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日本にも誇れるものがある。。
野矢茂樹さんによれば、それは、可能な事実よりなる可能な世界の総体と表される。ようは、世界を構成する要素の可能な組み合わせ(のすべて)と考えればよい。
論理空間はまた、世界のありようを考えるときの、思考できる総体だともいえる。それは、世界の可能性の範囲だともいえる。
このように考えて、思いつくのは、人それぞれで論理空間が異なるだろうということである。
つまり、山や紅葉という概念を知らなければ、山が紅葉するという目の前の事実も理解できないだろう。
最近、伊藤千尋(*1)さんの講演を聞く機会があった。また、ご本人と酒を酌み交わし、話をした。
伊藤さんの講演を聞いて思うのは、自分と伊藤氏の論理空間というものが相当にちがうであろうということであった。論理空間が対象と概念、いいかえると構成要素による以上、対象と概念を知る、知らないが論理空間の大小を決定づけるだろう。
目からウロコという表現をしばしば我われは用いるが、伊藤さんの講演を聞いて思うのはそのことだ。世界をまたに駆けるとはよくいったもので、新聞記者らしく伊藤氏の眼は、世界のあちこちで眼前に広がる世界を余すところなくとらえてきたのだろう。
発せられる言葉が伝えるのは、知らないことばかりだ。しかし、自分の論理空間がどのようなものかを、私たちは語ることはできない。知らないのだから。当然である。
別の言葉でいえば、私のしらないことを私が思考することはできないとういうことだ。
回り道をしてしまったが、最近、日本の医師数が諸外国を比較して極端に少ないことが伝えられた(参照、魚拓)。
そのことにかかわって、伊藤さんが話をされた。
伊藤さんが言及したのは、キューバの事情である。彼が語ったのは、あの貧しい国が、医療に力を入れているという事実である。
伊藤さんのの著書から引用すると、キューバはこのように描かれている。
キューバの医療は世界一です。何が世界一かというと、お医者さんの数と医療の水準です。 キューバのお医者さんは7万5000人います。キューバの人口は1100万人。ちょうど東京都と同じくらいです。つまり、東京都に7万5000人のお医者さんがいるようなものです。(東京に7万5千の医者がいるか―引用者) … 革命が起きる前のキューバでは、お医者さんが実に少なかった。しかも貧しい人は医者にかかれなかった。こういう現実があったから、革命政府ができカストロ政権になって、医科大学を各地につくり医者の人数を10倍以上増やしたわけです。これで医療の水準がドーンと上がった。心臓移植の手術は、日本より早くやった。それぐらいの高いレベルです。しかも、キューバに行くと、外国人でもタダでお医者さんに診てもらえる。入院もタダ。 |
こんなキューバはもちろん国際的にみて、その医療体制の充実を誇りうる。その国の貧しさがあったにしても。あるいは貧しさゆえに、いっそう。伊藤氏は、国際的な取材の経験のなかから、似たような国の一つとしてコスタリカを講演のなかであげた。
ご存知の方もあろうが、コスタリカは軍事費をなくして、それをそっくりそのまま教育予算にまわし、世界で最も識字率の高い国になった。教育予算は国家予算の30%を占めている。
キューバもコスタリカも国際的に俺の国はこんな国だと誇れるものをもっている。
けれど、わが日本国はどうなのか。
誇れるものがある、のだろうか。
ないわけではない。ある。
それが日本国憲法九条だろう。平和を輸出できる、わが日本国。伊藤氏は講演では、日本国憲法九条にならって、それを自国で生かそうとする事例がしばしば紹介される。
一方の日本国では、率直にいって、憲法が暮らしに根付いているとはいいがたい。仮に文言上で理解していたとしても、それを生活のなかで生かそうとする意思をもつ人は極端に少ないだろう。
日本が誇れるのは憲法九条。ただし、それはこの国、日本国で国民一人ひとりが生活のなかで生かそうとする意思の有無に大きくかかわっている。
伊藤氏が力をこめて強調するのはそのことだろう。
九条をもちながら、少なくともそれを生かしえていないニッポン。対比して、自国の憲法を我がものにしようとして生きている諸外国。
論理空間を押しひろげられるのを実感するのは、その落差を知ることによってだ。
(「世相を拾う」08120)
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*1;朝日新聞記者。ホームページはここ。
*2;伊藤千尋『活憲の時代 コスタリカから9条へ』(シネ・フロント社)
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