はこうです。
改憲については賛否両論あるだろうけれど、あの戦争の体験者の人たちの多くが『9条は変えるな』と言っているのだから、やはりそこには大きな深~い理由があるんじゃないかということです。これを重くとらなければいけないんじゃないだろうか、ということです。
だって自民党の中でさえ、例えば、亡くなった後藤田さんは「俺の目の黒いうちは改憲するな』と言ったそうですし、他の戦争体験者の古参の議員(名前忘れました)が防衛庁に関わっていた人でありながら、ガイドライン制定の時、『日本はこれによって危ない方向に行こうとしている』と危惧する旨を新聞に投書していました。
改憲論者の方々からよく聞くのは、押し付けられた憲法は良くないという意見ですが、戦後すぐニクソン元米大統領が『やっぱり日本も戦争に協力してくれ』という要請をした時、日本の政治家たちがどんなにイヤそうな顔をしているか、映画『日本国憲法』で見た時はびっくりしました。あれは戦争体験車の切実な正直な反応だったと思うんです。誰が作ったものであろうと、内容が尊いものは尊い。そしてその元で60年、たとえ矛盾があろうと、人を一人も殺さずにいたことを私たちは誇りに思いたいです。
これ先に改正されちゃったら、怖いと思いませんか?ちょっとずるくないですか?こんなことやっちゃうんですかね?
憲法は国民を縛り見張るものではない、国家権力を見張ってくれるものなんだ、と『Present for You & Present from You日本国憲法』にありました。やっぱり日本国憲法は(今まで当たり前にあったものだけど)大切です!
ご訪問いただき、また丁寧なコメントまで頂戴し有難うございます。
いただいたご意見、同感! 以外の言葉がみつかりません。うれしい限りです。
私はテレビをあまりみませんから、太田光をよく知っていたわけではありません。が、時々、政治にも口をはさんでいるのを耳にして、なかなかやるじゃんと思って『憲法九条を世界遺産に』を手にした次第です。
太田の意見は、はっきりしています。歴史を把握している。なぜ世界遺産なのかを語るくだりは秀逸だと私は思います。
安倍や石原などが「日本人の誇り」などと空々しい言葉で語るのを聞くにつけ、太田のリアリズムがますます輝いていると感じるこのごろです。ぜひお読みになったらいかがでしょうか。もう読まれたのかもしれませんが。新書ですから手頃です。(笑)
おっしゃるとおり、96条問題をもっと私たちも知らないといけませんよね。手続法ですからね。
国民投票法については、下記なんかをごらんになったらいかがでしょうか。他にもたくさんでていますね。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/2005_14.html(日弁連ホームページ)
まさに、ご指摘のように日本国憲法は国家権力を縛り、守らせるためのものですよね。太田にならえば、「二度と戦争を起こさないという姿勢を貫き通してきたことに、日本人の誇りがあると思うんです。他国からは、弱気、弱腰とか批判されるけれど、その嘲笑される部分にこそ、誇りを感じていい」のです。
ご意見にほんとに励まされました。今後ともよろしくお願いします。