ゴルフィーライフ(New) ~ 龍と共にあれ

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暗から明へのシンフォニー ~ 佐村河内守&チャイコフスキー

2013年04月14日 | お気に入り♪(クラシック)

これは私見かもしれないが、何時の間にか、身の周りからベートーベン的なものが少なくなっているような気がする。
苦悩を克服した先にある歓喜、のような物語性を持ったものは、重厚長大に過ぎて、コマーシャルになかなか乗らないのかもしれない。
私が子供だった1970年代には、ベートーベン的なものがもっと尊重され、巷に溢れていたような気がする。 
スマートでないものを抱えたまんまの、めんどくさい人がもっと多かったような気がする。

大河ドラマ「八重の桜」の音楽を手がけているのは坂本龍一氏。
ドラマの要所々々で、チャイコフスキーのアンダンテ・カンタービレ辺りを意識したのではないか、というような美メロが登場する。
(八重の桜 ~ 2013年の磔刑(たっけい))

( ↓ ) 
お茶の間に迎合しないという面において前衛的であり、意欲作であったがために、低視聴率に終わった前作の平清盛の音楽を手がけていた吉松隆氏のコメントが興味深い。
現代音楽というフォーマットではなく、心を打つ音楽として構成してくれたということに、″はじめて同時代の作曲家として嫉妬を感じた″。

この佐村河内守という方のドキュメンタリーをTVでやっていたのですが、 まるでベートーベンのようです。

聴覚を失うという音楽家にとって絶望的なほどの苦悩のクオリアの中にあってさえ、
" 僅か1%の晴れ間を押し広げ、99%だった曇天の世界を晴れ渡った美しいアルファの世界に変えていく " 、

そのような志向を持ったものに、共感を抱くようになった。 がん患いが私に与えてくれた恵みなのかもしれない。
4分過ぎから登場する豊穣な響き、魂を揺さぶる音楽。   

交響曲第1番《HIROSHIMA》 / 佐村河内守

これもまた、「暗から明へのシンフォニー」。
チャイコフスキーの交響曲といえば「悲愴」の名前ばかりを聞くような気がしますが、5番シンフォニーの第2楽章にはチャイコフスキーのキャリアのなかでも特筆すべき美メロが2つも登場するといいます。あれほどのメロディメイカーはなかなかにいないくらいなのに。

チャイコフスキー:交響曲第5番 第2楽章/Tchaikovsky:Symphony No.5
 

ホルンがなぞる、ほの暗いトーン、
愛でているのはメロディというより、そこに立ち上がる空気そのもののような気がします。

私は肺患いの身となってしまいましたが、呼吸や身体のトーンを、慈しんでは撫で上げるようなのをクリップ。
たとえ、ほの暗かろうと美しい。

 

FBで知ったのだが、西洋音楽の歴史を一気に俯瞰できるような動画がありました。
ポールも敬愛するMonteverdi(モンテヴェルディ)、顧みられることは殆ど無いように思えるが、この動画の中では、バッハ以前の時代に確りした立ち位置に居たように思える。
(モンテヴェルディについて: 一番先に浮かんだ言葉は使わないこと。)

5万年におよぶ音楽の歴史を7分で見渡せる動画
 

音楽は勉強するようなものではないようにも思えるが、新しいアプローチや視点を与える助けとしては面白かったりする。

十二音階の狭間に在る音

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4 コメント

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ご無沙汰で申し訳ありません。 (ひかる姐)
2013-04-15 02:34:15
ゴルフィーさんが綴るこの隠れ家的交響曲の世界を私の拙い能力では100%理解することができなくて、
コンプレックスと嫉妬の念を持って、これまでつかず離れず、拝読しつつ、
魂の揺さぶられる思いを幾度も一方的に享受しながら、今宵まで無関心を装ってきた私をお許しください。

言葉にすることが今はとてもしんどいのです。
でも、ずっと読者でいさせてくださいね。

ゴルフィーさんの発信を愉しみにしています。






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おはようございます (ひかる姐さんへ)
2013-04-15 06:00:23
2013マスターズ、最終組もサンデーバックナインですね、
夜遅いみたいですけど、観戦されてるのでしょうか?

ジャック イズ バック!はニクラウス46歳のことなんですね、
はやくカムバックしないと。

ぜひぜひ、またいらしてください。

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Unknown (雲の高)
2013-04-15 15:15:46
お邪魔いたします。
これまで約40年クラシック音楽を愛好して参りましたが、これ程飛び抜けた才能を持つ現代音楽作曲家を私は知りません。
一過性のブームにすぎない、などと佐村河内守作品を馬鹿にしている書き込みをよく目にしますが、あれらは全て妬みやっかみに他ならないと断言します。
佐村河内守は現代の日本から世界の未来に発信する至高の作曲家です。
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Unknown (雲の高さんへ)
2013-04-15 18:00:48
音楽の歴史は、動画のように、また新しい歴史を作っていくのでしょうね。
名だたる音楽家のかたも心酔する、何かが、佐村河内守さんの作品にはあるのでしょうね。
同年代にこのような方があらわれて、これからもたのしみです。
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