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2014-10-04 10:33:38 | ラン


Ironman 70.3 Gurye Korea レースレポート その5
10/4 Race Day ラン編

バイクをキャッチしてもらいすぐに自分のラックへ

…が
勢い余って”377”のラックまで行ってしまった
すぐに戻り337のラックへ

ここでシューズに入れて置いた痛み止めを見て
初めて痛みがなくバイクまで終えたことに気がつきました

根拠はないのですが、このままイケルと思い薬はそのままランバックへ

メットをしまい、シューズを履いて紐を締め、バイザーを被って…

始めの一歩を踏み瞬間ふと思う

”この日この瞬間を迎えられる…そんな日が来るとは思ったか”
”ここまで長かったな…”
”さあ、楽し苦…行くぞ!”

ランスタート手前
ペナルティボックスがあった

自分のゼッケンを前にやり
「このナンバーは大丈夫ですか」
あれだけマーシャルにチェックされていると一緒にペナルティを取られていても不思議ではない

「いいから、行け!」
とマーシャル



その言葉でもう頭を切り換えることにした
かなりランギアバックが残っていたところを見ると…
それなりのポジションでランに入れたはずだが、痛み出る前に走り終えればそれで充分だ



余計なコトを考えず、自分のレースをしよう
T2から公園内を抜けてバイクコースと同じ道路へ出る

そこでリーさんが手をグーにして上下にふりながら
「キヤさん、キヤさん、♪♪♪♪キヤさん」
リズム?を刻むσ(^◇^;)

そう言えば、今朝、
リーさんがナンバーリングをホテルでしてくれた時に言っていた
「(レースナンバー)337か…、あ!三三七拍子だ。僕は君のチアリーダーだぞ!あれ、この英語の使い方あってる?」

あぁ…アレか

ありがとう

何かスッキリしたよ!



脚運びのちぐはぐさが消えた

ふぅ…

いつもと同じ

いつもと同じ動き

何度も何度もイメージした自分のリズム

刻め、自分のリズムを

肩の力が抜ける

西内プロが教えてくれた脚の動かし方をもう一度チェック

”走る”のではない

”脚を置く重心を少しずらす、身体を前に進める”

”呼吸を整えろ”

”ひねりを使え、丹田に力を”

”筋力に頼るな”

何度も何度もイメージした動きの再現だ

入りの1㎞が3分54
そこからはキロ4前後で

やはりレース直前のペース走で刻めたペースが今のギリギリのラインか…

橋を渡り川沿いの周回コース(2ラップ)へ
川沿いの一本道の2往復

否が応でも自分の順位が分かる
プロが通過してその後…

なんとリーさんと同じトライアスロンクラブで同じエイジの方がプロに次いで走ってくる

確かリーさんの話ではフルマラソン2時間30分代で、
毎年福岡国際に招待されている選手だとか…
元々ランナーだったが、トライアスロン始め2年間でバイクの力を付け
出るレース全てが表彰台とか言っていたっけ(ちなみに水泳のコーチでスイムも強い)

軽快に飛ぶように走る姿は、見とれてしまうくらい格好良かった
「ファイティ〜ン!」
エールを送る

続いて何人かのエイジが…数えてみると自分の前に同じエイジ10人いない?!
え…?!

あれこれ考えてしまいそうになったが、すぐに忘れて自分の”動き”に集中

日差しがどんどん強くなってくる

朝の寒さは霧はウソみたいな快晴
あまりの暑さにスリーブを手首まで下ろす

自分のトラウェアはバックジップだったが、それも全部下げたいくらい暑くなってきた

…こりゃサバイバルレースだな…

エイドでは水だけもらう

スポンジも欲しかったが用意されていなかったので、両手で2〜3つコップを受け取り

コップの口を潰して口に流し込み、別のコップの水を頭からかける

1ラップ後半他のエイジも混じって正確な自分の順位が分からなくなる

…が
これがかえって良かった

余計なことを考えず、ただひたすら前の選手の背中を追いかけパスし、また次の背中を探す

順位よりも
今日のために万全のサポートをしてくれたリーさんの待つスタジアムへ

少しでも早く速く

2ラップ目
もう何人抜いたか分からない

プロ選手ともすれ違う
男子も女子も絵美さんも苦しそうだ

あぁ、そうだ

苦しいんだ

自分もギリギリのところで動いている

同じなんだ

同じレースで
同じように苦しんで
同じゴールを目指している

同じなんだ

2ラップ後半、遙か前方に3人のエイジが見える

背中がまだ小さい

距離が縮まらない

苦しい

苦しい

この苦しみは何時以来だ

苦しい

苦しい

あぁ、S悟さん
ホントだ

「いつも苦しい。」

再びココに戻ってこられたんだ

この苦しみはドコから…
あぁ自分からか

この苦しみは自分のモノ…
全部受け止めてやる!

この苦しみから逃げのは、
自分から自分を支えてくれたたくさんのヒトの思いから逃げるのと同じだ
全部受け止めてやる!!

だから、
この身体の力、ぜ〜んぶ俺に預けろ!!!

もっと強く

もっと苦しく

これは俺のレースだ

川沿いの周回コースを終えて競技場へ向かうラスト3㎞

もうペースもタイムも気にしない

目の前に見えるあの背中を追い抜く

苦しい

暑さのせいか頭がボーッとしてくるが
目の前の背中だけはしっかり見える

食らい付け

呼吸が荒い
ペースが乱れているのだろう
恐らく心拍も跳ね上がっている

あと3㎞もつか…
とか完全に頭から吹っ飛んでいた

ガーミンがラップを告げる
あと2㎞

近づいてきた背中を一つ捉える
抜く

競技場が近づいてくる
再びラップを告げるビープ音
残り1㎞

苦しい

視界がぼやける

捉えた
背中を通り越し前に出る
足跡がずっとすぐ後ろで響いている



競技場までナンテ遠いんだ



競技場入り口
リーさんの顔が見えた



何か言っている
え?よく聞こえないよ…
でも、最後の叫びはハッキリ聞こえた



「…Goooooooooo!」
フィニッシュゲートが見えた



出し切れ
全て



「〜………!〜」
声にならない叫び
フィニッシュラインを
越えた

走ってくるリーさん
完走出来た
ゴールラインを越えることが出来た



「おぉおぉぉぉぉお〜!」
叫ぶ
叫ぶ

笑顔で見守るリーさん

ゴールラインをふり返り
「ありがとうございました!」
一礼

「おめでとう!おめでとう!」
リーさんの声で力が抜ける

ふらつきながらも
「ありがとう」
と荒い呼吸で何とか答える

「身体は、脚は大丈夫かい?」
「あ…、あぁ、大丈夫だよ」
痛み止めは背中のポケットの中
痛みはない
「ありがとう!」

ラン 1時間27分52秒

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