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安倍晋三の語る日米関係 -安倍の出方5
安倍が恥本で祖父岸信介の「功績」をたたえる、うさんくさい記述からはじめよう(長い引用で恐縮します)。
1951年、サンフランシスコ講和条約といっしょに結ばれた日米安全保障条約には、アメリカが日本を守るというはっきりした防衛義務を定めた条項がなかった。事前協議の約束もない。このとき、アメリカとしては、日本に自由に基地がつくられることになっていたのだ。
そればかりか、日本に内乱が起きたときには、米軍が出動できることになっていたり、アメリカ人が日本国内で犯罪をおかしても、日本には裁判権がないなど、独立国とは名ばかりの、いかにも隷属的な条約を結んでいたのだ。
祖父はこのとき、この片務的な条約を対等にちかい条約にして、まず独立国家の要件を満たそうとしていたのである。いまから思えば、日米関係を強化しながら、日本の自立を実現するという、政治家として当時考えうる、きわめて現実的な対応であった。
だが、「隷属的な条件を対等なものに変えた」と見出しがついたこの章で、ここまでいえば欺瞞としか私には思えない。旧安保条約も、新安保条約も、日米両政府の思惑で成り立ったものだからだ。うがった見方をすれば、「政治家として当時考えうる、きわめて現実的な対応」とは、二国間の外交の結果、どんな結論がでようとも使える都合のよい言葉だともいえる。
現代史の重要な1つの歴史の節目を限られたスペースでふりかえるのはとても危険だが、あえてそれを試みると、つぎのように日米安保体制は日米両政府の思惑の上でもとよりできあがっている。
大戦後、日本を占領したアメリカは、日本を非武装化し無力な存在にしておくことが当初のねらいだったといわれている。
しかし、冷戦がはじまることによって、このアメリカのねらいはついえ、ソ連など「共産主義陣営」から日本をどう防衛するかにアメリカの視点も移らざるをえなかったといえる。1950年代には、内灘事件、砂川事件、ジラード事件などによって激しい反米基地闘争が起こり、安保条約に対する不満が高まっていた。保守政治家が安保改定を志向した背景には、「不平等条約」と呼ばれた日米安保条約を改定し、双務的で対等な同盟関係を得ようと考えており、安保改定交渉は鳩山一郎内閣のときから水面下で行われていたという。
当時は、50年にはじまった朝鮮戦争、革命後の中国、それにソ連というように、アメリカにとって日本は地政学的にみても重要な拠点たりえたのだ。アメリカはこの日本で自由に軍事行動ができる条件下においておくことが必要となった。
日米安保条約の締結の経過をアメリカ側からのぞくとこうなると思う。一方、これが「吉田ドクトリン」とよばれるような当時の日本の政権内の思惑にも合致していたのだ。
上の安倍の恥本にあるような「独立国とは名ばかりの、いかにも隷属的な条約」という理解とそれをもとにした圧力が新しい安保条約にむかわせたし、アメリカ側は、世界戦略にとって日本をわが陣営につなぎとめるために安保改定を容認する方途をとったという以外のなにものでもない。
その結果、できあがった日米安全保障条約といわゆる「地位協定」によって、安倍のいう「独立国家を満たす条件」がつくられたといえるだろうか。否である。みなさんはどのように考えられるだろうか。
私が「ゆがんだナショナリスト」と別のエントリーで安倍をよんだのも実はこの点にかかわっている。安倍だけでなく、自民党政権はつねに日米安保条約のもとで、独立国家とはとてもいえないような対応をしてきた。それはいまでも変わらないし、小泉はそれをいっそう前に進めた首相だ。安倍の恥本の欺瞞は、日米関係のいまのこの実態をいっさい覆い隠しているところだ。
よく引き合いに出される米軍への「思いやり予算」を考えてみよう。
2006年の参院決算委員会の議事録から興味ある数字をひろってみた。
【日本政府が負担する在日米軍の駐留にかかわる「思いやり予算」】
年間2326億円(2006年度)
・1978~2006年度の予算累計
5兆269億円(契約ベース)
【エアコン】
・米軍の小中高校 ほぼ100%設置
・日本の小中校 6%設置
米軍に大盤振る舞いの一方で、子どもたちにはこの扱い。これがいいなりでなくなんだというのか、腹立たしくなる。当初は負担しなかった光熱水費や訓練移転費など、年々日本側の負担が増えている。
これが安倍のいう「独立国家」の実態なのだ。
もう1つあげれば、日米共同演習である。われわれが実際にはなかなかつかみえない数字だけれど、こんなデータが示されていた(しんぶん赤旗)。米軍と自衛隊による共同訓練・演習の実態はつぎのとおり。
・2005年度 106回 のべ416日
・2004年度 100回 のべ331日
回数で6日、日数で85日ふえた計算になる。在日米軍の再編に先立ち、すでに共同訓練の拡大がすすんでいることを示している。
さて、あの岸は、つぎのように語っていた。
「日本は米国の経済的その他いろいろの援助を受けて立ち直ってはきたが、内心には一種の劣等感があり、一方米国は優越感を持っている。これらは占領時代の残りかすであり、それを払いのけることによって真の平等の立場が生まれてくる」(岸信介『岸信介回顧録』330頁)
安倍はこれをそっくりそのまま表現してしまったらしい。だが、その結果できあがった「独立国家」の現状について、政治家らしい周到な調査にもとづき記述すべきであった。そうでないから、安倍の書いた本はまさに恥本だ!
しめくくりに丁度良い言葉がみつかった。
安倍の言葉だが、そのまま引用するわけにはいかない。カッコ付の言葉を挿入し、はじめて意味がわかるというものだ。
わたしたちが守るべきものとは何か。それはいうまでもなく国家の独立、つまり国家の主権であり、わたしたち(権力者)が享受している(権力者にとっての)平和である。具体的には、わたしたち(権力者)の声明と財産、そして(権力者の)自由と人権だ。 (カッコの中はすべて引用)
こんな文脈でとらえると、日本の今後の姿もたちどころにみえてくる。
思いやり予算;
在日米軍の駐留経費における日本側の負担のうち、日米安全保障条約、及び日米地位協定に負担の根拠がなく、特別協定によって負担が定められているものを指す。防衛施設庁予算の「在日米軍駐留経費負担」が思いやり予算に相当する。(ウィキペディア)
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